時候の挨拶5月の上旬・中旬・下旬の書き出しと結びの例文を見ていきます。
5月といえば端午の節句や母の日などがあり、前半には最大連休のゴールデンウィークが控えています。
気候としても立夏を迎え暖かくなり、春真っ盛りの動きやすい気候になりますね。
新生活にも徐々に慣れ始め、体を動かすには絶好の季節となるのではないでしょうか。
そんな5月に相手とお手紙をやり取りをする場合、時候の挨拶で5月の上旬・中旬・下旬には、どういった言葉が使われるのか?
今回は、その5月の時候の挨拶で使われる書き出しと結びの言葉や季語となる風物詩について。
また、5月ならではの出来事なども含めまとめました。
時候の挨拶5月の上旬・中旬・下旬の言葉とは?
5月は皐月(さつき)とも呼ばれますね。
5月の時候の挨拶には、二十四節気と呼ばれる季節の節目も関係し、それによって上旬、中旬、下旬でも少しずつ使われる言葉にも変化が見られます。
5月に関わる二十四節気では、
という時期を迎えます。
穀雨(4月20日頃):4月20日頃~5月5日頃の前日まで
立夏(5月5日頃):5月5日頃~5月21日頃の前日まで
小満(5月21日頃):5月21日頃~6月6日頃の前日まで
これが時候の挨拶で使う言葉にも関わる場合もあるので、うまく使い分けていければいいんじゃないでしょうか。
この二十四節気から全体を見渡すと一年の流れがわかりやすくなりますが、私たちの生活にどんな意味をもたらしているのか?
日本の季節や文化にも大きな影響を与えている「二十四節気」について、一覧カレンダーで確認しながら理解できるページを用意しています。
農作物の収穫や時候の挨拶、季節の行事などに今でも大きく関わっているので、ぜひこの機会にご覧になってください!
その時候の挨拶には
漢語調(立春の候、余寒の候など)
和文調(余寒厳しい日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。)
などというような、2つの言い回しの仕方があります。
では、それぞれどのような時候の挨拶があるのか、まずは漢語調の言葉から見ていきましょう。
時候の挨拶5月の上旬、中旬、下旬の漢語調の挨拶
漢語調での5月の時候の挨拶には
時候の挨拶 5月上旬
晩春の候、新緑の候、緑風の候
時候の挨拶 5月中旬
立夏の候、若葉の候、青葉の候
時候の挨拶 5月下旬
初夏の候、向暑の候、首夏の候
*それぞれの時候の言葉に続けて「~の候」「~の折」「~のみぎり」というように続けて表現する。
漢語調の時候の挨拶を使うと、礼儀正しくかしこまった挨拶になります。
時候の挨拶の季節感のズレ
時候の挨拶に使う言葉は旧暦に基づいているので、今の季節感とは違いを感じるところもあると思います。
例えば「厳寒の候」「酷寒の候」などは主に1月に使います。
本当なら2月が季節的に一番寒い時期なので、2月にも「厳寒の候」とか使えそうですが、二十四節気の「大寒」が1月にあるため2月中旬や下旬では使いません。
そして2月は「立春」があるので暦の上では「春」となります。
また、8月は7日頃に「立秋」があるため、夏真っ盛りなのに「残暑」という言葉を使ったりします。
ただ、その年の気候や季節の変化を加えれば、実感できる言葉であるなら別に月をまたいで使ったとしても失礼にはならないと思います。
そのあたりは臨機応変に使ってもらえれば良いんじゃないでしょうか。
その年の気候や季節の変化で、実感できる言葉を自分なりに選んでいってもらって大丈夫だと思います。
時候の挨拶5月の上旬、中旬、下旬の和文調の挨拶
和文調での5月の時候の挨拶での書き出しには
時候の挨拶 5月上旬
行く春が惜しまれる季節ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
八十八夜も過ぎ初夏の訪れを感じる、爽やかな季節となりました。
鯉のぼりが泳ぐ元気な姿のように、ご家族さまもお変わりなくお過ごしのことと存じます。
時候の挨拶 5月中旬
若葉の緑が目にしみる好季節、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
風薫る季節、お元気でお過ごしのことと存じます。
ゴールデンウィークはいかがでしたか。
