冬至の意味とはなんなのか。
そんな冬至の日とは
一年で最も昼が短く、夜が長い日
このような特徴を持った日です。
そして冬至は「夏至との違い」を一緒に見るとで、さらに冬至について知ることができるんですね。
また「春分」や「秋分」の日も、ここに大きくかかわってます。
今回は、冬至の日にはどんな祭りや行事が行われているのかなど、暦の上でも特別な冬至の日についてまとめました。
冬至の意味や由来とは?
まず冬至とはいつなのかというと、
毎年だいたいこの日となっていますが、その年によって若干ズレる場合があります。
今年の冬至の日はこちらで確認をしてもらえます。
この冬至の意味とは、
このような日となっているのです。
実際に東京の「日の出」と「日の入」の時間を例にとってみると、
日の出は「6:47」
日の入は「16:32」
日照時間「9時間45分」
*2017年の日の出と日の入を参照
*便宜上、この記事では日照時間を「日の出~日の入までの時間」としています。
実に「9時間45分」しか、お日様が照っていないということになります。
逆に、夜の時間は「14時間15分」となっています。
二十四節気と冬至
この冬至は『二十四節気』のうちの1つで、立春から22番目に数えられる暦です。
『二十四節気』とは「1年を24つに区切って季節を分けた考え方」です。
この冬至は日にちとしての意味と、次の暦である「小寒」の前日までの「期間」を意味する冬至もあります。
「冬至(12月22日ごろ)」~「小寒(1月5日ごろ)」の前日までの期間
この二十四節気から全体を見渡すと一年の流れがわかりやすくなりますが、私たちの生活にどんな意味をもたらしているのか?
日本の季節や文化にも大きな影響を与えている「二十四節気」について、一覧カレンダーで確認しながら理解できるページを用意しています。
農作物の収穫や時候の挨拶、季節の行事などに今でも大きく関わっているので、ぜひこの機会にご覧になってください!
この冬至は『暦便覧』には
と記されています。(*こよみ便覧とは、江戸時代に「著者 太玄斎」によって記された暦の解説書のこと)
日も短くなり寒さも増す季節。
そして一年の終わりに近い日にちでもありますね。
ゆず湯は運を呼び込む行事
冬至の日には運を呼び込む前に、「ゆずのお風呂」で体を清めたのです。
当時は毎日お風呂に入る習慣ではなかったため、お風呂に入るとことが「お清め」の意味を持っていました。
そこでこの冬至の日にタイミングを合わせて、禊の意味も込めてお風呂に入るようにしていたそうです。
そして「邪気を払う」という意味を持った『ゆずの香り』をプラスすることで、災厄に合わないように願掛けをしたわけですね。
*冬至にゆずを入れるようになった始まりは、江戸時代の大衆浴場で客を呼び込むために、ゆずを湯船に入れたのが由来だと言われています。
冬至のゆず湯は語呂合わせ
もう一つには冬至という読み方は「湯治(とうじ)」というように
その語呂合わせに、「お風呂に浸かる」という事が広まったと言われています。
そして、ゆず湯は
こんな語呂合わせもあったことから、
という由来があります。
「元気に過ごせる(元気なら融通が利く)」というところから来ているようですね。
こんな由来もあって、冬至に「ゆず湯」に入ると「1年間は風邪をひかない」と言われるようになったのでした。
この冬至では「ゆず湯」に入る風習が残っています。
冬至と七十二候
二十四節気をさらに約5日おきに分けて、気象の動きや動植物の変化を表したものを「七十二候(しちじゅうにこう)」と言います。
今では見なくなったものも多いですが、この七十二候によって冬至はどんな季節として迎えているのかがイメージしやすくなってきます。
初候(12月22日頃)乃東生(なつかれくさしょうず)
夏枯草とは「うつぼ草」のことで、この植物が芽をだす頃をいいます。
ここから半年後の夏至の頃には枯れてしまうため、夏枯草という名前になっています。
次候(12月27日頃)麋角解(さわしかのつのおつる)
鹿の角が落ちる頃。
「麋」は大鹿を指し、枝分かれする古い角が抜け落ちるころで、春に生え変わってきます。
末候(1月1日頃)雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)
雪の下で麦が芽を出し始める頃を言います。
6月頃には麦の穂が畑一面が黄金色になり、収穫を迎えます。
冬至と夏至の太陽角度や南中高度の違い
冬至とは
このような意味を持った日ですが、一方で夏至という特別な日がありますよね。
この冬至と夏至は深い関係があり、夏至は
こんな逆の関係を持っています。
例えば、東京の夏至の「日の出」と「日の入」の時間を見てみると
【夏至】日の出:4:25
日の入:19:00
日照時間「14時間35分」
となっています。
その一方で冬至の「日の出」と「日の入」の時間を見てみると
【冬至】日の出:6:47
日の入:16:32
日照時間「9時間45分」
*2017年の日の出と日の入を参照
*便宜上、ここでは日照時間を日の出~日の入までの時間としています。
日の出から日の入りまでの時間が「14時間35分」と「9時間45分」なので、
夏至と冬至の日照時間には、こんなにも差があるのですね。
北半球と南半球の冬至
このように冬至では北に行けば行くほど日が短くなりますが、逆に南に行くと日が長くなります。
こちらの動画でもわかりやすく説明されています。
日本は北半球ですが、南半球で近い状態にあるのがオーストラリアです。
それも一緒に動画の中(3分16秒あたり)にありましたが、
- 日本は北緯35度
- オーストラリアは南緯35度
だからオーストラリアでは12~2月は日本でいうところの夏に当たります。
ですので、オーストラリアにおける夏に冬至があることになります。
でも、
なんていうのはおかしいので、南半球でも同じように「冬は冬至」と呼んでいるようですね。
オーストラリアのクリスマスを「真夏のクリスマス」とよく耳にするように、南半球と北半球では日本人の感覚とはだいぶ異なるようですね。
夏至と冬至と春分秋分
夏至と冬至でどうしてこれだけ違ってくるのかは、こちらの動画で解説がされています。
この地軸の傾きによって、太陽の当たる角度も変わってくるというワケなんですね。
だからこれだけの差が生まれることになります。
その夏至を挟んで、春分と秋分があります。
春分や秋分は
という特別な日なんです。
この関係から
春分:昼と夜の長さが同じ
夏至:最も昼が長く、夜が短い
秋分:昼と夜の長さが同じ
冬至:最も昼が短く、夜が長い
この4つの関係は、暦の中でも特に重要なので、『二至二分』と言われています。
これに立春、立夏、立秋、立冬を加えた暦を『八節』と言います。
日本の季節を分ける上で重要な暦なので、これ覚えておくといろんなつながりがあって面白いですよ。
冬至に祭りや行事はあるの?
