日焼け止めの原理や仕組みとは?散乱剤や吸収剤の意味とビタミンD不足
2018.04.12
日焼け止めも多くの人が使っていると思いますが、
そんな日焼け止めの原理や仕組み、そして日焼け止めの成分がどんな役割を持っていて、どんな働きをしてるのか?
ちょっと気になりますよね。
太陽から降り注ぐ紫外線にも種類があって、日焼け止めの中に含まれる
といった成分が、それぞれ紫外線から肌を守ってくれているんです。
今回はそんな日焼け止めの中身についていろいろ見ていこうと思いますが、
日焼け止めの原理や仕組みはどうなっているのか。
また紫外線吸収剤や紫外線散乱剤の役割やその意味。
そして日焼け止めや紫外線対策によるビタミンD不足の問題など、私たちの身近な日焼け止めについてまとめました。
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日焼け止めの原理や仕組みとは?
あなたも日焼け止めをいろいろと使ったことはあると思いますが、
どうして日焼け止めを塗っただけ紫外線をカットできるの?
こんな日焼け止めの原理や、その仕組みについて疑問に思うところがあると思います。
そもそも地球上に降り注いでいる紫外線というのは
主にこの2種類と考えられています。
もう一つUVC(紫外線C波)もありますが、成層圏及びそれよりも上空のオゾンと酸素分子によって全て吸収され、地表には到達しません。
このUVAとUVBがどのように肌に影響しているのか気になるところではありますが、図とともに見ていきましょう。
紫外線と肌への影響
参照:気象庁「紫外線とは」
http://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-40uv.html
この図を見てもわかるように、地表に到達する多くがUVAで、次にUVBが降り注いできますが、これと「肌へのダメージ」や「日焼けの問題」に変えてみていくと、
UVA:皮膚の奥まで届き、シワやたるみの原因となります。
UVB:シミやそばかすの原因となります、紫外線に占める割合は少ないですが肌への影響が大です。
このUVAとUVBですが、どちらも肌に影響を及ぼすものですね。
日焼けすると黒くなってきますが、あれはUVAによるものが大きいと考えられていて、
と呼ばれています。
また、夏場に肌が真っ赤になって火傷したような日焼けってありますよね。
あれはもう一方のUVBが大きな影響を及ぼしていると考えられていて、
と呼ばれてます。
夏以外でも外でずっといてると真っ赤になるような日焼けはないですが、肌の色が黒くなることはありますよね。
あれは紫外線のUVAの影響で、色素細胞がメラニン色素を作って肌を守ろうとしているために起こるのです。
日焼け止めの役割は、このUVAとUVBを肌に到達しないようにするのですが、そのために
という成分を使って、やり方は違えど紫外線から肌を守るという役割を持っています。
では、日焼け止めに含まれるこの二つの成分が、どんな風に肌を守ってくれるのか、その原理や意味についてみていきましょう。
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日焼け止めの散乱剤や吸収剤の意味は?
日焼け止めには紫外線吸収剤入りのものと、紫外線散乱剤入りのものが多く占めているという話でしたが、
というところがわかりにくいですよね。
そんな日焼け止めの二つの成分には大きな違いがあるんです。
それぞれメリット、デメリットがあるのですが、まず紫外線吸収剤とはどんな成分なのか見ていきましょう。
日焼け止めの紫外線吸収剤の原理や意味は?
