日焼け止めを買う時ってSPFやPAの数値って気になりますよね。
でも、これってよくわかっていない人も多いと思います。
なんとなく、
と、考える人も多いと思いますが、必ずしも大丈夫じゃありません。
普段使いだと「SPF10~20/PA+~++」もあれば大丈夫だと思います。
夏場の屋外での軽いスポーツの日焼け止めで「SPF30~/PA++~」くらいの強さになります。
でも、そんな基準ってわからないし、そもそも日焼け止めのSPFとかPAって何なのかもわからないですよね。
とも思ってしまいます。
そこで今回は、
日焼け止めのSPFとPAの意味や効果の違いとは何なのか。
また日焼け止めの強さの高い低いの基準や、SPF50+以上のSPF100などがない理由について。
そして、日焼け止めのSPFやPAの強さによる選び方や、その目安についてまとめました。
日焼け止めを付けていて「いつも肌がかゆい、ピリピリする」と感じる人はじっくり読んでみてください。
日焼け止めSPFとPAの意味や効果の違いとは?
紫外線対策って言われたら、最初の方に思い浮かぶのって「日焼け止め」ではないですか?
その紫外線は春先の3~4月ごろから徐々に増えてきます。
そして7月あたりになると紫外線量もピークになって、かなり肌に影響を及ぼすレベルまで上がってくるんですね。
この違いってすごいですよね。
だから外に出るなら夏場は日焼け止めをしておかないと、紫外線に肌をやられてしまう可能性も高くなっちゃうんですね。
そんな日焼け止めには「SPF/PA」っていう表記をよく目にしますが、
「SPF10・SPF30・SPF50」
「PA+・PA+++・PA++++」
日焼け止めSPFとPAの意味や効果の違いって?
と思っている人も多いのではないでしょうか。
なんとなくいろんな商品を見ているうちに感じると思うのですが、
- SPF50以上の日焼け止めって無いな。
- PA++++以上の日焼け止めって無いな。
- SPF50とかPA++++が一番効果ありそうだな。
- SPF10とかって数値が低いし効果あるのかな。
- SPF30って数値高いのか低いのかわからないな。
いろいろ感じる事があると思います。
この日焼け止めのSPFやPAの意味はとても重要で、SPFは数値が高いほど強く、PAは「+」が多いほど強い意味を持っています。
では、それぞれについてもっと詳しく見ていきますね。
日焼け止めのSPFの意味とは?
日焼け止めのSPFの意味ですが、まずこのSPFの読み方は
サン・プロテクション・ファクター(Sun Protection Factor)の略で、紫外線防御指数とも言います。
そして日焼け止めのSPFの意味は、シミやソバカスの原因となる紫外線B波(UVB)を主にカットする目安となる数値なんですね。
日焼け止めのSPFの数値はどういった意味を持っているのかというと、
日焼け止め化粧品を塗った場合、塗らない場合に比べて何倍の紫外線量をあてると翌日かすかに赤くなるかを示しています。
参照:「紫外線環境保健マニュアル」より
https://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2015/full.pdf
で、この図の説明なんですが、
左の「試料無塗布部」と「試料塗布部」
右の「試料無塗布部」と「試料塗布部」
それぞれで見てみると
左と右の「試料無塗布部」を比べると、右の絵では紫外線量が1.25で赤くなり始めてます。
次に、左と右の「試料塗布部」を比べると、右の絵では14.1で赤くなり始めてます。
という事で、14.1÷1.25=11.3
この「11.3」という数値をSPFとして表示しているわけです。
だからSPF10よりもSPF20、SPF50と数字が上がるほど紫外線量を抑え、肌が赤くなることを防ぐことができるという目安の数値になるわけですね。
日焼け止めのSPFと時間
さて、ネット上などでは
SPF20は20分×20=400分で6時間40分日焼けが抑えられる!
