時候の挨拶6月の上旬・中旬・下旬の書き出しと結びの例文を見ていきます。
6月といえば梅雨が目立つ時期ですよね。
長雨や空梅雨など、その年によっても違いはありますが、天候不順の日が多くなる季節です。
そんな梅雨時期には体調を崩しやすかったり、気分が滅入ったりなどしやすいので、元気になるようなお手紙を出したいですよね。
では、相手とのやり取りをするお手紙の中で、その時候の挨拶で6月の上旬・中旬・下旬にどういった言葉が使われるのか?
今回は、その6月の時候の挨拶で使われる書き出しと結びの言葉や季語となる風物詩について。
また夏至や梅雨など、6月ならではの特徴についても触れてまとめました。
時候の挨拶6月の上旬・中旬・下旬の言葉とは?
6月は水無月(みなづき)とも呼ばれますね。
6月の時候の挨拶には、二十四節気と呼ばれる季節の節目も関係し、それによって上旬、中旬、下旬でも少しずつ使われる言葉にも変化が見られます。
6月に関わる二十四節気では、
という時期を迎えます。
小満(5月21日頃):5月21日頃~6月6日頃の前日まで
芒種(6月6日頃):6月6日頃~6月21日頃の前日まで
夏至(6月21日頃):6月21日頃~7月7日頃の前日まで
これが時候の挨拶で使う言葉にも関わる場合もあるので、うまく使い分けていければいいんじゃないでしょうか。
この二十四節気から全体を見渡すと一年の流れがわかりやすくなりますが、私たちの生活にどんな意味をもたらしているのか?
日本の季節や文化にも大きな影響を与えている「二十四節気」について、一覧カレンダーで確認しながら理解できるページを用意しています。
農作物の収穫や時候の挨拶、季節の行事などに今でも大きく関わっているので、ぜひこの機会にご覧になってください!
その時候の挨拶には
漢語調(青葉の候、入梅の候など)
和文調(長雨が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。)
などというような、2つの言い回しの仕方があります。
では、それぞれどのような時候の挨拶があるのか、まずは漢語調の言葉から見ていきましょう。
時候の挨拶6月の上旬、中旬、下旬の漢語調の挨拶
漢語調での6月の時候の挨拶には
時候の挨拶 6月上旬
向暑の候、麦秋の候、初夏の候
時候の挨拶 6月中旬
薄暑の候、入梅の候、芒種の候
時候の挨拶 6月下旬
夏至の候、梅雨の候、短夜の候
*それぞれの時候の言葉に続けて「~の候」「~の折」「~のみぎり」というように続けて表現する。
漢語調の時候の挨拶を使うと、礼儀正しくかしこまった挨拶になります。
時候の挨拶の季節感のズレ
時候の挨拶に使う言葉は旧暦に基づいているので、今の季節感とは違いを感じるところもあると思います。
例えば「厳寒の候」「酷寒の候」などは主に1月に使います。
本当なら2月が季節的に一番寒い時期なので、2月にも「厳寒の候」とか使えそうですが、二十四節気の「大寒」が1月にあるため2月中旬や下旬では使いません。
そして2月は「立春」があるので暦の上では「春」となります。
また、8月は7日頃に「立秋」があるため、夏真っ盛りなのに「残暑」という言葉を使ったりします。
ただ、その年の気候や季節の変化を加えれば、実感できる言葉であるなら別に月をまたいで使ったとしても失礼にはならないと思います。
そのあたりは臨機応変に使ってもらえれば良いんじゃないでしょうか。
その年の気候や季節の変化で、実感できる言葉を自分なりに選んでいってもらって大丈夫だと思います。
時候の挨拶6月の上旬、中旬、下旬の和文調の挨拶
和文調での6月の時候の挨拶での書き出しには
時候の挨拶 6月上旬
初夏の風が爽やかな季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
こちらは早々に梅雨入りしましたが、そちらはいかがですか。
紫陽花の花が咲き始めると梅雨を一層感じます。お元気でいらっしゃいますか。
時候の挨拶 6月中旬
梅雨に入りうっとおしい日が続きますが、ご壮健でお過ごしのことと存じます。
今年は空梅雨の蒸し暑い日が続いておりますが、お変わりございませんか。
今年もすでに半年を過ぎてしまいました。ご無沙汰しております。
時候の挨拶 6月下旬
長雨が続きますが、皆様、お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか。
梅雨明けが待たれる毎日です。ご家族様お変わりなくお過ごしのことと存じます。