紫外線吸収剤とは、その文字通り
こういう意味があって、紫外線吸収剤が含まれている日焼け止めは、肌への浸透の前にこの成分が紫外線を吸収してくれます。
ただ、紫外線を吸収した時に化学反応が起こり、肌に刺激となる可能性があります。
肌への刺激というのは
- 熱エネルギーの発生
- 紫外線吸収剤の分子の変形や分解
- 皮膚の乾燥
これらが考えられています。
紫外線吸収剤の原理
簡単な図ですが、このように日焼け止めに含まれる吸収剤の成分が紫外線を吸収してくれる役割があります。
この紫外線吸収剤が紫外線のエネルギーを取りこんで、化学的に処理してくれます。
だから紫外線のエネルギー処理のために、自らの成分が変性したり熱を出したりなどして、紫外線から肌を守ってくれている仕組みですね。
この熱エネルギーへの変換ですが、肌が熱く感じるほどの温度ではないので、通常であれば問題ないとされています。
ただしやはり熱の発生があるので、敏感肌の人はそれを感じ取ってしまうかもしれないという心配があります。
また、熱は肌の水分を少なからず奪う可能性もあるので、そこで乾燥肌の人にとって少し感じ取ってしまう部分もデメリットに挙げられます。
そして、この紫外線吸収剤はいつまでも紫外線から守ってくれるわけではなく、成分は紫外線を浴びれば浴びるほど壊れていきます。
だから長時間外に出るときは、定期的に塗りなおしが必要になってきます。
紫外線吸収剤のメリット
紫外線吸収剤のメリットは、汗で流れにくいことです。
日焼け止めを使う時は当然暑い日の時が多いと思いますが、気温が熱いと汗をかきますよね。
汗をかくとどうしても日焼け止めも流れていってしまいます。
その流れていく日焼け止めを放ったらかしにしておくと、やっぱり成分の流れた所は紫外線のダメージを受けてしまいますよね。
そうなりにくいのが紫外線吸収剤の最大のメリットです。
また、塗った時の使用感がサラサラで使い心地がよく、透明で白浮きしないため見た目にもいいというのが人気の理由です。
紫外線吸収剤のデメリット
紫外線吸収剤のデメリットは、成分による肌へのダメージが考えられることです。
先ほどもあったように肌への刺激というのは
- 熱エネルギーの発生
- 紫外線吸収剤の分子の変形や分解
- 皮膚の乾燥
これらが考えられています。
紫外線を成分が吸収することで熱エネルギーが発生したり、成分の形が変わっていくことで肌へのダメージとなる可能性もあると考えられてます。
ただ、そんな熱を感じるというほどでもないので、過度の心配は必要ないと思います。
でも、敏感肌や乾燥肌の人がこういった熱を敏感に感じ取り、かゆみや肌の乾燥につながる可能性も指摘されているのですね。
肌の弱い人には少しデメリットになる部分だと思います。
*すべての人が合わないといったワケではありませんし、商品によっては何も感じない場合もあります。
紫外線吸収剤の主な成分
- 2-ハイドロオキシ-ベンゾフェノン
- フェニルベンズイミダゾールスルホン酸
- オクトクリレン
- パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル
- メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
- エチルヘキシルトリアゾン
こういった成分が日焼け止めのパッケージに書かれているかどうか確認すると、紫外線吸収剤が含まれているかどうかわかると思います。
で、先ほど上で紹介した図ですが、
問題なのは波長が290~400nmの紫外線というわけです。
この波長の紫外線を、紫外線吸収剤の成分が防いでくれるというわけです。
そんな紫外線吸収剤を使った日焼け止めの大きなメリットでもある、
これは非常に重要で、スポーツや海水浴をするときにはこの日焼け止めが欠かせないんですね。
そんな日焼け止めはウォータープルーフ(防水)と呼ばれていて、野外で活動が多い人には非常に人気です。
紫外線吸収剤の日焼け止めの方がSPFなども強めで使っていて安心感は高いので、長時間の野外活動などにも向いています。
ぜひ、こちらも日焼け止め選びの参考にしてください。
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日焼け止めの紫外線散乱剤の原理や意味は?
紫外線散乱剤とは、こちらも文字通り
この紫外線散乱剤が含まれている日焼け止めは、肌への浸透の前にこの成分が紫外線を反射する役割を持っています。
ですので、紫外線吸収剤のように激しい化学変化が起らないので、肌へのダメージが少ない成分となっています。
紫外線散乱剤の原理
一方の紫外線散乱剤の原理とメカニズムですが、このように成分が紫外線を反射し肌を守ってくる仕組みです。
紫外線を反射させるので、吸収剤のように成分が壊れていくいわけではなく長持ちしますが、汗で流れやすくこまめな塗りなおしが必要になります。
また紫外線散乱剤は、白色の無機粉末を使用しているので、白浮きしやすいといった見た目のデメリットがあります。
また使用感が悪くベタベタしやすいといったことも多くなるようですね。
UVカットの能力としては紫外線吸収剤の方が優れている傾向で、散乱剤の方がSPFといったUVカットの強さは弱めになりやすい傾向があります。
その分、肌には優しくなりやすいです。
だからSPF50といったような強い日焼け止めには、紫外線吸収剤が使われていることが多くなります。
紫外線散乱剤のメリット
紫外線散乱剤のメリットは、肌へのダメージが少ないことです。
また、紫外線を跳ね返すので成分の変性が起こりにくいため、成分自体の劣化は進みにくくなっています。
紫外線散乱剤のデメリット
紫外線散乱剤のデメリットは、汗で流れやすいということ。
成分としての劣化がなくて長持ちしても、汗で流れていくとやっぱりその部分が紫外線にさらされてしまいます。
だから水に濡れるようなところ、海やプールで泳いだりするときには向いていません。
汗をかくようなスポーツをするときにも向きませんね。
また白浮きしやすく見た目にちょっと悪いし、使用感もベタベタする感じがあり使い心地が悪いです。
紫外線散乱剤の主な成分
こういった成分が日焼け止めのパッケージに書かれているかどうか確認すると、紫外線散乱剤が含まれているかどうかわかると思います。
パッケージには
ノンケミカル
紫外線吸収剤不使用
紫外線吸収剤フリー
などといった表記があると思います。
ただ、酸化チタンや酸化亜鉛の成分が肌に全く影響がないかというと、そうではないといった指摘も多くみられるので、必ずしも肌へのダメージが少ないとも言いにくいかもしれません。
*すべての商品がこの通りとは限りません。
紫外線散乱剤の日焼け止めの方が比較的肌には優しめなので、敏感肌の人や小さな子供向けのものも多いです。
ぜひ、こちらも日焼け止め選びの参考にしてください。
ということで、日焼け止めに含まれる大きな成分の「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」には、このような仕組みや意味があったのですね。
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日焼け止めの役割やビタミンD不足の弊害とは?