こういう表記がよくありますが、実際に6時間40分抑えれるかどうかはわかりません。
この20分というのがどこから出てきたのかというと、
というところからきているようです。
でも、人によって肌が赤くなる時間には個人差があります。
色黒の人は若干赤くなりにくいですし、場所によっても沖縄はかなり紫外線量が多いです。
快晴なのか曇りなのかなどでも変わります。
日焼け止めのSPFの数値は時間ではなくて、紫外線量ということを理解しておきたいですね。
ただ、結果的にそれが時間につながるという事も言えるとは思うので、この計算方法はあくまで目安として捉えるくらいがいいと思います。
日焼け止めのPAの意味とは?
そしてもう一つ、日焼け止めのPAの意味ですが、まずこのPAの読み方は
プロテクション グレード オブ UVA(Protection grade of UV-A)の略です。
日焼け止めのPAの意味は、シワやたるみの原因になる紫外線A波(UVA)からどれだけ防げるかという効果の目安になります。
肌にUVAが当たると数分で皮膚が黒くなりますが、短時間の照射ではすぐに消えてしまいます。
しかしUVAの照射量が多くなると数時間以上黒化が続きます。
その黒化を指標としてSPFと同じような実験をして比を計算し、UVAをどのくらい防いでくれるのかを4段階にして表しました。
それが「+」の数で強さを表すようになって「PA+」~「PA++++」まであります。
「+」が多い方がより強く守ってくれます。
紫外線のUVAとUVBについて
さて、この紫外線についてですがちょっと補足の情報を入れておきますね。
ここまでUVAとかUVBとかの話が出てきましたが、紫外線には3種類あって、その波長によって特徴が変わってきます。
まずはこちらが紫外線とその波長の図です。
この紫外線には
大気による吸収をあまり受けずに地表に到達します。生物への影響はUVBと比較すると小さい。
成層圏オゾンにより大部分が吸収され、残りが地表に到達します。生物への影響大。
成層圏及びそれよりも上空のオゾンと酸素分子によって全て吸収され、地表には到達しません。
この3種類の紫外線の波長があって、分けて考えられることも多いです。
フロンガスとかでオゾン層破壊はダメなんてことがよく言われますが、オゾン層が壊れていくと、紫外線をカットできなくなってくるんです。
そうすると人体への影響も大きくなるので、大問題に発展しますよね。
各領域の紫外線とオゾン層の関係
参照:気象庁「紫外線とは」
http://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-40uv.html
この図を見てもわかるように、地表に到達する多くがUVAで、次にUVBが降り注いできますが、これと「肌へのダメージ」や「日焼けの問題」に変えてみていくと、
UVA:皮膚の奥まで届き、シワやたるみの原因となります。
UVB:シミやそばかすの原因となります、紫外線に占める割合は少ないですが悪影響が大です
このUVAとUVBですが、どちらも肌に影響を及ぼすものですね。
日焼けすると黒くなってきますが、あれはUVAによるものが大きいと考えられていて、
と呼ばれています。
また、夏場に肌が真っ赤になって火傷したような日焼けってありますよね。
あれはもう一方のUVBが大きな影響を及ぼしていると考えられていて、
と呼ばれてます。
夏以外でも外でずっといてると真っ赤になるような日焼けはないですが、肌の色が黒くなることはありますよね。
適度な紫外線はビタミンDの生成などに必要ですが、紫外線の強い季節に長時間浴び続けるのはあまり良いとは言えないでしょう。
だから肌は赤くならずに黒い日焼け(サンタン)になるんですね。
日焼け止めSPFとPAの高い低いの目安は?
