家の中で蚊に刺される時って、茶色い蚊をよく見かけますよね。
でも草むらや公園などに行くと、シマシマ模様の黒い蚊によく出くわすと思います。
この茶色い蚊とシマシマの黒い蚊は、蚊の中でも違った特徴を持っていて、活動場所や時間、範囲などが同じではないんです。
そこで今回は、茶色い蚊と黒いシマシマの蚊の名前や特徴について。
何がどう違うのかを、普段の生活の中で関係がありそうなことを中心にまとめてみました。
茶色い蚊の名前や特徴は?
7月や8月になると蚊がブンブンと飛んでうっとおしいですよね。
その蚊も
- 茶色い蚊
- シマシマ模様の蚊
っていう二種類をよく見かけますよね。
でも家の中にいる蚊は、だいたい茶色の蚊ではないでしょうか?
この茶色い蚊の名前は
アカイエカ
と呼ばれる蚊で、主に家の中で血を吸ってくる種類の蚊になります。
もっと細かく分類したら、ネッタイイエカとかコガタアカイエカなどいろいろ分かれてますが、生活の中で知っておきたいだけなのでアカイエカで良いでしょう。
気温が20℃以上になると吸血行動や産卵などが活発になるので、7月ごろにはかなり数が増えてくるわけなんです。
このアカイエカは夕方から夜間にも活発に活動するので、朝起きたらそこらじゅうが刺されていた!
なんてことになっちゃうんですね。
では、このアカイエカの特徴について、主なポイントをまとめていきたいと思います。
茶色い蚊(アカイエカ)の特徴は?
- 家の中で血を吸われるのはアカイエカが多い。
- 気温が20℃を越えると吸血活動が活発になる。
- 夕方から夜間に活動が活発になる。
- 水の動きが少ない雨水マスなどで産卵する。
- 数十メートル先で二酸化炭素などを感知する
- 行動範囲が1日数㎞に及ぶこともある(行動型)
大きな特徴はこういったところですね。
このアカイエカは家に入ってくることが多くて、水の動きが少ない場所に産卵します。
だから家の中でも水槽とか、鉢植えの下にある受け皿に水が溜まっていたりすると産卵することがあります。
そういったところから発生してる可能性もありますよ。
黒いシマシマの蚊の名前や特徴は?
さて、家の中ではあまり見かけませんが、外に出て草むらの中とかに入ると、黒いシマシマの蚊を見かけることが多くなりませんか?
この黒いシマシマの蚊の名前は
ヒトスジシマカ
と言い、草むらや茂み、公園や山の中とかによく生息している蚊です。
このヒトスジシマカが一時期、
2014年に約70年ぶりにデング熱の国内感染がみつかった!
となって、東京の代々木公園で発見されたとなって騒ぎになりましたよね。
このウイルス媒介の蚊がネッタイシマカやヒトスジシマカで、2014年はデング熱の国内発生例が160例報告されました。
ネッタイシマカは主に熱帯地方にいる蚊で日本にいないので、ヒトスジシマカがウイルスの拡散をさせたと考えられてます。
では、このヒトスジシマカの特徴について、主なポイントをまとめていきたいと思います。
黒いシマシマの蚊(ヒトスジシマカ)の特徴は?
- 草むらや藪の中で血を吸われるのはヒトスジシマカが多い。
- 気温が20℃を越えると吸血活動が活発になる。
- 早朝や夕方に活発になる
- 夜間はおとなしくなり活動は控えている
- 少しの水場でも産卵する
- 数メートル先の二酸化炭素などを感知する。
- 行動範囲は50m~100mほどの狭い範囲で活動する(待ち伏せ型)
- かゆみが特に強い
大きな特徴はこういったところですね。
結構体が動いていてもピッタリとついて、お構いなしに血を吸ってきたりするので、かなり血を吸われた経験もたくさんあります。
ヒトスジシマカに刺されたら特に強いかゆみを感じちゃいますよね。
茶色い蚊と黒い蚊はどう違うの?
