私たちの生活の中で「今は何月か?」を言う時に、普通は「1月」「2月」と表しますよね。
でも、何月かを表す時に、
ということは、みなさんご存知だと思います。
その呼び名が「睦月、如月、弥生…」というように、聞いたことがある人も多いんじゃないでしょうか。
これらは「和風月名」とも呼ばれていますね。
私たちの生活の中で「今は何月か?」を言う時に、普通は「1月」「2月」と表しますよね。
でも、何月かを表す時に、
ということは、みなさんご存知だと思います。
その呼び名が「睦月、如月、弥生…」というように、聞いたことがある人も多いんじゃないでしょうか。
これらは「和風月名」とも呼ばれていますね。
そこで今回は、その月名を表す言葉の「水無月」が何月なのか。
水無月の読み方や語源、そして由来や意味にはどんな経緯があったのか。
また水無月の季語や行事などと共に、水無月以外の各月の異称と読み方や暦の二十四節気についてまとめました。
1月、2月、3月など、各月には別に名称があります。
その水無月は何月かと言うと「6月」にあたります。
水無月は日本の旧暦での6月の呼び方で、その由来や意味はその月の特徴を表したものが元になっています。
昔は単純に月を数字で数えるだけではなく、それぞれの季節感を持って呼んでいました。
ただ、和風月名は旧暦の季節や行事に合わせたものなので、現在の季節感とは1ヶ月ほどのズレを感じることもあります。
水無月は「みなづき」という読み方をします。
水無月というのは「陰暦6月の称」です。
水無月の「無」はこれだけを捉えて「水が無い」という意味ではなく、この「無」は現在の「~の」と同じ意味を表すと考えられています。
つまり「水の月」というように解釈できるわけですが、これにも色々と説がありますね。
水無月は6月なので、英語でいうと
なぜ6月は英語でJuneなのかというと、その由来はローマ神話の
「結婚や出産の女神ジュノー(Juno)」
から来ています。
6月に結婚する「ジューン・ブライド」という言葉にもあるように、6月の結婚は幸せになれるという話もありますよね。
水無月は6月を表しますが、実はそれ以外にも6月には別名があり、
葵月(あおいづき)青水無月(あおみなづき)弥涼暮月(いすずくれづき)大六月(おおろくがつ)風待月(かぜまちづき)季月(きげつ)建未月(けんびげつ)極暑月(こくしょげつ)涸月(こげつ)朔月(さくげつ)焦月(しょうげつ)暑月(しょげつ)水月(すいげつ)涼暮月(すずくれづき)蝉羽月(せみのはづき)田無月(たなしづき)旦月(たんげつ)常夏月(とこなつづき)遯月(とんげつ)夏越の月(なごしのつき)鳴神月(なるかみづき)熱月(ねつげつ)晩月(ばんげつ)未月(びげつ)未の月(ひつじのつき)伏月(ふくげつ)松風月(まつかぜづき)末月(まつげつ)且月(みなづき)皆無月(みなづき)皆尽月(みなづき)
など、他にもたくさんあるようです。
このようにたくさん6月の別名がある中で、「水無月」と呼ばれることが一般的ですね。
では、なぜ6月が水無月というように呼ばれるのか?