さて日焼け止めのSPFとPAの意味や効果の違いについてみてきましたが、
SPF10・SPF30・SPF50
PA+・PA++++
などいろんな数値がありますよね。
実際に購入するときには、この日焼け止めのSPFとPAの高い、低いについて知っておく必要があります。
日焼け止めSPFの最高値や低い数値
まず、日本で一番高い日焼け止めのSPFは「SPF50+」です。
これは「SPF50以上ありますよ」という意味の数値ですが、どうしてSPF100とかがないのか不思議ですよね。
これは昔問題になったようで、消費者に混乱を招かないようにSPF50以上の数値は書かないよう日本化粧品工業連合会で決められたようです。
私たちもキチンと情報がなかったら
「高い数字の方がいいに決まってる!」
といったようにSPF100などの数値に目が行きますよね。
でも、一般的な日本人が国内で最も紫外線の多い場所で、一日中日光浴をする場合でも、サンバーンを起こさせないために必要なSPFは47(約50)である事から、SPFは50以上の数値が表記されていないんです。
日焼け止めの低いSPF
日焼け止めのSPFが低いものでは10以下のSPF2とかもあります。
サンオイルはSPF10以下くらいにして、UVBを少し防いでサンバーン(肌が赤くなる日焼け)を和らげてくれます。
ただUVAは通すので黒くなりやすい(サンタン)わけです。
日焼け止めPAの最高値や低い数値
一方の日焼け止めのPAの最高値ですが「PA++++」です。
PAは4段階あり
防御効果 | UVAPF | |
PA+ | 防御効果がある。 | 2以上4未満 |
PA++ | 防御効果がかなりある。 | 4以上8未満 |
PA+++ | 防御効果が非常にある。 | 8以上16未満 |
PA++++ | 防御効果が極めて高い。 | 16以上 |
*「+」が多いほどUVA防御効果が高い
*UVAPF(UVA protection factor of a product)の値によって「+」の数が決まる。
このような段階を踏んでいます。
これは受ける紫外線量(UVA)を
1/〔UVAPF値〕
にするという意味です。
つまり「PA+」なら「UVAを1/2~1/4くらいまで減らす。」ということですね。
今販売されている日焼け止めではPA++++のものが一番高い日焼け止めですが、SPFの数値が高いと、自然とこちらのPAの数値も高いものが多いです。
「SPF50+/PA+」といったような日焼け止めは見ません。
逆に「SPF15/PA++++」といったような日焼け止めも見ません。
日焼け止めのSPFとPAの数値の高い低いはこんな感じですね。
日焼け止めSPFとPAの選び方
さて日焼け止めのSPFとPAの効果や違い、数値の高さと低さを見てきたわけですが、そうなると次はどんな日焼け止めの強さのものを選べばいいのか。
この日焼け止めの選び方というのがポイントとなってきます。
例えば、
長時間の外での活動、海水浴やスポーツなどをするとき
これは、長い時間紫外線の下にさらされることになります。
そうなると日焼け止めもSPFとPAの強いものが欲しくなりますよね。
日焼け止めも「SPF50+/PA++++」といった強さのものを選んでいくといいと思います。
その一方で、
夕方に30分~1時間ほど犬の散歩に出かけたい。
こんな時には、日焼け止めも「SPF10~20/PA+~PA++」くらいの弱めのものでも十分です。
- じゃあどうして使い分けないといけないのか?
- 別にどんな時でも一番強い日焼け止めのSPF50+/PA++++の強さでいいんじゃないの?
- 弱い日焼け止めの意味って何なの?
というように思いますが、それは日焼け止めの肌への負担にあります。
日焼け止めの肌への負担
この日焼け止めの強さですが、何でもかんでも強い日焼け止めを使えばいいというものでもないんですね。
日焼け止めの成分は商品によって変わりますが、紫外線吸収剤や酸化チタンなどの紫外線散乱剤、アルコール、香料、添加物、防腐剤、鉱物油など含まれています。
やっぱりそういった成分がずっと肌に触れているのは負担になります。
日焼け止めの強いものは、こういった成分が多く含まれる傾向にあるので肌の負担になりやすいんですね。
だから、必要な時の状況に合わせた強さの日焼け止めの選び方が大切になってくるんです。
日焼け止めってどうやって選べばいいの?