日本の季節を表すうえで、この冬至という暦はとても重要な位置を占めています。
そんな冬至には、
- ゆず湯に入る
- カボチャを食べる。
このような行事がありますが、カボチャやゆず湯で無病息災を願ったと考えられていますね。
今でも冬至の日には、温泉地のゆず湯の映像などがニュースで流れることもあり、全国的にも知られています。
こんな冬至に関する行事やお祭りは、
として全国の神社・仏閣で行われているようですね。
冬至祭が行われている場所
伊勢神宮内宮宇治橋鳥居前
三重県伊勢市の宇治橋の大鳥居中央から昇る朝日が、とても神秘的な光景として拝むことができるようですね。
「冬至祭」として開催されており、訪れた方に「冬至ぜんざい」の振る舞いや柚子の無料で配ったりなどされているようです。
場所:伊勢市宇治館町1 内宮宇治橋前
奈良県正暦寺
不動明王の御宝前において護摩祈願を修法し、身体健康をお祈りするといった行事です。
予約が必要となりますが、カボチャづくしの精進料理というのが体験できるようです。
場所:奈良市菩提山町157番地 正暦寺
穴八幡宮
東京都新宿区の早稲田大学のキャンパスの近くにある「穴八幡宮」で、毎年冬至に行われている冬至祭です。
「一陽来復御守」は商売繁盛や金運UPの御利益があるとされ、江戸時代の元禄からこの穴八幡宮だけに伝来する特別な御守だそうです。
このお守りは冬至から節分までの間頒布されます。
場所:東京都新宿区西早稲田二丁目
他にも
- 三重県伊勢市の宇治神社の冬至祭
- 埼玉県さいたま市の一山神社の冬至祭
- 大阪府大阪市西成区の生根神社のこつま南瓜祭り
などたくさんあるようですが、冬至祭としてカボチャの料理などが振る舞われるところも多いようですね。
海外の冬至祭
冬至祭は日本各地で行われているとはいえ、そこまで盛大にはされておらず、どちらかと言えばその後のクリスマスのほうに注目が行きがちです。
でも、この冬至の時期、「特に北欧などの北の国々」では
太陽が一日中昇らない「極夜(きょくや)」といった現象が起きてしまいます。
そんな様子を表した動画も投稿されていました。
これでお昼の12時というのだから、いかに太陽が昇らないかというのがわかりますよね。
そんな北欧の冬至も、近くの日にクリスマスがあります。
その冬至とキリストの誕生日であるクリスマスが、キリスト教の普及の過程で交じり合った、上書きされてしまったようです。
だから、「北欧の夏至祭」のように、盛大に行われているお祭りはあまりないようですね。
北欧の夏至祭は、祝日とされて盛大に行われています。
日本の夏至とも比較してるので、面白いと思います。
あとがき
冬至とはどういう意味なのか。
そして夏至との日照時間の違いや、春分・秋分との関係、そして冬至の祭りなど見てきましたがいかがでしたか。
冬至は、一年の中で最も昼が短い日ですが、反対の夏至の特徴と一緒に合わせて覚えるとわかりやすいですね。
また、ちょうどその中間にあたる春分や秋分との関係も、暦を知る上では見過ごせないポイントです。
そんな冬至の日には「カボチャを食べる」といった風習があります。
昔は今のように冷蔵庫などもないですから、食べ物を保存するということに関して難しかったのですね。
冬至の時期は食べ物も作りにくかったことから、かぼちゃは保存食として優秀な食べ物だったようです。
また、ちょうどこのころには熟していい感じになっていたようですね。
そして中国の陰陽思想では
- 冬は「陰」
- 夏は「陽」
このような位置づけがあります。
夏に採れるかぼちゃは、「陽」の太陽のエネルギーをたっぷりと蓄えた野菜として、冬至で陽の気を補うという意味で食べられていたそうです。
また、かぼちゃを切ったときの様子が「太陽に似ている」ということもあって、冬に好まれていた食べ物だったのでしょうね。
そして、冬至にカボチャを食べる理由はほかにもあります。
続けて『冬至でかぼちゃを食べる意味』について、ぜひ読んでみてください!
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