熱中症で頭痛が起こった場合、油断していると重症化の危険もあります。
というのも実は、熱中症の頭痛はⅡ度(中等症)に分類されており、危険なサインの一つとして環境省のマニュアルにも記載があるのです。
Ⅱ度(中等症)の場合の対処は、
と言われるほどなので、場合によっては医師の診察も必要です。
その油断ならない熱中症の頭痛はなぜ続くのでしょうか?
そこで今回は、
熱中症の頭痛の原因と治し方、薬での対処で治らない理由
また、翌日も寒気や吐き気が続く場合の危険性も含め、熱中症の頭痛で注意しておきたいポイントについてまとめました。
熱中症を引き起こす意外な原因なども触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
熱中症で頭痛が続くのはなぜ?
熱中症というと症状で思い浮かぶのは「脱水症状やめまい、ふらつき」といった体調不良がありますよね。
そんな症状の1つに「熱中症で頭痛が起こる」という不調もあります。
熱中症でなぜ頭痛が起こるか?
その原因は、炎天下での作業などで汗が出すぎて体内の水分や塩分バランスが崩れたり、熱がこもって体温調節機能がおかしくなることで起こると言われています。
具体的なことで言うと
- 大量の汗が流れているのに水分補給していない。
- 高温多湿の場所に長時間いる。
- 室内と室外の急激な温度変化
- 体調不良や持病。
- 激しい運動
- 風のあたらない場所にいる
- 炎天下に長時間いる
こういった時に、熱中症にかかりやすくなると考えられています。
こうなっていると熱中症の危険がありますよね。
体調不良と熱中症の頭痛
その熱中症のかかりやすさを分けるポイントは、
- 汗の出過ぎで塩分と水分が足りない。
- 熱が体にこもってうまく放出されていない。
- 自律神経やホルモンバランスの乱れ。
この3つがよくクローズアップされますね。
水分補給がうまくできていないと水分と塩分のバランスが崩れて、うまく体温調節ができなかったり、体に熱がこもってしまい支障が出ます。
だからこまめに水分補給をしたり、日陰で休んだりして体を大切にしないといけないんですね。
この熱中症の原因としては、水分補給がないことや炎天下で長時間外にいすぎることがよく言われますが、実は体調不良で熱中症にかかりやすくなって頭痛がすることも言われています。
熱中症の頭痛がなぜ体調不良で起こりやすくなるのか?
というと、うまく体温調節をする機能が働かなかったり、疲れなどで抵抗力が衰えてしまうからですね。
高齢者や小さい子供は熱中症にかかりやすいですが、それも大人に比べて体温調節機能がしっかりとしていないことが言われています。
体調不良といっても、風邪とかだけではなく
- 二日酔い
- 寝不足
- バランスの悪い食生活
このようなことも関係するし、高血圧や糖尿病、肥満といったことも、心肺機能や腎機能の低下、自律神経や循環機能に影響を与える薬物を飲んでいる人も、熱中症に陥りやすいので注意が必要とされています。
熱中症の頭痛が続く条件
熱中症で頭痛がなぜ続くのか、その他の原因には、激しい運動や慣れない運動なども原因があります。
要するに体が暑さについていけないわけですね。
たまに6月あたりでも急に暑くなる日がありますが、熱中症で搬送されたというニュースがたまにあります。
と思うかもしれませんが、暑さに慣れていないと急に気温や湿度が上がると起こってしまうことがあるのです。
また、他にも熱中症の条件をまとめた図が環境省のマニュアルにも掲載されています。
環境省:熱中症健康保険マニュアル参照
http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/full.pdf
このようにいろんな条件が重なって熱中症が起こり頭痛にもつながるので、6月あたりから十分注意するようにしましょう。
熱中症と頭痛の症状
なぜ熱中症が起こるのか見てきましたが「頭痛が起こる」というのは、実はその進行具合は
すでに『Ⅱ度(中等症)』の状態になっている。
と考えられています。
環境省の熱中症マニュアルでは、その熱中症の度合いを分かりやすく表にまとめてくれています。
環境省:熱中症健康保険マニュアル参照
http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/full.pdf
実は、熱中症には4つのタイプがあります。
症状が軽い順に
熱失神→熱けいれん→熱疲労→熱射病
