彼岸の読み方は「ひがん」というように言います。
この読み方には「日願(ひがん)」という、お日様への恵みに感謝することから来ているといった説もあります。
そんなお彼岸ですが、春分と秋分の日を中心として、その前後三日を合わせた一週間を彼岸と呼んでいるのです。
また、この彼岸について知ることで、その反対の「此岸(しがん)」についても位置づけを確認することができます。
今回は、この彼岸の読み方についてと、此岸との違いも含めまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
彼岸の読み方って?
彼岸とよく言いますが、この読み方は彼岸(ひがん)といいます。
「彼岸」は、サンスクリット語の「パーラミター(波羅蜜多)」の漢訳語で、迷いの此の岸から悟りの彼の岸へ至ること(到彼岸)をいいます。
- 「此の岸」は「現世、煩悩や欲、苦悩に満ちた世界」
- 「彼の岸」は「悟り、涅槃の境地」
彼の岸(かのきし)といいますが、このときの「彼」というのは他にも、
- 彼の地
- 彼の者
- 彼の有名な
といったように、話し手と聞き手の両方が既に知っている物事のことを言うときに使われます。
また、彼の(あの)というときにも使われ、話し手・聞き手の両方から離れた人や物をさしていう時にも使われます。
つまり「極楽浄土」のことを指しているので、とても離れたところにあるとされています。
彼岸と日願
この彼岸という読み方は「日願(ひがん)」から来ているとも言われています。
「日願(ひがん)」というのはその漢字の読み方の通り、お日様にお願いするということです。
作物を育てる太陽と雨や風などの天候、そういった自然に感謝の気持ちを込めて、これからも変わらず恵みを与えてくれるようお日様にお願いする期間のことなんですね。
春は豊穣を祈り、秋は収穫を感謝する。
このような日本の風習と仏教の彼岸思想を当てはめたものとして、今のお彼岸があるという説があります。
彼岸とその日にち
お彼岸の日にちですが、お彼岸は
春分の日(3月21日ごろ)
秋分の日(9月23日ごろ)
この日を境に前後三日間、つまり一週間をお彼岸と言います。
秋分の日と春分の日は、太陽が真西に沈む特別な日なんです。
この春分と秋分に、どうしてお墓参りをしたりするのか?
特別な日の意味はこちらのページでまとめているので、ぜひご覧になって下さい。
彼岸の中日
そして、この秋分と春分を「彼岸の中日(なかび・ちゅうにち)」といいます。
【春のお彼岸】春分の日が3月21日の場合3月18日:彼岸入り
3月21日:彼岸の中日(=春分の日)
3月24日:彼岸明け
9月20日:彼岸入り
9月23日:彼岸の中日(=秋分の日)
9月26日:彼岸明け
このようになっています。
- お彼岸一週間の最初の日を「彼岸入り」
- お彼岸の真ん中(春分・秋分の日)を「彼岸の中日」
- お彼岸一週間の最後の日を「彼岸明け」
このようにそれぞれ呼んでいるのです。
この春分や秋分の日を含む二十四節気から全体を見渡すと一年の流れがわかりやすくなりますが、私たちの生活にどんな意味をもたらしているのか?
日本の季節や文化にも大きな影響を与えている「二十四節気」について、一覧カレンダーで確認しながら理解できるページを用意しています。
農作物の収穫や時候の挨拶、季節の行事などに今でも大きく関わっているので、ぜひこの機会にご覧になってください!
彼岸の反対の「しがん」って何なの?
この彼岸と反対の意味を成すのが、此岸(しがん)というものです。
読み方を「しがん」と呼び、他にも「サハー」「娑婆(しゃば)」などとも呼ばれます。
此岸(しがん)の意味
此岸とは、彼岸の反対側の世界のことです。
最初の方でも触れましたが、
- 「此の岸」は「現世、煩悩や欲、苦悩に満ちた世界」
- 「彼の岸」は「悟り、涅槃の境地」
彼岸は極楽浄土といったあの世のことを指しますが、此岸は今私たちが生活をしている現世のことを意味しています。
煩悩や欲、苦悩に満ちた世界を指しているのですね。
他にも娑婆(しゃば)というようにも呼ばれていますが、映画などでも刑務所から出たときのシーンで
なんて言うのは、この仏教用語から来ていると考えられています。
この欲や煩悩にまみれた此岸(しがん)から、悟りの境地でもある彼岸(ひがん)に到達するために徳を積みましょうというのが、このお彼岸の期間なんですね。
そして彼岸と此岸の距離が、

と考えられていました。
だからこの日は特別な日なんですね。
あとがき
彼岸の読み方は何というのか。
また、その反対の此岸(しがん)っていったい何なのか。この二つの言葉についてまとめましたがいかがでしたか。
お彼岸とは実は他の仏教国ではなく、日本独自のものとされているようです。
日本で生まれたのは記事内でもあったように、日本の農耕文化と自然信仰の風習が、この仏教の考えと結びついたためと言われてるんですね。
これは言い換えると、他の国にはない素晴らしい文化だと思います。
なかなかお墓参りに行っていない人も、こういったキッカケでご先祖様を大切にする機会を持つのもいいのではないでしょうか。
そんなお彼岸は日本の様々ある行事の中でも特に重要な意味を持ち、春分と秋分に迎える大切な日です。
そのお彼岸の意味やお墓参りをする理由や牡丹餅など行事食を食べる理由、祝日となる意味などこちらのページでまとめています。
一度ご覧になって、気になる記事をぜひチェックして下さい!
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