梅の実も熟してくる頃ですが、皆様お元気ですか。
その年によっても気候の違いなどはあると思うし、相手の地域によっても自分が住んでいるところと違う部分もあると思います。
その年によって暖冬や冷夏の年もありますし、空梅雨なのに「長雨でうっとおしい日が続きますが~」などはおかしい文になりますよね。
日々のニュースや地域の情報などもチェックしながら考え、文章を選んでいけばいいと思います。
時候の挨拶6月の上旬~中旬にかけて
また二十四節気に加えて「七十二候」と呼ばれる、気象の動きや動植物の変化を表したものも参考にできます。
時候の挨拶の6月の上旬~中旬にあたる芒種の時期には
初候(6月5日頃)蟷螂生(かまきりしょうず)
かまきりが生まれるころを言います。
次候(6月10日頃)腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)
蛍の光が草むらから見え始めるころを言います。(*昔は腐った草が蛍になると考えられていたようです。)
末候(6月15日頃)梅子黄(うめのみきばむ)
梅の実が黄色くなって熟す頃を言います。
時候の挨拶6月の中旬~下旬にかけて
そして、時候の挨拶の6月の中旬~下旬にあたる夏至の時期の七十二候には、
初候(6月20日頃)乃東枯(なつかれくさかるる)
夏枯草の花が枯れたように見える頃を言います。
「夏枯草」(かごそう)はうつぼ草の異名で、他の花は開く時期なのに、冬に芽を出したうつぼ草が枯れていくことを惜しんだ言葉です。
次候(6月25日頃)菖蒲華(あやめはなさく)
あやめの花が咲き始める頃で、梅雨到来といわれていました。
末候(6月30日頃)半夏生(はんげしょうず)
半夏(からすびじゃく)が生え始める頃で、田植えの時期の目安とされました。
雑節として半夏生があり、この時期に各地方で振る舞われた食べ物などもあります。
こういった言い回しは「和文長の時候の挨拶」の言い回しの際に使いやすいと思います。
機会があれば、ぜひ取り入れて自分だけの文章を作ってみてくださいね。
時候の挨拶6月の書き出しの例文とは?
手紙の構成としては、漢語調も和文調も
というようにつながっていきます。
例えば、
【漢語調】青葉の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
【和文調】梅雨寒の日が続きますが、お変わりございませんか。
などというような感じですね。
基本はこういった形を頭に置きながら、アレンジも加えたりして6月の時候の挨拶の書き出し文として使っていってもらえればと思います。
そこに、先ほどの二十四節気の時期なども考えながら、文章を作成していって下さい。
では、時候の挨拶で6月の上旬・中旬・下旬と参考になる書き出しの例文をまとめました。
時候の挨拶6月上旬の書き出し例文
- 衣替えの季節となりましたが、お元気でお過ごしのことと存じます。
- 向暑の候、皆様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。
- くちなしの花が香る季節ですね。皆様お元気ですか。
- 初夏の候、お変わりなくご活躍のこと、お喜び申し上げます。
- 梅雨入りを感じさせる天気が続きますが、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
時候の挨拶6月中旬の書き出し例文
- 長雨が続きますが、皆様お健やかにおすごしでしょうか。
- 薄暑の候、ご壮健でお過ごしのことと存じます。
- 今年もすでに半年を過ぎてしまいましたが、時が経つのは早いものですね。
- 芒種の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。
- 今年は空梅雨で暑い日が続いております。皆様お健やかにお過ごしでいらっしゃいますか。
時候の挨拶6月下旬の書き出し例文
- カエルの鳴き声が盛んになる季節、いかがお過ごしでしょうか。
- 夏至の候、ご清栄のこととお喜び申し上げます。
- 今年も庭先に梅がたくさん実る季節となりました。そちらはいかがですか。
- 梅雨の候、お元気でお過ごしのことと存じます。
- 梅雨明けが待たれる毎日ですが、体調万全でお過ごしですか。
あらたまった相手に出す時は、時候の挨拶でも丁寧な言葉を使いたいです。
ただ、親しい相手に送る場合は、身の回りのことや行事のことも言葉に選んで、親近感のある楽しい感じのお手紙にされてもいいと思います。