日焼け止めの役割は、UVAやUVBといった肌のシミやシワ、たるみにつながる紫外線をカットすることで守ってくれていたわけです。
ただ、そんな日焼け止めの役割が、逆にビタミンDの不足を招くという結果にもつながる危険性があります。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるという働きを持っています。
そしてビタミンDは、血液中のカルシウムを骨へ吸収させるときにも必要となります。
だからこのビタミンDが不足すると、骨粗しょう症といった状態になりやすくこれが問題視されています。
そんなビタミンDは、実は私たちの体でも生成されることがわかっていて、それは日光を浴びることで作られるのです。
このときビタミンDの生成に必要なのはUVBの紫外線です。
でも、日焼け止めによって紫外線がカットされると十分な日光を浴びていないことになり、ビタミンDの生成ができません。
だから日焼け止めや紫外線対策が過剰になりすぎると、このビタミンDの不足が問題となっているわけなんですね。
そのビタミンDは食べ物やサプリからもとることができます。
ただし、食べ物の場合はキノコ類や脂身の魚類以外ではあまり含まれていないので、ちょっと難しいかもしれません。
あまり日焼けをしたくない、長時間浴びるのは嫌だと抵抗のある方はサプリなどで十分補助してください。
ビタミンDの生成に必要な日光を浴びる時間は?
さて、この日光とビタミンDの関係ですが、
というところも知っておきたいですよね。
肌のダメージも気になりますが、やっぱり健康があっての事なので日光を浴びるというのも必要だと感じている方は多いと思います。
その日光を浴びる時間ですが、
これも季節や天候、時間や場所によっても変わりますが、そこまで長時間浴びる必要はないです。
夏場は夕方に散歩でちょっと出かけるくらいです。
冬だとお昼に30分以上は日差しを浴びた方がいいかもしれません。
成人の1日に必要なビタミンD摂取量は最低5.5μg、上限50μgというような数字があるので、サプリでとる場合は目安の数字にしてください。
この季節や時間、気候による紫外線の違いは大きいので、紫外線対策のためにも知っておく必要があります。
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日焼け止めや窓越しではビタミンD生成は不十分
ビタミンDの生成にはUVB(紫外線B波)が必要だと考えられています。
このUVBは肌への影響が大きい紫外線ですが、波長が短いため地上には少ししか届きません。
日焼け止めをしていると紫外線をカットしてくれますが、
SPF30の日焼け止めでビタミンDの生成が5%以下に落ちる
という事も環境省のマニュアルの中に記載があります。
そして窓ガラスを通過することもほとんどできないと考えられています。
窓ガラスを通過してくる紫外線はほとんどUVAの紫外線で、ビタミンDの生成に必要なUVBはほとんど通さないんだとか。
だから窓越しに日光を浴びていても、ビタミンDの生成に関してはあまり意味がなさそうですね。
あとがき
日焼け止めの原理や仕組みはどうなっているのか。
また紫外線吸収剤や散乱剤の役割やその意味。
そして日焼け止めや紫外線対策によるビタミンD不足の問題など、私たちの身近な日焼け止めについてまとめましたがいかがでしたか。
日焼け止めにもいろんなメリットがあるけれど、その成分や過剰な対策でのデメリットの部分も考えていかないといけませんね。
また、そんな紫外線対策ですが、なにも日焼け止めだけではないですよね。
他にも帽子や日傘、サングラスを始めいろんなグッズで対策することができます。
こちらのページでオススメのものをすぐに探し出せるようにしてるので、ぜひ読んでみてください。
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