さて茶色い蚊のアカイエカ、黒いシマシマ模様のヒトスジシマカ。
この2種類の蚊の特徴を見てきましたが、どこがどう違うのか。
少しずつ分かった部分もありますよね。
主に違いのあるところは、
アカイエカは家によくいる蚊で夕方から夜間に活発に活動します。
近くに獲物がいないと遠くまで飛んでいき血を吸う「行動型の蚊。」
一方のヒトスジシマカは草むらや藪の中にいる蚊で、早朝や夕方に活発に活動します。
そして近くに獲物がくるまで待つ「待ち伏せ型の蚊。」
ここが大きな違いではないでしょうか。
だからヒトスジシマカは家の中でそこまで多く出くわしにくいんですね。
蚊が生まれる条件
蚊が生まれるためには「温度と水」が必要になります。
蚊は水場に産卵するため、乾いたところでは発生しません。
また、卵が孵化するためには温度も必要で、その温度はおおよそ20~25℃くらいと考えられています。
だから夏場が近づくにつれて蚊の発生も多くなるんですね。
そして成虫となったメスの蚊が3~4回ほど産卵を行うようで、夏や秋の間にかなりの量の蚊が発生し、そして死ぬ間際には卵を産んで、その卵は次の季節が来るまで冬を越すというサイクルなのですね。
蚊の寿命は?
蚊の寿命は長くはなく「成虫になってからは約1ヵ月ほど」と考えられています。
蚊が卵から成虫になるまでの日数の流れは、
- 卵の状態(1日~5日)
- 水中でふ化し幼虫(ボウフラ)に。(7日~10日)
- 水中で脱皮を繰り返しさなぎ(オニボウフラ)に。(2日~3日)
- 成虫(蚊)に。(約1ヶ月)
だいたいこのようになってますが季節の温度に左右されます。
冬は卵の状態で冬眠状態に入り、夏が近づくと温度が上がるので孵化するわけです。
1匹の寿命は長くないですが、1匹からたくさん子供が生まれるので夏場はとてもやっかいですね。
寒い時期に血を吸う茶色い蚊の正体とは!?
たまに秋の終わりや初冬、春の頭の季節に
こんな経験はないですか?
私もたま~にですけど、そんなに気温が高くない時期に蚊に出くわすことがあります。
その蚊の種類は「チカイエカ」という、もう1種類の蚊の可能性が高いと言われています。
チカイエカというのは主に地下道や下水道、地下鉄の側溝部分とかで生息している蚊のことです。
見た目がアカイエカと同じく茶色い蚊なので、アカイエカとの区別がつきにくいんですね。
そのチカイエカは家にも入ってくることがあり、押し入れや靴箱の奥などの薄暗い場所に潜んでいることもあるんだとか。
アカイエカやヒトスジシマカは秋が過ぎるとほぼ全滅し、卵の状態で冬を越すことが多いのですが、チカイエカは年中活動しているようですね。
だから冬場に蚊に刺されたら、ほぼチカイエカなんだそう。
ヒジョーに迷惑な蚊ですね。
蚊が飛べる高さや距離は?
蚊はマンションの高い所でも姿を現すことがありますが、いったい何mくらいの高さまで飛んでくるのか?
蚊の飛行能力は時速約2.4kmほどでそれほど早くなく、やはり風の影響を受けやすいので高くまでは飛べないと考えられているのですが、この飛行実験を行った事例もあります。
その結果からいうと、おおよそマンションの高さは1階で3mだとして、
- 地上15m付近(5階)まではほとんどの種類の蚊が飛べる。
- 地上25m付近(8階)も多くの種類の蚊が飛べる。
- 地上35m付近(12階)でも蚊の活動範囲となっている。
- 地上40m付近(13階)で極めて少なくなる。
- 地上48m(16階)で蚊が飛んでこない。
こんな結果が出たようです。
古い研究論文であったのですが、参考になる結果ですよね。
茶色い蚊のアカイエカとシマシマのヒトスジシマカでは飛行能力も違いはあると思いますが、やはりマンションの高層階になれば蚊と遭遇する確率も減ります。
しかし蚊は自分の力で飛んで入ってくるだけじゃなく、エレベーターで人間と一緒に移動してきたりする可能性もありますよね。
また、階段が建物内にあれば風の影響を受けずに上まで登ってくるケースもあります。
色々な形で出くわすことが考えられるので、少なからず対策はしておきたいですね。
蚊の発生原因について
茶色い蚊もシマシマの蚊にも共通して言えるのは、発生するためには水場が必要になる事です。
ですので極端な話、水場をなくしてしまえば発生しないですがなかなかそうもいきませんよね。
近くに田んぼや池、川などあれば無理ですし、雨が降ったら所々に水溜まりができてしまいます。
- 雨水の水たまり
- 鉢受けの皿
- タイヤの中
- 空き缶の中
- バケツやジョウロの中
このような小さなポイントでも蚊は産卵し発生するので、すべての水場を抑えるのは現実的には厳しいと思います。
外では発生源を全て押さえるのは難しいですが、室内で発生しそうな水溜まりポイントもあります。
例えば植物を育てていると鉢植えに水が溜まったり、水槽で亀や観賞魚を飼っていたり、洗面台の拭き残しの水で産卵したりすることもあります。
そのような場所に心当たりがある場合は、すぐに対処した方が良いでしょう。
蚊の活動時期について
蚊の活動時期も気を付けたいポイントで、6月~7月ごろに発生が盛んになります。
蚊の産卵や孵化には「人間などの動物の血」が必要なのですが、蚊の吸血行動が活発になる温度が20℃なんです。だから夏場付近は蚊の活動が活発になり、血を求めて飛ぶわけなんですね。
蚊の活動と温度は密接な関係にあるので、夏が近づく前に蚊取り線香などのグッズは揃えておきたいですね。
蚊の活動には時間帯もあって、これも温度と密接な関係があります。
ただ、温度が高くなればいいというわけでもなく、蚊の活動にも適切な温度というのがあるようです。
人間も暑すぎるとバテてしまいますが、蚊も同じと言うワケですね。
蚊が絶滅した世界を考えると
血を吸われるとかゆいですし、夜中に耳元でブンブンと飛び回られたら安心して寝ることもできません。
蚊なんていなくなればいいのに!と思う人も結構いると思いますが、もしも世界中から蚊がいなくなったとしたらどうなるのか?人間に何か影響あるのか?