では次に、その6月の時候の挨拶の結びについて見ていきましょう。
時候の挨拶6月の結びの例文
6月の時候の挨拶の結びの言葉についてです。
こちらでも先ほどの二十四節気や七十二候の内容を使ってもうまく作ることができますし、その季節に合わせた言葉選びで手紙を締める事ができます。
例えば、
【6月上旬】
梅雨入りも間近ですが、体調を崩されませんようお気をつけください。
【6月中旬】
梅雨空が続きますが、くれぐれも健康にはお気をつけ下さい。
【6月下旬】
梅雨明けも今しばらくの辛抱です。風邪など引かれませんように。
これも結びの例文の一つですし、その年の気候や地域によっても中旬と下旬で言葉のチョイスが変わったりすることもありますが、大まかにはこのような感じだと捉えてもらえればいいと思います。
では、その時候の挨拶で6月の上旬・中旬・下旬と参考になる結びの例文をまとめました。
時候の挨拶6月上旬の結び例文
- 天候不順の日が続きますが、お体には十分お気をつけ下さい。
- 梅雨入りも近づいてきましたが、お体おいとい下さい
- 衣替えをして気分も一新!嫌な梅雨も元気に乗り切っていきましょう。
- 雨模様の中にも初夏の気配を感じます。お互い体に気をつけましょう。
- 当分は雨続きになりそうですが、体調にはお気をつけ下さい。
時候の挨拶6月中旬の結び例文
- 梅雨明けには今しばらくかかりそうですが、くれぐれもお体に気を付けて。
- 長雨が続いております。体調を崩されませんようお気をつけください。
- 蒸し暑い日が続きますが、心が滅入らないよう祈っております。
- うっとおしい梅雨ではありますが、紫陽花やくちなしなどこの季節だけの楽しみもあるので堪能したいですね。
- 心をふさぐような梅雨空が続きますが、くれぐれもご自愛ください。
時候の挨拶6月下旬の結び例文
- 梅雨寒の日が続きますが、くれぐれもご自愛ください。
- 梅雨明けももう間近です。また夏は一緒に海へ行ってみましょうね。
- 空梅雨で雨も少ない気候ですが、健康にはぜひともご留意くださいませ。
- あと数日もすれば梅雨明けのようでございます。ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
- 楽しい夏ももうすぐですので、梅雨に負けずがんばりましょう。
こちらも書き出し分と同様に、あらたまった相手には、時候の挨拶でも丁寧な言葉を使いたいです。
また、無難な時候の挨拶の結びの例文もあるので、そういった文章は上旬・中旬・下旬で時期が多少ずれても違和感はないと思います。
相手に届く時期がわからない時や地域の状況がわからない時は、そういった言葉が便利なので使って下さい。
6月の時候の挨拶に入れる季語
6月の時候の挨拶の書き出しと結びに入れる言葉には、この時期の「風物詩」や「気候」、「自然」などを取り入れて春夏秋冬の季節感を出します。
これから順番にいくつか紹介していきますが、文章づくりの参考にして下さい。
では、まずは6月の風物詩について紹介しますね。
時候の挨拶に6月の風物詩を入れる
時候の挨拶の中に6月の季語になる風物詩を入れて、具体的な話を手紙に書くこともできます。
そんな6月の風物詩ですが、例えばどのようなものがあるかピックアップしてみました。
【風物詩】衣替え、田植え、麦刈り、てるてる坊主、鮎解禁、父の日、ジューンブライド、夏のボーナス、梅干し、さくらんぼ、あんず、ざくろ
【気候】夏至、半夏生、梅雨、入梅、梅雨寒、長雨、蒸し暑さ、湿気
【自然】カタツムリ、カエル、ホトトギス、ホタル、さつき、あやめ、紫陽花、アマリリス、くちなし、芍薬、花菖蒲
これらの行事や自然の植物、気候などを手紙の文章に入れると季節感もでます。
機会があれば使っていき文章を作っていきましょう。
6月は夏至や梅雨の時期
6月は1年で最も昼の時間が長い夏至が6月21日頃にやってきます。
また、その夏至から11日後を半夏生とよび、田植えの時期としていました。
そんな夏至には様々な面白いことや、世界各国の夏至のお祭りなどもあります。
まずはこちらのページで、夏至の意味って何なのかを見てもらうとわかりやすくなると思います。
冬至とも照らし合わせると、その関係性もわかりやすくなるのでぜひご覧になって下さい。
そして6月といえば梅雨ですよね。
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