時候の挨拶3月の上旬・中旬・下旬の書き出しと結びの例文について見ていきます。
3月にはひな祭りがあり、小さな女の子には楽しい季節の一つですよね。
その中で春の暖かさを感じる自然の移り変わりや、一方でまだ残る寒さを感じる日もあったり、季節の変わり目でもありますよね。
そんな3月の風物詩や自然も交えながら、お手紙を書いていくといい形が出来上がると思います。
では、相手とのやり取りをするお手紙では、その時候の挨拶で3月の上旬・中旬・下旬には、どういった言葉が使われるのか？
今回は、その3月の時候の挨拶で使われる書き出しと結びの言葉や季語となる風物詩について。
また、春分の日のお彼岸や三寒四温などについても触れてまとめました。
時候の挨拶3月の上旬・中旬・下旬の言葉とは？
3月は弥生（やよい）とも呼ばれますね。
3月の時候の挨拶には、二十四節気と呼ばれる季節の節目も関係し、それによって上旬、中旬、下旬でも少しずつ使われる言葉にも変化が見られます。
3月に関わる二十四節気では、
という時期を迎えます。
雨水（2月19日頃）：2月19日頃～3月6日頃の前日まで
啓蟄（3月6日頃）：3月6日頃～3月21日頃の前日まで
春分（3月21日頃）：3月21日頃～4月5日頃の前日までまで
これが時候の挨拶で使う言葉にも関わる場合もあるので、うまく使い分けていければいいんじゃないでしょうか。
この二十四節気から全体を見渡すと一年の流れがわかりやすくなりますが、私たちの生活にどんな意味をもたらしているのか？
日本の季節や文化にも大きな影響を与えている「二十四節気」について、一覧カレンダーで確認しながら理解できるページを用意しています。
農作物の収穫や時候の挨拶、季節の行事などに今でも大きく関わっているので、ぜひこの機会にご覧になってください！
その時候の挨拶には
漢語調（早春の候、浅春の候など）
和文調（春まだ浅いこの頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。）
などというような、2つの言い回しの仕方があります。
では、それぞれどのような時候の挨拶があるのか、まずは漢語調の言葉から見ていきましょう。
時候の挨拶3月の上旬、中旬、下旬の漢語調の挨拶
漢語調での3月の時候の挨拶には
時候の挨拶 3月上旬
早春の候、三寒四温の候、春寒の候
時候の挨拶 3月中旬
軽暖の候、浅春の候、啓蟄の候
時候の挨拶 3月下旬
春分の候、春陽の候、萌芽の候
＊それぞれの時候の言葉に続けて「～の候」「～の折」「～のみぎり」というように続けて表現する。
漢語調の時候の挨拶を使うと、礼儀正しくかしこまった挨拶になります。
時候の挨拶の季節感のズレ
時候の挨拶に使う言葉は旧暦に基づいているので、今の季節感とは違いを感じるところもあると思います。
例えば「厳寒の候」「酷寒の候」などは主に1月に使います。
本当なら2月が季節的に一番寒い時期なので、2月にも「厳寒の候」とか使えそうですが、二十四節気の「大寒」が1月にあるため2月中旬や下旬では使いません。
そして2月は「立春」があるので暦の上では「春」となります。
また、8月は7日頃に「立秋」があるため、夏真っ盛りなのに「残暑」という言葉を使ったりします。
ただ、その年の気候や季節の変化を加えれば、実感できる言葉であるなら別に月をまたいで使ったとしても失礼にはならないと思います。
そのあたりは臨機応変に使ってもらえれば良いんじゃないでしょうか。
その年の気候や季節の変化で、実感できる言葉を自分なりに選んでいってもらって大丈夫だと思います。
時候の挨拶3月の上旬、中旬、下旬の和文調の挨拶
和文調での3月の時候の挨拶での書き出しには
時候の挨拶 3月上旬
寒さもようやく薄れ、少しずつ暖かさを感じる季節となりました。
桃の節句も過ぎ、ようやくすごしやすい季節となりました。
春まだ浅い頃ですが、お元気ですか。
時候の挨拶 3月中旬
三寒四温の言葉通り、季節もようやく春めいてきました。
コートも少しずつ不要な季節となってきましたが、いかがお過ごしですか。
一雨ごとに暖かくなり春めいてまいりましたが、お変わりございませんか。
時候の挨拶 3月下旬
暑さ寒さも彼岸までと申しますが、春の日差しが心地よい季節ですね。
桜のつぼみも膨らんで開花を待ち遠しく感じていますが、そちらはいかがですか。
心浮き立つ季節となりました。ますますご清祥のことととお喜び申し上げます。
その年によっても気候の違いなどはあると思うし、相手の地域によっても自分が住んでいるところと違う部分もあると思います。
その年によって暖冬や冷夏の年もありますし、空梅雨なのに「長雨でうっとおしい日が続きますが～」などはおかしい文になりますよね。