時候の挨拶 5月下旬
日中は汗ばむ陽気となりましたが、皆様、お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか。
吹く風もはや夏めいてまいりましたが、お元気でお過ごしのことと存じます。
木々の緑が色濃くなる季節です。
その年によっても気候の違いなどはあると思うし、相手の地域によっても自分が住んでいるところと違う部分もあると思います。
その年によって暖冬や冷夏の年もありますし、空梅雨なのに「長雨でうっとおしい日が続きますが~」などはおかしい文になりますよね。
日々のニュースや地域の情報などもチェックしながら考え、文章を選んでいけばいいと思います。
時候の挨拶5月の上旬~中旬にかけて
また二十四節気に加えて「七十二候」と呼ばれる、気象の動きや動植物の変化を表したものも参考にできます。
時候の挨拶の5月の上旬~中旬にあたる立夏の時期には
初候(5月5日頃)蛙始鳴(かわずはじめてなく)
蛙が鳴き始める頃を言います。
次候(5月10日頃)蚯蚓出(みみずいずる)
みみずが地上に這い出てくる頃を言います。
末候(5月15日頃)竹笋生(たけのこしょうず)
たけのこが成長し地中から顔を出てくる頃を言います。
時候の挨拶5月の中旬~下旬にかけて
そして、時候の挨拶の5月の中旬~下旬にあたる小満の時期の七十二候には、
初候(5月21日頃)蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)
蚕(かいこ)が桑の葉を盛んに食べて成長する頃になります。
次候(5月26日頃)紅花栄(べにばなさかう)
紅花の紅黄色の花が盛んに咲く頃になります。
末候(5月31日頃)麦秋至(むぎのときいたる)
麦の穂が畑一面が黄金色になる頃です。
こういった言い回しは「和文長の時候の挨拶」の言い回しの際に使いやすいと思います。
機会があれば、ぜひ取り入れて自分だけの文章を作ってみてくださいね。
時候の挨拶5月の書き出しの例文とは?
手紙の構成としては、漢語調も和文調も
というようにつながっていきます。
例えば、
【漢語調】若葉の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
【和文調】行く春が惜しまれる季節ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
などというような感じですね。
基本はこういった形を頭に置きながら、アレンジも加えたりして5月の時候の挨拶の書き出し文として使っていってもらえればと思います。
そこに、先ほどの二十四節気の時期なども考えながら、文章を作成していって下さい。
では、時候の挨拶で5月の上旬・中旬・下旬と参考になる書き出しの例文をまとめました。
時候の挨拶5月上旬の書き出し例文
- 風薫る5月となりました。お元気でいらっしゃいますか。
- 新緑の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
- 八十八夜も過ぎ、初夏の訪れを感じる季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
- 緑風の候、お変わりなくご活躍のこと、お喜び申し上げます。
- 今年はお孫さんの初節句ですね。おめでとうございます。
時候の挨拶5月中旬の書き出し例文
- 若葉が目にまぶしい季節となりました。お元気でいらっしゃいますか。
- 吹く風にも初夏の香りが気持ちいいですね。
- 立夏の候、皆様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。
- 立夏が過ぎたとは言え、まだ少し肌寒さも残っております。お変わりございませんか。
- 若葉の候、ご家族様お変わりなくお過ごしのことと存じます。
時候の挨拶5月下旬の書き出し例文
- 日中汗ばむ陽気となりました。お元気でお過ごしのことと存じます。
- 初夏の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
- 梅雨前の爽やかな季節、いかがお過ごしでしょうか。