ちょっと考えてしまいますが、蚊が絶滅したらどうなるかは色々な説があります。
また蚊を絶滅させるのであれば、遺伝子操作をして消滅させるといった研究もあるようです。
ただ、実際にやってみてどうなるのか恐ろしい所ではありますよね。
生態系が崩れて思いもよらない影響が人間界に及ぶのかもしれません。
血を吸う蚊はメスだけ
蚊は私たちの血を吸いに寄ってきますが、実は血を吸うのはメスだけでオスは血を吸いません。
じゃあ、なぜメスだけが血を吸うのかというと、実はメスの産卵のために血を吸うことが分かっています。
ですので、メスも人間の血を活動の主な栄養源とはしておらず、産卵後の卵の栄養源として血を吸うのです。
だから、先ほどの蚊を絶滅させるための遺伝子操作というのは、生まれる蚊をすべてオスにしてしまうというもので、そうすれば自然と蚊が減っていきいずれ絶滅するだろうといった研究なんですね。
血を吸いに来る厄介な蚊は、すべてメスの蚊だという事は初めて知った方も多いんじゃないでしょうか。
茶色い蚊みたいな虫のユスリカ
みなさんは「蚊柱」という言葉を知っていますか?
蚊柱という言葉を知らなくても、こちらの映像を見ると「あっ!」っと思い出される方も多いと思います。
このようにたくさんの蚊が集まってできる現象を蚊柱と呼んでいます。
蚊柱を作っている蚊の種類は「ユスリカ」と呼ばれる虫が主に作っている場合が多いですが、1匹1匹を見ると緑っぽい色をしているんですね。
そして実はアカイエカやヒトスジシマカとは違い、ユスリカはハエの仲間で血を吸いません。
ですので、蚊の問題とは切り離して考えておきたいですね。
蚊柱ができる原因や場所には特徴があるので、蚊柱で悩んでいる人や興味がある方はぜひ読んでみてください。
大きい蚊のような虫(ガガンボ)も
たまにこのような大きい蚊のような虫を見かけることはないでしょうか?
この虫は「ガガンボ」と言って、家の外壁とかに止まっていることがあります。
この虫は蚊のように血を吸うわけではなく、花の蜜などを栄養源としています。
大きさはアカイエカが5.5mm前後なのに比べ10~20mmくらいあるので、蚊の倍以上の大きさを持っているのがガガンボです。
大きさは違いますが姿かたちが蚊なので血を吸いに来るんじゃないかと思っちゃいますが、直接大きな害はないので放っておいて問題ないかと思います。
あとがき
茶色い蚊はアカイエカ、もしくはチカイエカ。
そして黒いシマシマの蚊の名前はヒトスジシマカという事で、名前も違うしその特徴も結構違う部分がありましたね。
家の中でよく見かけるアカイエカは特に厄介な存在です。
また、ヒトスジシマカは草むらなどで待ち伏せしていることが多いですが、血を吸いに来る勢いが半端じゃありません。
外で活動するときは虫よけスプレーとかも忘れずに、対策をしっかりしておきましょう。
そんな蚊にわたしも毎年悩まされてますが、
- 今の対策で大丈夫かな?
- 毎年同じことやって、同じように刺されてる。
- もう今年は寝てる時に起こされるのって勘弁してほしい。
あなたもこんなふうに毎年蚊に悩まされていませんか?
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