日々のニュースや地域の情報などもチェックしながら考え、文章を選んでいけばいいと思います。
時候の挨拶3月の上旬～中旬にかけて
また二十四節気に加えて「七十二候」と呼ばれる、気象の動きや動植物の変化を表したものも参考にできます。
時候の挨拶の3月の上旬～中旬にあたる啓蟄の時期には
初候（3月5日頃）蟄虫啓戸（すごもりのむしとをひらく）
冬眠をしていた生きものが、暖かい春の日差しの下に出てき始める頃を言います。
次候（3月10日頃）桃始笑（ももはじめてさく）
桃の花が咲き始める頃を言います
花が咲くことを「笑う」と表現しています。
末候（3月15日頃）菜虫化蝶（なむしちょうとなる）
青虫が羽化し、美しい紋白蝶になる頃を言います。
時候の挨拶3月の中旬～下旬にかけて
そして、時候の挨拶の3月の中旬～下旬にあたる春分の時期の七十二候には、
初候（3月20日頃）雀始巣（すずめはじめてすくう）
雀がつがいになって巣を作り始める頃をいいます。
次候（3月25日頃）桜始開（さくらはじめてひらく）
各地で桜が咲き始める頃をいいます。
末候（3月30日頃）雷乃発声（かみなりすなわちこえをはっす）
春雷の音が聞こえ始める季節をいいます。
季節の変わり目で不安定な気候を感じる頃です。
こういった言い回しは「和文長の時候の挨拶」の言い回しの際に使いやすいと思います。
機会があれば、ぜひ取り入れて自分だけの文章を作ってみてくださいね。
時候の挨拶3月の書き出しの例文とは？
手紙の構成としては、漢語調も和文調も
というようにつながっていきます。
例えば、
【漢語調】早春の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
【和文調】寒暖定まらぬ毎日ですが、お変わりございませんか。
などというような感じですね。
基本はこういった形を頭に置きながら、アレンジも加えたりして3月の時候の挨拶の書き出し文として使っていってもらえればと思います。
そこに、先ほどの二十四節気の時期なども考えながら、文章を作成していって下さい。
では、時候の挨拶で3月の上旬・中旬・下旬と参考になる書き出しの例文をまとめました。
時候の挨拶3月上旬の書き出し例文
- 三寒四温の候、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。
- 早春の候、ますますご活躍のことと存じます。
- 残寒も少しずつ無くなり暖かさがやってきましたが、そちらはいかがでしょうか。
- 桃の節句も過ぎ、春の陽気がやってきましたね。
- 春一番が吹き、空気も暖かくなってまいりました。
- 雪解けの季節になり、街の色も変わってまいりました。いかがお過ごしですか。
時候の挨拶3月中旬の書き出し例文
- 啓蟄の候、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。
- 浅春の候、ご清栄のこととお喜び申し上げます。
- 冬と入れ変わり花粉を感じる季節がやってまいりましたが、そちらはいかがですか。
- 草木が芽生え始める季節となりましたが、皆様、お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか。
- お水取りも過ぎ、これからより一層春を感じる季節ですね。
時候の挨拶3月下旬の書き出し例文
- 春分の候、ご壮健でお過ごしのことと存じます。
- 春陽の候、皆様、お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか。
- 桜のつぼみも膨らんで、待ちに待った開花がやってまいりました。
- 近くの公園でツクシを見つけました。春を感じる昨今でございます。
- お彼岸も過ぎ、いよいよ本格的な春の到来ですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。
あらたまった相手に出す時は、時候の挨拶でも丁寧な言葉を使いたいです。
ただ、親しい相手に送る場合は、身の回りのことや行事のことも言葉に選んで、親近感のある楽しい感じのお手紙にされてもいいと思います。
では次に、その3月の時候の挨拶の結びについて見ていきましょう。
時候の挨拶3月の結びの例文
3月の時候の挨拶の結びの言葉についてです。
こちらでも先ほどの二十四節気や七十二候の内容を使ってもうまく作ることができますし、その季節に合わせた言葉選びで手紙を締める事ができます。
例えば、
【3月上旬】
三寒四温と申します。気温の変化も大きいのでお身体にはお気をつけて下さい。
【3月中旬】
季節の変わり目ですので、体調にはお気をつけ下さい。
【3月下旬】
桜の便りもすぐそこまで来ていますね。お互い体調には気をつけましょうね。