その水無月の由来や語源、そしてその意味について見ていきましょう。
水無月と呼ばれる由来や語源は、6月という状況に大きく関係しています。
最初に少し触れたように、水無月の「無」は「~の」というような働きがあり、名詞と名詞をつなぐ「連体助詞」という役割を持っていると考えられています。
つまり「水の月」というように解釈する事ができて、
ということから、「田んぼに水がたくさんある」ということで水無月と呼ばれるようになった説が有力ですね。
これは10月の神無月も、同じことが言われています。
この前の時期には、田んぼに水を引く前の「中干し」という「一度田んぼの水を抜く作業」が行われるんですね。
中干しは「土に酸素を送って、根を健康にさせるため」や「育ち過ぎを避けるため」に行われる作業のことです。
こうやって田んぼを整えてから、再び水を引いたわけですね。
その他にも水無月となった由来があり、
という説もあると考えられています。
「水が涸れ尽きる説」は、旧暦6月は現在の7月頃をさすので、梅雨も終わり水がなくなっている状態を指す説です。
「皆尽月(みなづき)説」は、田植え作業も終わって、やることは全て終えたということで「みんなすることは尽きた」ということで「皆尽月」と呼んだと言う説です。
他には、梅雨明けで空には雨がない状態から「水無月」と呼んだ説などもあるようですね。
最初の水無月の「無」を「~の」と解釈する説が有力ですが、しっかりとどの説が正しいのかはハッキリしていないようです。
6月の水無月と言えば、たくさんの行事や風物詩が思い浮かびますよね。
それらを季語として手紙などの中に入れると、季節感が出るし整いやすくなります。
そんな6月の風物詩ですが、例えばどのようなものがあるかピックアップしてみました。
【風物詩】衣替え、田植え、麦刈り、てるてる坊主、鮎解禁、父の日、ジューンブライド、夏のボーナス、梅干し、さくらんぼ、あんず、ざくろ、夏越の祓
【気候】夏至、半夏生、梅雨、入梅、梅雨寒、長雨、蒸し暑さ、湿気
【自然】カタツムリ、カエル、ホトトギス、ホタル、さつき、あやめ、紫陽花、アマリリス、くちなし、芍薬、花菖蒲
これらの行事や自然の植物、気候などを手紙の文章に入れると季節感もでます。
手紙を書く時などは、こういった行事や気候を季語として使い、自分だけのお手紙など書いてみるといいですね。
その水無月にやり取りするお手紙で使われる時候の挨拶で、6月の上旬・中旬・下旬でどういった言葉が使われるのか。
また、その書き出しと結びの言葉について、例文などを紹介しながらこちらのページにまとめています。
手紙を書く上で参考になると思うので、ぜひ読んでみて下さい。
半夏生の時期とは少し違いますが、6月30日の*夏越の祓(なごしのはらえ)の際に
という和菓子を食べる風習があるようです。
板の白い部分はういろうで、上には甘く煮たあずきを乗せた和菓子です。
小豆は「厄除け」として信じられてきました。
残り半年の無病息災を祈るためや、暑い夏を乗り切るために氷菓子に見立てて用意されたものだと言われていますね。
*夏越の祓とは、半年間の罪や穢れを祓い、それより先の半年の無病息災を願う行事です。
『夏越の祓の様子』
このような行事の中でお菓子の水無月も振る舞われていたのですね。
6月は水無月という名前の和風月名ですが、他の月にもこのような異称の読み方が存在します。
その各月の別名と読み方は
1月:睦月(むつき)
2月:如月(きさらぎ)
3月:弥生(やよい)
4月:卯月(うづき)
5月:皐月(さつき)
6月:水無月(みなづき)
7月:文月(ふみづき)
8月:葉月(はづき)
9月:長月(ながつき)
10月:神無月(かんなづき)
11月:霜月(しもづき)
12月:師走(しわす)
このような呼び方が一般的です。
各月ごとにリンクを張ってますので、気になる月についての由来や語源、意味などをチェックしてみましょう。
季節を表す「二十四節気」と呼ばれる節目の中で、6月の水無月には
という時期を迎えます。
小満(5月21日頃):5月21日頃~6月6日頃の前日まで
芒種(6月6日頃):6月6日頃~6月21日頃の前日まで
夏至(6月21日頃):6月21日頃~7月7日頃の前日まで
これが時候の挨拶で使う言葉にも関わる場合もあるので、うまく使い分けていければいいんじゃないでしょうか。
特に夏至は大切な節目で、
ということで知られていますね。
この逆に、冬に訪れる「冬至(12月22日ごろ)」は
全く違っているんですね。
そして、この夏至と冬至の日では、昼の時間はなんと「約5時間」も差があります。
だから6月の水無月の頃は、日が沈むのがとても遅いですよね。
この二十四節気から全体を見渡すと一年の流れがわかりやすくなりますが、私たちの生活にどんな意味をもたらしているのか?
日本の季節や文化にも大きな影響を与えている「二十四節気」について、一覧カレンダーで確認しながら理解できるページを用意しています。
農作物の収穫や時候の挨拶、季節の行事などに今でも大きく関わっているので、ぜひこの機会にご覧になってください!
水無月とは何月のことなのか。
水無月の読み方や語源、そして由来や意味にはどんな経緯があったのか。
また水無月の行事や季語などと共に、水無月以外の各月の異称と読み方や暦の二十四節気についてまとめましたがいかがでしたか。
普段なかなか使う機会はないかもしれませんが、6月が水無月とつけられた由来や意味を知っていると、またその見方も変わるかもしれませんね。
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