時候の挨拶12月の上旬・中旬・下旬の書き出しと結びの例文について見ていきます。
12月といえば1年の最後の月で、年末になると大掃除や年賀状の準備などで忙しいですよね。
イベントには忘年会やクリスマスなど、いろんな催しも多く重なり何かと忙しくなる時期です。
そんな12月は風邪やインフルエンザなども流行し、暖房なども欠かせない厳しい寒さがやってくる季節でもあります。
この12月に相手とやり取りをするお手紙では、その時候の挨拶で12月の上旬・中旬・下旬にどういった言葉が使われるのか?
今回は、その12月の時候の挨拶で使われる書き出しと結びの言葉や季語となる風物詩について。
また、年賀状の手紙についても触れてまとめました。
時候の挨拶12月の上旬・中旬・下旬の言葉とは?
12月は師走(しわす)とも呼ばれますね。
12月の時候の挨拶には、二十四節気と呼ばれる季節の節目も関係し、それによって上旬、中旬、下旬でも少しずつ使われる言葉にも変化が見られます。
12月に関わる二十四節気では、
という時期を迎えます。
小雪(11月22日頃):11月22日頃~12月7日頃の前日まで
大雪(12月7日頃):12月7日頃~12月22日頃の前日まで
冬至(12月22日頃):12月22日頃~1月5日頃の前日まで
これが時候の挨拶で使う言葉にも関わる場合もあるので、うまく使い分けていければいいんじゃないでしょうか。
この二十四節気から全体を見渡すと一年の流れがわかりやすくなりますが、私たちの生活にどんな意味をもたらしているのか?
日本の季節や文化にも大きな影響を与えている「二十四節気」について、一覧カレンダーで確認しながら理解できるページを用意しています。
農作物の収穫や時候の挨拶、季節の行事などに今でも大きく関わっているので、ぜひこの機会にご覧になってください!
その時候の挨拶には
漢語調(師走の候、歳冬の候など)
和文調(今年も残す所あとわずかになりましたが、いかがお過ごしでしょうか。)
などというような、2つの言い回しの仕方があります。
では、それぞれどのような時候の挨拶があるのか、まずは漢語調の言葉から見ていきましょう。
時候の挨拶12月の上旬、中旬、下旬の漢語調の挨拶
漢語調での12月の時候の挨拶には
時候の挨拶 12月上旬
初冬の候、初雪の候、寒冷の候
時候の挨拶 12月中旬
師走の候、大雪の候、極月の候
時候の挨拶 12月下旬
歳末の候、冬至の候、歳暮の候
*それぞれの時候の言葉に続けて「~の候」「~の折」「~のみぎり」というように続けて表現する。
漢語調の時候の挨拶を使うと、礼儀正しくかしこまった挨拶になります。
時候の挨拶の季節感のズレ
時候の挨拶に使う言葉は旧暦に基づいているので、今の季節感とは違いを感じるところもあると思います。
例えば「厳寒の候」「酷寒の候」などは主に1月に使います。
本当なら2月が季節的に一番寒い時期なので、2月にも「厳寒の候」とか使えそうですが、二十四節気の「大寒」が1月にあるため2月中旬や下旬では使いません。
そして2月は「立春」があるので暦の上では「春」となります。
ただ、その年の気候や季節の変化を加えれば、実感できる言葉であるなら別に月をまたいで使ったとしても失礼にはならないと思います。
そのあたりは臨機応変に使ってもらえれば良いんじゃないでしょうか。
その年の気候や季節の変化で、実感できる言葉を自分なりに選んでいってもらって大丈夫だと思います。
時候の挨拶12月の上旬、中旬、下旬の和文調の挨拶
和文調での12月の時候の挨拶での書き出しには
時候の挨拶 12月上旬
今年も残す所あとわずかとなりました。
師走を迎え、ますますご活躍のことと存じます。
木枯らしの冷たさが身にしみる季節でございます。皆様いかがお過ごしでしょうか。
時候の挨拶 12月中旬
なにかと慌ただしい年末ではございますが、お元気でお過ごしのことと存じます。
寒さも厳しくなってまいりました。皆様お健やかにお過ごしでいらっしゃいますか。
冬将軍の到来でこちらは大雪ですが、そちらの様子はいかがですか。
時候の挨拶 12月下旬
年の瀬も押し迫ってまいりましたが、お変わりなくご活躍のこと、お喜び申し上げます。
今年も残り少なくなってまいりました。お忙しい毎日をお過ごしのことと存じます。
クリスマスで賑やかな町並みとなっております。お元気でお過ごしですか。
その年によっても気候の違いなどはあると思うし、相手の地域によっても自分が住んでいるところと違う部分もあると思います。
その年によって暖冬や冷夏の年もありますし、空梅雨なのに「長雨でうっとおしい日が続きますが~」などはおかしい文になりますよね。
