秋分の日はお彼岸とも言うけれど、お彼岸って何?
こんなふうに疑問に感じてる人も多いのではないでしょうか。
秋分の日は祝日で休みだし、遊びに行けて良いと思っている人も多いと思いますが、実はこの日にはとても深い意味があります。
また秋分の日だけでなく、春分の日もお彼岸なんですね。
そんなお彼岸が春と秋にあるのは、仏教の教えや日本の祖先信仰が大きく関係していました。
そしてそれが祝日にまでなっているのは、とても大きな理由があったのです。
そこで今回は春と秋のお彼岸とお墓参りの意味、そしてお供え物を供える理由などまとめました。
お彼岸って何?春と秋にある意味とは?
お彼岸ってどんな意味があるのか?
いったい何をする日なのか、よくわからない人もいるのではないでしょうか。
まず、お彼岸の日にちですが、お彼岸は
春分の日(3月21日ごろ)
秋分の日(9月23日ごろ)
この日を境に前後三日間、つまり一週間をお彼岸と言います。
春分の日や秋分の日は若干ズレる年がありますが、だいたいの日にちは決まっています。
それぞれについて、今年はいつなのかしっかりとチェックしておきましょう。
9月の秋のお彼岸はかなり有名ですが、実は春にも「春のお彼岸」があります。
だから年に2回、春(3月)と秋(9月)にお彼岸があるんですね。
これらをまとめると、
【春のお彼岸】春分の日が3月21日の場合3月18日:彼岸入り
3月21日:彼岸の中日(=春分の日)
3月24日:彼岸明け
9月20日:彼岸入り
9月23日:彼岸の中日(=秋分の日)
9月26日:彼岸明け
このようになっています。
- お彼岸一週間の最初の日を「彼岸入り」
- お彼岸の真ん中(春分・秋分の日)を「彼岸の中日」
- お彼岸一週間の最後の日を「彼岸明け」
お彼岸にはこういった意味があり、このようにそれぞれ呼んでいるのです。
お彼岸とは雑節
春と秋のお彼岸の意味ですが、「彼岸」とは雑節のうちの1つです。
雑節(ざっせつ)とは、二十四節気や五節句などの暦日のほかに、季節の移り変りをより感じるために作られたものです。
例えば、
- 八十八夜
- 半夏生
- 土用
- 節分
他にもありますが、有名なところではこのような雑節があります。
この二十四節気から全体を見渡すと一年の流れがわかりやすくなりますが、私たちの生活にどんな意味をもたらしているのか?
日本の季節や文化にも大きな影響を与えている「二十四節気」について、一覧カレンダーで確認しながら理解できるページを用意しています。
農作物の収穫や時候の挨拶、季節の行事などに今でも大きく関わっているので、ぜひこの機会にご覧になってください!
今回出てきた「春分」や「秋分」もそうですし、夏至や冬至、立春や立秋なども二十四節気の一つですね。
他にもたくさんの暦があるので、一度ご覧になってみると面白いですよ。
お彼岸でお墓参りする意味は?
