夏至とはどういう意味を持っているのかというと、
このような特徴を持った日です。
ただ、この夏至は「冬至との違い」を一緒に見るとで、さらに夏至について知ることができます。
そして実は「春分」や「秋分」も、ここに大きくかかわってくるのですね。
夏至は本来、季節を大切にする日本では特別な日ですが、あまり取り上げられることが少なくなっています。
なぜかというと、それはこの時期に問題があったからと考えられてます。
今回は、そんな夏至がもつ意味と冬至との違い、そしてその読み方(英語も含め)と一緒に、南半球の夏至とも比較して解説していきたいと思います。
夏至とはどういう意味なの?
まず夏至とはいつなのかというと、
毎年だいたいこの日となっていますが、その年によって若干ズレる場合があります。
今年の夏至はこちらで確認を。
この夏至の意味とは、
このような日となっているのです。
実際に東京の「日の出」と「日の入」の時間を例にとってみると、
- 日の出は「4:25」
- 日の入は「19:00」
- 日照時間「14時間35分」
*2017年の日の出と日の入
*便宜上、この記事では日照時間を日の出~日の入までの時間としています。
実に「14時間35分」もの間、お日様が照っているということになります。
逆に、夜の時間は「9時間25分」となっています。
この夏至は『こよみ便覧』には
と記されています。
*こよみ便覧とは、江戸時代に「著者 太玄斎」によって記された暦の解説書のこと
夏至と半夏生とは?あまり注目されないワケ
この夏至は冬至に比べると、日本ではあまり馴染みがないかもしれません。
冬至はゆず湯やカボチャ、冬至と湯治をかけたイベントなどニュースでも取り上げられることも多く、特徴のある日として知られています。
でも、春夏秋冬など季節を大切にする日本で、夏至があまり注目されていないのは不思議に思いますよね。
それは夏至の日が
- 梅雨の時期とかぶっていること
- 日本が農耕民族であること
これらが影響していると考えられています。
梅雨の時期なので雲も多く、なかなかその昼の長さというのを実感しにくいですよね。
また、日本が農耕民族だったので、この時期は田植えで忙しい時期とされていました。
この夏至の日(6月21日ごろ)から11日目(7月2日ごろ)を「半夏生(はんげしょう)」と呼んでいました。
この半夏生(7月2日)から七夕(7月7日)までを、田植えする時期の目安としていたんですね。
この二十四節気から全体を見渡すと一年の流れがわかりやすくなりますが、私たちの生活にどんな意味をもたらしているのか?
日本の季節や文化にも大きな影響を与えている「二十四節気」について、一覧カレンダーで確認しながら理解できるページを用意しています。
農作物の収穫や時候の挨拶、季節の行事などに今でも大きく関わっているので、ぜひこの機会にご覧になってください!
北半球と南半球の夏至の大きな意味
夏至では北に行けば行くほど日が長くなりますが、逆に南に行くと日が短くなります。
その様子は、こちらの動画でもわかりやすく説明されています。
日本は北半球ですが、南半球で近い状態にあるのがオーストラリアです。
この動画の中にもありましたが、
- 日本は北緯35度
- オーストラリアは南緯35度
だからオーストラリアでは6~8月は日本でいうところの冬に当たります。
でも、その気候は熱帯性気候なので、6~8月の冬でも晴れの日は半袖で過ごせるようです。
ですので、オーストラリアにおける冬に夏至があることになります。
でも、
なんていうのはおかしいので、南半球でも同じように「夏は夏至」と呼んでいるようですね。
オーストラリアのクリスマスを「真夏のクリスマス」と耳にするように、南半球と北半球では日本人の感覚とはだいぶ異なるようですね。
夏至と冬至の違いって何なの?