これも結びの例文の一つですし、その年の気候や地域によっても中旬と下旬で言葉のチョイスが変わったりすることもありますが、大まかにはこのような感じだと捉えてもらえればいいと思います。
では、その時候の挨拶で3月の上旬・中旬・下旬と参考になる結びの例文をまとめました。
時候の挨拶3月上旬の結び例文
- 朝晩は冷え込むことも多いので、お体にはお気をつけ下さい。
- 春寒の折から、風邪など引かれませんようくれぐれもご自愛ください。
- まだまだ春とは名ばかりの気候です。体調にはお気をつけ下さい。
- インフルエンザも未だ衰えを知らない様子ですので、気を抜かずお互いに気をつけましょうね。
- 残雪の中にも春の芽吹きを感じるこの頃です。暖かくなる季節も近づいてるので、くれぐれもお体に気を付けて。
時候の挨拶3月中旬の結び例文
- 季節の変わり目ですので、体長など崩されないようお祈り申し上げます。
- 天候も定まらない季節ですので、どうぞご自愛ください。
- お互い花粉症のつらい時期ですが、何とか乗り切っていきたいですね。
- 今しばらくは、春の陽気が続きそうです。また一緒に〇〇にお出かけしましょう。
- 何かと体調を崩しやすい時期です。くれぐれもご自愛ください。
時候の挨拶3月下旬の結び例文
- 桜の便りが届く頃には、またぜひお会いしましょう。
- 春風とともに、幸せが届きますようお祈りします。
- お彼岸が過ぎても、まだしばらく寒さが続くようです。ご自愛専一になさって下さい。
- 新しい生活の場でも、ご活躍なさいますようお祈り申し上げます。
- 引っ越しをされましても、変わらぬお付き合いをいただけますようお願い申し上げます。
こちらも書き出し分と同様に、あらたまった相手には、時候の挨拶でも丁寧な言葉を使いたいです。
親しい相手に送る場合も、少し砕けた表現でいいのかもしれません。
また、無難な時候の挨拶の結びの例文もあるので、そういった文章は上旬・中旬・下旬で時期が多少ずれても違和感はないと思います。
相手に届く時期がわからない時や地域の状況がわからない時は、そういった言葉が便利なので使って下さい。
3月の時候の挨拶に入れる季語
3月の時候の挨拶の書き出しと結びに入れる言葉には、この時期の「風物詩」や「気候」、「自然」などを取り入れて春夏秋冬の季節感を出します。
これから順番にいくつか紹介していきますが、文章づくりの参考にして下さい。
では、まずは3月の風物詩について紹介しますね。
時候の挨拶に3月の風物詩を入れる
時候の挨拶の中に3月の季語になる風物詩を入れて、具体的な話を手紙に書くこともできます。
そんな3月の風物詩ですが、例えばどのようなものがあるかピックアップしてみました。
【風物詩】桃の節句・ひな祭り・お雛様・ひなあられ・菱餅・お彼岸・お墓参り・桜前線・卒業式・合格発表・受験・進学・就職・転勤・引っ越し・春休み・ホワイトデー・花粉症
【気候】春の嵐・三寒四温・春寒・春暖・黄砂
【自然】桃・彼岸桜・つくし・たんぽぽ・菜の花・沈丁花・よもぎ・牡丹
これらの行事や自然の植物、気候などを手紙の文章に入れると季節感もでます。
機会があれば使っていき文章を作っていきましょう。
三寒四温について
この三寒四温とは、
そんな季節の移り変わりを表す言葉なんですね。
具体的には2月19日ごろに迎える「雨水（うすい）」の時期にあたります。
ただ、3月に入っても三寒四温のような気候は続くので、この言葉を使うことも多いです。
三寒四温という言葉は、余寒見舞いなども含め、手紙の中でも季節の移り変わりを表す言葉で使いやすいので、機会があれば取り入れてみて下さい。
お彼岸について
3月は春分の日があり祝日となっていますが、「春のお彼岸」と呼ばれています。
秋分の日の「秋のお彼岸」も祝日になっていますが、この春分の日はなぜ祝日になるほどの日なのか？
その理由や春分の日の重要性について、こちらのページでまとめています。
どうして「お彼岸」と言われるのか、そもそもどんな日なのかを説明していますので、ぜひ読んでみて下さい。
あとがき
時候の挨拶で3月の上旬・中旬・下旬でのそれぞれの言葉について。
そして3月の時候の挨拶の書き出しと結びの言葉や季語となる風物詩。
また、春分の日のお彼岸や三寒四温などについても触れてまとめましたがいかがでしたか。
漢語調では礼儀正しい感じになるし、和文調の時候の挨拶ではやわらかい言い回しにも礼儀正しい挨拶にも出来るので便利です。
うまく風物詩や七十二候などの季語の言葉も織り交ぜながら、1月の時候の挨拶の参考にしてください。
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