日々のニュースや地域の情報などもチェックしながら考え、文章を選んでいけばいいと思います。
時候の挨拶12月の上旬~中旬にかけて
また二十四節気に加えて「七十二候」と呼ばれる、気象の動きや動植物の変化を表したものも参考にできます。
時候の挨拶の12月の上旬~中旬にあたる大雪の時期には
初候(12月7日頃)閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)
空が閉ざされ冬となる頃を言います。
次候(12月12日頃)熊蟄穴(くまあなにこもる)
熊が冬眠のために穴に入る頃を言います。
末候(12月17日頃)鮭魚群(さけのうおむらがる)
鮭が群がって川を上る頃を言います。
時候の挨拶12月の中旬~下旬にかけて
そして、時候の挨拶の12月の中旬~下旬にあたる冬至の時期の七十二候には、
初候(12月22日頃)乃東生(なつかれくさしょうず)
夏枯草とは「うつぼ草」のことで、この植物が芽をだす頃をいいます。
ここから半年後の夏至の頃には枯れてしまうため、夏枯草という名前になっています。
次候(12月27日頃)麋角解(さわしかのつのおつる)
鹿の角が落ちる頃。
「麋」は大鹿を指し、枝分かれする古い角が抜け落ちるころで、春に生え変わってきます。
末候(1月1日頃)雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)
雪の下で麦が芽を出し始める頃を言います。
6月頃には麦の穂が畑一面が黄金色になり、収穫を迎えます。
こういった言い回しは「和文長の時候の挨拶」の言い回しの際に使いやすいと思います。
機会があれば、ぜひ取り入れて自分だけの文章を作ってみてくださいね。
時候の挨拶12月の書き出しの例文とは?
手紙の構成としては、漢語調も和文調も
というようにつながっていきます。
例えば、
【漢語調】孟冬の候、ますますご壮健でご活躍のことと拝察申し上げます。
【和文調】今年ももう数える程となりました。ご壮健でお過ごしのことと存じます。
などというような感じですね。
基本はこういった形を頭に置きながら、アレンジも加えたりして12月の時候の挨拶の書き出し文として使っていってもらえればと思います。
そこに、先ほどの二十四節気の時期なども考えながら、文章を作成していって下さい。
では、時候の挨拶で12月の上旬・中旬・下旬と参考になる書き出しの例文をまとめました。
時候の挨拶12月上旬の書き出し例文
- 師走を迎え、ご多忙な日々をお過ごしのことと思います。
- 初冬の候、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。
- 今年は例年になく暖かい師走となっております。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
- 初雪の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
- 鍋物が美味しい季節になりました。皆様お元気ですか。
時候の挨拶12月中旬の書き出し例文
- 暦の上でははや大雪を迎えますが、そちらはお変わりありませんか。
- 師走の候、ご清栄のこととお喜び申し上げます。
- 街がクリスマスの装いとなり、いよいよ年末を感じる今日このごろです。皆様いかがお過ごしでしょうか。
- 大雪の候、お元気で年末をお迎えのことと存じます。
- 年末ジャンボ宝くじの季節ですね。今年は購入されましたか。
時候の挨拶12月下旬の書き出し例文
- 今年も残す所あとわずかになりました。もうお正月の準備はお済みですか。
- 歳末の候、皆様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。
- ますます寒さも厳しくなってまいりました。お変わりなくお過ごしのことと存じます。
- 冬至の候、ご家族様お変わりなくお過ごしのことと存じます。
- 年の瀬も迫り、何かとお忙しい事と存じます。
あらたまった相手に出す時は、時候の挨拶でも丁寧な言葉を使いたいです。
ただ、親しい相手に送る場合は、身の回りのことや行事のことも言葉に選んで、親近感のある楽しい感じのお手紙にされてもいいと思います。
では次に、その12月の時候の挨拶の結びについて見ていきましょう。
時候の挨拶12月の結びの例文
12月の時候の挨拶の結びの言葉についてです。
こちらでも先ほどの二十四節気や七十二候の内容を使ってもうまく作ることができますし、その季節に合わせた言葉選びで手紙を締める事ができます。
例えば、
【12月上旬】
年末はご多忙のことと存じます。体調を崩されませんようお祈り申し上げます。