このように夏至は「一年で最も昼が長く、夜が短い日」という意味を持った日なのですが、それと逆なのが冬至の日となります。
冬至の日は12月22日ごろとなっていますが、この日は
こんな意味を持った日なんですね。
例えば、東京の夏至の「日の出」と「日の入」の時間を見てみると
【夏至】日の出:4:25
日の入:19:00
日照時間「14時間35分」
となっています。
その一方で冬至の「日の出」と「日の入」の時間を見てみると
【冬至】日の出:6:47
日の入:16:32
日照時間「9時間45分」
*2017年の日の出と日の入を参照
*この記事では日照時間を日の出~日の入までの時間としています。
日の出から日の入りまでの時間が「14時間35分」と「9時間45分」なので、
夏至と冬至で、こんなに大きな差があるのですね。
冬至との違いは日の長さだけではなく、その時に行われる行事なども大きく変わってきます。
ぜひ、こちらの冬至の意味についてもしっかりと読んでみてくださいね。
例えば、冬至にカボチャを食べますが、実はカボチャの収穫のピークは夏です。
この夏のエネルギーを蓄えたカボチャは、時間が経つとどんどん甘みを増して冬頃に食べごろとなるんです。
昔は冷蔵庫などもなかったので、日持ちするカボチャは冬の食べ物としてとても重宝されていたんですね。
そしてカボチャの黄色は太陽のように見立てられ、冬の寒い時期に元気をもらうために冬至に食べていたと考えられています。
夏至と冬至と春分秋分
夏至と冬至の日照時間がどうしてこれだけ違ってくるのかは、こちらの動画で解説がされています。
この地軸の傾きによって、太陽の当たる位置も変わってくるというワケなんですね。
だからこれだけの差が生まれることになります。
動画にもあるように夏至と冬至の間には、春分と秋分がありますよね。
そんな春分や秋分は
という特別な日なんです
この関係から
春分:昼と夜の長さが同じ
夏至:最も昼が長く、夜が短い
秋分:昼と夜の長さが同じ
冬至:最も昼が短く、夜が長い
この4つの関係は、暦の中でも特に重要なので、『二至二分』と言われています。
これに立春、立夏、立秋、立冬を加えた暦を『八節』と言います。
日本の季節を分ける上で重要な暦なので、これ覚えておくといろんなつながりがあって面白いですよ。
夏至の読み方はどうして「げし」なの?
この夏至ですが、「夏」という字は
「なつ」や「か」
と読んだりしますよね。
春夏秋冬(しゅんかしゅうとう)
夏季(かき)
立夏(りっか)
では、どうして、夏至(げし)といった読み方になるのか、それは、
- 「か」は漢音
- 「げ」は呉音
このように読み方が違うからです。
呉音とか漢音を説明すると
呉音・・・主に百済人によつて伝えられた中国南方系の読み方。
漢音・・・奈良~平安時代に伝えられた中国北方系の読み方。
このように、地域によって少し読み方が違ったのですね。
そんな読み方は、実は私たちの中でありふれており、どちらがどちらというのは普段の生活では区別がつかないと思います。
例えば、「利益」ですが通常は「りえき」と読みますよね。
これは漢音で「りえき」と読みますが、呉音では「りやく」と読みます。
仏様からいただくのは「りやく」で、「ご利益」ともいいますよね。
実は私たちが普通に使っている数字の
イチ、ニイ、サン、シイ、ゴウ、ロク、シチ、ハチ、ク、ジュウ
これは実は呉音です。
漢音に直すと
イツ、ジ、サン、シ、ゴ、リク、シツ、ハツ、キュウ、シュウ
となるようです。
だから夏至を「げし」という読み方も、こういうものだと感じ取ってもらえればと思います。
夏至と七十二候
二十四節気をさらに約5日おきに分けて、気象の動きや動植物の変化を表したものを「七十二候(しちじゅうにこう)」と言います。
今では見なくなったものも多いですが、この七十二候によって夏至はどんな季節として迎えているのかがイメージしやすくなってきます。
初候(6月20日頃)乃東枯(なつかれくさかるる)
夏枯草の花が枯れたように見える頃を言います。
「夏枯草」(かごそう)はうつぼ草の異名で、他の花は開く時期なのに、冬に芽を出したうつぼ草が枯れていくことを惜しんだ言葉です。
次候(6月25日頃)菖蒲華(あやめはなさく)
あやめの花が咲き始める頃で、梅雨到来といわれていました。
末候(6月30日頃)半夏生(はんげしょうず)
半夏(からすびじゃく)が生え始める頃で、田植えの時期の目安とされました。
雑節として半夏生があり、この時期に各地方で振る舞われた食べ物などもあります。
夏至は英語で何という?
ちなみに夏至は英語で何というのか、というと
solstice は名詞で「極点、最高点」といった意味をもっています。
ですので、天文学では「(太陽の)至(し)」を意味します。
それが夏(summer)と合わさって、英語でこのように表現されるようです。
あとがき
夏至とはどういう意味なのか。
そして冬至との日照時間の違いや、春分・秋分との関係、その読み方など見てきましたがいかがでしたか。
夏至は、一年の中で最も昼が長い日ですが、冬至の特徴と一緒に合わせて覚えているとわかりやすいですね。
また、ちょうどその中間にあたる春分や秋分との関係も、暦を知る上では見過ごせないポイントです。
日本ではこの夏至はあまり大きく取り上げられていませんが、北欧などの地域ではクリスマスと同じくらい重要な意味を持っています。
だから、とても盛大にお祭りをするといった日でもあるんですね。
そんな海外での夏至のお祭りや、日本でも行われている「夏至祭」の紹介などを、別のページで紹介しています。
動画でも様子を紹介しているので、ぜひどんなものかのぞいて下さい。
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