という悩みに代わってきますが、その目安についてみていきましょう。
日常の日焼け止めのSPFとPAの選び方
この日焼け止めの選び方ですが、その目安となるSPFとPAの数値が環境省のマニュアルの方でも公表されています。
参照:「紫外線環境保健マニュアル」より
https://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2015/full.pdf
これを見て参考にしてもらうといいのですが、
日常生活(散歩・買い物等)
SPF10~20/PA+~++
屋外での軽いスポーツやレジャーでの活動
SPF20~30/PA++~+++
炎天下でのレジャー・リゾート地でのマリンスポーツ等(非常に紫外線の強い場所や紫外線に特別過敏な人たち等)
SPF30~50+/PA+++~++++
このように分かれています。
だいたいはこの通りに選んでもらうと大きく間違うことはないですね。
1日の中での日焼け止めのSPFとPAの選び方
ただ、この日焼け止めのSPFとPAの選び方ですが、
というのも一つポイントになります。
簡単に想像できると思いますが、昼の12時と夕方16時では紫外線量が全く違います。
沖縄での紫外線量が一番わかりやすいですが、夏の紫外線量で12時は11.5あるのに夕方16時だと2.4まで下がっています。
すべてこういう日ばかりではないですが、時間帯によって半分以下になることもよくあるので、日中出るときは強い日焼け止めで、夕方はそこまで強い日焼け止めは必要ないと思います。
オススメの日焼け止めのSPFとPAの選び方
個人的なオススメの日焼け止めの選び方ですが、1つだけでなく数種類の日焼け止めを用意することが最も賢い方法だと思います。
よく外出する人で紫外線を浴びる時間が長い人は、いろんな種類の物を持っておくと使い分けができて便利です。
例えばですが、
これは短い時間なのでいちいち塗るのが面倒だから、スプレーでサッと済ませちゃおうというものです。
また、日焼け止めの塗りなおしや髪の毛、頭皮の紫外線対策でもスプレータイプは便利です。
これはやはり長時間の紫外線から身を守るために、UVカットの効果が一番期待できるものを持っておきたいからです。
会社でも外回りでたまに出たり、外での活動がある人はこのくらいの日焼け止めの強さが必要かもしれません。
このように何種類か持っているといろんな使い方ができて便利ですね。
オススメの日焼け止めスプレーは別のページでまとめています。
参考ページ日焼け止めスプレーの人気やおすすめは?敏感肌に優しいものは?
敏感肌に優しいものもあるので、ぜひこちらも参考にしてください。
季節別での日焼け止めのSPFとPAの選び方
という事なんですが、冬場は日常ではほぼ必要ないと思います(スキーなどは別)
必要になってくるのは、早くても3~4月の春先当たりではないでしょうか。
日焼け止めを使い始めるタイミングがちょっとわからないなあ、と思う人は参考に読んでみてください。
オーストラリアで主流の日焼け止めのSPF
日本と違い気温がとても高くなる時期もあるオーストラリア。
と思いきや、日焼け止めのSPFは30程度のものが主流なんだそうです。
というのも、SPF50のような日焼け止めを使っても肌への負担になるし、気温が暑いので結局汗で流れちゃうんだとか。
だからSPFの強い日焼け止めを使うよりも、SPF30程度で2時間ごとに塗り直しをするといったやり方をする人が多いようです。
何でもかんでも強い日焼け止めを使えばいいというものではなく、その状況にあった使い方をするのが賢い方法という事ですね。
長く外にいると日焼け止めの効果も薄くなりがちなので、定期的な塗り直しは必要です。
長時間外に出ることが多い人は、特に塗り方や塗りなおし方が重要になるので、しっかりとポイントを押さえておいてください!
あとがき
日焼け止めのSPFとPAの意味や効果の違いとは何なのか。
また日焼け止めの強さの高い低いの基準や、SPF50+以上のSPF100などがない理由。
日焼け止めのSPFやPAの強さによる選び方や、その目安についてまとめましたがいかがでしたか。
普段何気なく購入していた日焼け止めですが、その強さもなんとなくはわかっていたと思います。
でも、こうやってしっかりと見ていくと、強いだけじゃダメってこともわかりますよね。
使う時の状況に合わせて、できるだけ肌への負担が少ない日焼け止めを選んでいきたいですね。
そんな紫外線対策ですが、なにも日焼け止めだけではないですよね。
他にも帽子や日傘、サングラスを始めいろんなグッズで対策することができます。
こちらのページでオススメのものをすぐに探し出せるようにしてるので、ぜひ読んでみてください。
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