【12月中旬】
冷え込みの激しい時期が続きますが、お風邪など召しませんようにお気をつけ下さい。
【12月下旬】
今年はいろいろありがとうございました。良い新年をお迎え下さい。
これも結びの例文の一つですし、その年の気候や地域によっても中旬と下旬で言葉のチョイスが変わったりすることもありますが、大まかにはこのような感じだと捉えてもらえればいいと思います。
では、その時候の挨拶で12月の上旬・中旬・下旬と参考になる結びの例文をまとめました。
時候の挨拶12月上旬の結び例文
- 年末に向けてご多忙のことと存じます。健康にはぜひともご留意くださいませ。
- 師走の折から、くれぐれもご自愛ください。
- 例年になく暖かい気候ですが、体調を崩されませんようお気をつけください。
- 寒気いよいよ厳しい折から、ご自愛専一にお過ごしください。
- 空気も乾燥しておりますので、インフルエンザなどには十分ご注意下さい。
時候の挨拶12月中旬の結び例文
- 今年も残す所あとわずかとなりましたが、ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
- お忙しい時期ですが、風邪など引かれぬようお気をつけ下さい。
- 慌ただしい年の暮れではございますが、どうかお身体にお気をつけくださいませ。
- 忘年会シーズンですが、お互い飲み過ぎには注意しましょうね。
- そちらは大雪の様子ですね。風邪など引かれませんようくれぐれもご自愛ください。
時候の挨拶12月下旬の結び例文
- 新しい年のさらなるご活躍をお祈り申し上げます。
- ますます寒さも増してまいります。皆様のますますのご健勝とご活躍を祈りあげます。
- 皆様お元気で、良い新年をお迎えなされることをお祈りいたします。
- 本年中はいろいろとお世話になりました。来年も飛躍の年になるようお祈りしております。
- ご家族お揃いで、良い新年をお迎え下さい。
こちらも書き出し分と同様に、あらたまった相手には、時候の挨拶でも丁寧な言葉を使いたいです。
また、無難な時候の挨拶の結びの例文もあるので、そういった文章は上旬・中旬・下旬で時期が多少ずれても違和感はないと思います。
相手に届く時期がわからない時や地域の状況がわからない時は、そういった言葉が便利なので使って下さい。
12月の時候の挨拶に入れる季語
12月の時候の挨拶の書き出しと結びに入れる言葉には、この時期の「風物詩」や「気候」、「自然」などを取り入れて春夏秋冬の季節感を出します。
これから順番にいくつか紹介していきますが、文章づくりの参考にして下さい。
では、まずは12月の風物詩について紹介しますね。
時候の挨拶に12月の風物詩を入れる
時候の挨拶の中に12月の季語になる風物詩を入れて、具体的な話を手紙に書くこともできます。
そんな12月の風物詩ですが、例えばどのようなものがあるかピックアップしてみました。
【風物詩】クリスマス、サンタクロース、ツリー、プレゼント、イルミネーション、冬のボーナス、冬休み、忘年会、年末ジャンボ宝くじ、冬至、ゆず湯、大掃除、大晦日、除夜の鐘、紅白歌合戦、年越しそば、帰省ラッシュ、お歳暮、年賀はがき、ストーブ、暖房、コタツ、インフルエンザ、風邪、スキー、鍋物
【気候】初雪、木枯らし、冬将軍、寒波、氷結、氷柱、霜柱、山おろし
【自然】葉牡丹、ひいらぎ、ポインセチア、シクラメン、福寿草、キタキツネ、白鳥、カモ、雷鳥、うさぎ
これらの行事や自然の植物、気候などを手紙の文章に入れると季節感もでます。
機会があれば使っていき文章を作っていきましょう。
年賀状での挨拶
12月は年賀状の準備で忙しくなりますよね。
ですので、お手紙も年賀状で出される方が多いんじゃないでしょうか。
年賀状の場合は、そこまで時候の挨拶を気にしながら書くということもないですし、決まった書き出しの文言もあるし出しやすいですよね。
その年賀状について友人や親戚、仕事の上司などに送る文例をコチラでまとめています。
年賀状のマナーなどとも合わせて載せてますので、ぜひご覧になって下さい。
あとがき
時候の挨拶で12月の上旬・中旬・下旬でのそれぞれの言葉について。
そして12月の時候の挨拶の書き出しと結びの言葉や季語となる風物詩。
また、年賀状の手紙についても触れてまとめましたがいかがでしたか。
漢語調では礼儀正しい感じになるし、和文調の時候の挨拶ではやわらかい言い回しにも礼儀正しい挨拶にも出来るので便利です。
うまく風物詩や七十二候などの季語の言葉も織り交ぜながら、12月の時候の挨拶の参考にしてください。
その他の月の時候の挨拶についても別ページでまとめてあるので、こちらもぜひ参考にしてくださいね。
コメント