お彼岸ではお墓参りをすることが思い浮かびますが、どうしてお墓参りをするのか疑問に思ったことはないでしょうか。
それは、春分の日や秋分の日の意味を考えるとわかりやすくなります。
実はこの春分と秋分は、
太陽が真東から昇って真西に沈む
こんな特徴のある日なのです。
仏教では
と考えられています。
そこで「太陽が真東から昇って真西に沈む」ということは、
ということでもあります。
だから、春分の日や秋分の日は、
このように考えられ、ご先祖様の霊を供養する特別な日となったワケです。
春分や秋分が祝日のワケ
そしてこれは「皇霊祭(こうれいさい)」と呼ばれる、歴代の天皇や皇族方の御霊(みたま)に鎮魂の祈りをささげる宮中祭祀にもつながっていると考えられています。
実はこの皇霊祭が、1879年(明治12年)~1948年(昭和23年)まで「春季皇霊祭」として休日となっていました。
*秋季皇霊祭は1878年(明治11年)~1947年(昭和22年)まで
それが「国民の祝日に関する法律」によって、それぞれが
春季皇霊祭 ⇒「春分の日」
秋季皇霊祭 ⇒「秋分の日」
このように名前を変えて、国民の祝日となった由来があります。
そして、秋分の日と春分の日は「国民の祝日に関する法律」の第二条に、
春分の日:自然をたたえ、生物をいつくしむ。
秋分の日:祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。
このような記載がされているのです。
だから実はとても深い意味のある日で、お彼岸にお墓参りをする理由はこういう考えがあったからなんですね。
彼岸(ひがん)と此岸(しがん)の意味
お彼岸というのは先ほど仏教という言葉が出てきましたが「仏教用語」なんですね。
この仏教用語の彼岸は、「人々が欲や煩悩から解放された世界」「西方極楽浄土」といった意味があります。
その一方で、対比する私たちの今住んでいる世界を「此岸(しがん)」と呼びます。
そして、春分や秋分の日は
このように考えられています。
でも実は、このお彼岸のお墓参りというのは日本独自の風習のようで、他の仏教国には存在しないようなんですね。
これは、日本の先祖供養や農耕の儀式などの、日本独特の風習から定着したものだと考えられています。
お彼岸のお供え物がおはぎやぼたもちの意味は?
このお彼岸の日には、お墓や仏壇にお供え物が供えられますが、それは何かというと「おはぎ」と「ぼたもち」を供える風習があります。
「おはぎ」と「ぼたもち」ですが、このお供え物ってどちらがどちらかその違いがわかるでしょうか。
これも色々と言われていることが多いのですが、それぞれについてちょっとまとめてみました。
お供え物のおはぎとぼたもち
おはぎの特徴
秋分の日のお供え物萩(お萩:おはぎ)
つぶあん
きな粉のものもある
もち米
米粒が残っている
ぼたもちの特徴
春分の日のお供え物牡丹(牡丹餅:ぼたもち)
こしあん
小豆餡
うるち米
米の粒が無くなるまで潰した餅
このように分けられています。
でも、これがすべて正解ではなく、地方や地域によっても違うし販売されているところによっても違います。
そして今では「おはぎ」という形で共通して販売されていることも多く、どっちがどっちなのかという境界線はどんどんなくなっているようですね。
関東地方で「おはぎ」と呼ぶことが多くなり、ぼた餅もおはぎと呼ぶことが多くなっているようです。
お彼岸でお供え物をする理由とは?
地域によっての違いも多いし、どちらがどちらというのもよくわからなくなってきていますが、どうして名前が違うのかというと、それは季節が関係しています。
春は牡丹、秋は萩の季節ということで、
春分の日:牡丹(牡丹餅:ぼたもち)
秋分の日:萩(お萩:おはぎ)
このように名前が分けられているのですね。
さて、おはぎやぼた餅というのは、小豆とお米を餅にして合わせた食べ物ですよね。
実は、昔はもち米や砂糖は高価なものとされていました。
高価なものを使うことで、ご先祖様を大切に思う気持ちを表したと言われています。
そして小豆は「邪気を払う」と信じられていて、赤飯などいろんな行事で並ぶことが多い食べ物です。
このように縁起の良い小豆をお彼岸でお供え物にすることで、ご先祖様への供養を忘れなかったわけですね。
あとがき
お彼岸って何なのか。
春と秋にあるお彼岸とお墓参りの意味、そしてお供え物を供える理由などまとめましたがいかがでしたか。
春分の日と秋分の日は祝日となっていますが、どうして祝日になっているのか。
お彼岸にはどんな意味が込められていたのか、ということに触れられたのではないかと思います。
お彼岸は祝日もあるしいい機会だと思うので、ふだんお墓参りに行けていない人は一つのキッカケにして、ご先祖様に手を合わせに行かれてはどうでしょうか。
そんなお彼岸は日本の様々ある行事の中でも特に重要な意味を持ち、春分と秋分に迎える大切な日です。
そのお彼岸の意味やお墓参りをする理由や牡丹餅など行事食を食べる理由、祝日となる意味などこちらのページでまとめています。
一度ご覧になって、気になる記事をぜひチェックして下さい!
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