- 向暑の候、お元気でお過ごしのことと存じます。
- 爽やかな五月晴れの天気が続きますね。お元気ですか。
あらたまった相手に出す時は、時候の挨拶でも丁寧な言葉を使いたいです。
ただ、親しい相手に送る場合は、身の回りのことや行事のことも言葉に選んで、親近感のある楽しい感じのお手紙にされてもいいと思います。
では次に、その5月の時候の挨拶の結びについて見ていきましょう。
時候の挨拶5月の結びの例文
5月の時候の挨拶の結びの言葉についてです。
こちらでも先ほどの二十四節気や七十二候の内容を使ってもうまく作ることができますし、その季節に合わせた言葉選びで手紙を締める事ができます。
例えば、
【5月上旬】
連休中の疲れなどで体調を崩されぬよう、ご自愛ください。
【5月中旬】
すごしやすい季節ですが、くれぐれもお体にはお気をつけ下さい。
【5月下旬】
向夏の折から、くれぐれもご自愛ください。
これも結びの例文の一つですし、その年の気候や地域によっても中旬と下旬で言葉のチョイスが変わったりすることもありますが、大まかにはこのような感じだと捉えてもらえればいいと思います。
では、その時候の挨拶で5月の上旬・中旬・下旬と参考になる結びの例文をまとめました。
時候の挨拶5月上旬の結び例文
- 風爽やかな好季節、ますますのご活躍をお祈りいたします。
- また連休中の旅行の話もお聞かせ下さい。
- 御地ではまだ冷え込む日もお有りだと思います。風邪など引かれませんようくれぐれもご自愛ください。
- 木々が色濃くなる季節、新緑を満喫なさって下さい。
- 新生活にも慣れ始める頃ですが、無理はしないでくださいね。
時候の挨拶5月中旬の結び例文
- 連休明けでお仕事も忙しくなりそうですが、お体大事になさってください。
- 立夏が過ぎても肌寒い日が続いております。体調を崩されませんようお気をつけください。
- 新茶を手に入れましたので、またぜひいらして下さい。
- すがすがしい若葉の季節、ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
- 動きやすい季節となってきましたので、せひ今度ハイキングにご一緒しましょう。
時候の挨拶5月下旬の結び例文
- 梅雨入りも間近ですね。体調を崩されぬようご自愛ください
- 向夏の折から、暑さも増してくる頃です。ご自愛専一にお過ごしください。
- 雨の多い5月ですので、くれぐれもお体に気を付けて下さい。
- 初夏の風が気持ちの良いこの季節を満喫なさって下さい。
- 季節の変わり目ですので、風邪など引かれませんようお気をつけ下さい。
こちらも書き出し分と同様に、あらたまった相手には、時候の挨拶でも丁寧な言葉を使いたいです。
また、無難な時候の挨拶の結びの例文もあるので、そういった文章は上旬・中旬・下旬で時期が多少ずれても違和感はないと思います。
相手に届く時期がわからない時や地域の状況がわからない時は、そういった言葉が便利なので使って下さい。
5月の時候の挨拶に入れる季語
5月の時候の挨拶の書き出しと結びに入れる言葉には、この時期の「風物詩」や「気候」、「自然」などを取り入れて春夏秋冬の季節感を出します。
これから順番にいくつか紹介していきますが、文章づくりの参考にして下さい。
では、まずは5月の風物詩について紹介しますね。
時候の挨拶に5月の風物詩を入れる
時候の挨拶の中に5月の季語になる風物詩を入れて、具体的な話を手紙に書くこともできます。
そんな5月の風物詩ですが、例えばどのようなものがあるかピックアップしてみました。
【風物詩】ゴールデンウィーク、端午の節句、鯉のぼり、兜、柏餅、菖蒲湯、八十八夜、茶摘み、メーデー、博多どんたく、母の日
【気候】五月晴れ、走り雨、薫風、晩春
【自然】若葉、新緑、バラ、菖蒲、牡丹、シャクナゲ、カーネーション、ツツジ、すずらん、たけのこ、そらまめ、新茶、ツバメ、カッコウ、ホトトギス、おたまじゃくし
ツツジの花の中で、1ヶ月程度遅い5~6月頃(旧暦5月頃)に一斉に咲き揃うツツジを「サツキ」と言い、5月の皐月から付けられたと言われています。
この花がサツキですね。
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