このような分類がされていて、まとめて「熱中症」と呼びます。
その違いについてはこちらで詳しくまとめているので、イマイチ違いがわからない人はぜひご覧になって下さい。
Ⅰ度には「めまい・失神・筋肉痛・筋肉の硬直」などがありますが、頭痛をはじめ「吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感」となってくると危険な熱中症の状態だと感じてよさそうです。
このⅡ度の症状は
と言われるほどで、さきほどの「熱疲労」にあたります。
しっかりと水分補給をしたり、日陰で休んだりするようにして体を休めることが大切です。
そして、頭痛が治らないようなら迷わず病院受診しましょう。
熱中症の頭痛の治し方!薬の対処では治らない
熱中症で頭痛が起こることは十分に考えられるし、実はその重症度はⅡ度に入るほど重いこともわかりました。
その熱中症の頭痛の治し方ですが、薬で少しでも痛みを和らげたいという思いはありますよね。
ただし熱中症の頭痛の場合は、薬の対処では根本的な解決にはなっていないと言われています。
というのも、熱中症の頭痛がなぜ起こるのかは先ほども言ったように、
- 熱が体にこもる
- 脱水症状のため水分や塩分が不足している
ですよね。
しっかりと水分補給し涼しいところで体を休めるというのが、熱中症の頭痛の治し方として根本的な解決方法となります。
熱中症による頭痛の症状
風邪とかだと風邪薬を飲んで様子を見るといったこともできますが、
なかなか判断がつかないこともありますよね。
わかりやすいところで風邪などの場合はくしゃみや咳が出ることがありますが、熱中症の場合はこんな症状は出ません。
風邪の咳やクシャミはウイルスを排出しようといった体の防御反応なので、熱中症とは関係ありませんね。
また、熱中症の頭痛が出ているということはⅠ度の症状である
もしくは、Ⅱ度の症状の
こういった体調不良が出ていないか見ておくと、わかりやすいのではないでしょうか。
翌日まで頭痛が続いたり、寒気がしたりする場合は危険なので、病院に行って診察をしてもらうことも必要になります。
熱中症の頭痛の処置はどうする?
熱中症が原因の頭痛の場合、
これが大切になってくるわけですが、体は熱疲労の状態になっているため体を冷やす必要があります。
その熱を冷やすことで外に放出させてあげないといけません。
また、スポーツドリンクなど「塩分と水分のバランスの取れた飲み物」で水分補給し体を整えましょう。
その熱中症の頭痛も含めた対処の仕方には、環境省が作成しているマニュアルにもフローチャートがあります。
環境省:熱中症健康保険マニュアル参照
http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/full.pdf
このフローチャートは主に周りの人への対処法となりますが、例えばあなたのお子さんが「頭が痛い」と言ってきたときなど、一つの指標となります。
熱中症が起こりそうなことをしてしまった後、頭痛が発生したらまずは「意識の確認」をすることです。
ここでろれつが回らなかったり、しっかりとした意識がない場合は迷わず救急搬送になります。
意識があってもなくても、まずは涼しい場所に移って服を緩め通気性をよくし、体を冷やすことが大切です。
体を冷やすには、濡らしたタオルを首回りや脇下、足の付根に当てて冷やすことが効果的です。
意識があって吐き気などなく自分で水分補給できる場合は、しっかりとスポーツドリンクなどで塩分バランスの取れた水分補給をしましょう。
熱中症の頭痛が翌日まで続くケース
家に帰ってからしばらくして頭痛がするといったことも多いようです。
また、これが2~3日、長くなると1週間続く場合もあったりするので、おかしいと感じたらすぐに病院に行って処置してもらうことが大切になります。
少しフラフラするといったことを経験した後、少し休んで同じように炎天下で行動するようなことを繰り返していると、熱が体にこもりうまく放出されず熱中症になることもあるようです。
また、睡眠や栄養のある食事をしっかりとれていないと、体が回復しないままでくり返しとなるので、熱中症の頭痛が翌日以降も続く危険性も増してしまいます。
熱中症予防の食べ物や飲み物も、この季節にあった栄養のあるものがたくさんあります。
夏バテなどにもオススメの食事をこちらの記事でまとめました。
ぜひこちらもご覧になって下さいね。
あとがき
熱中症で頭痛はなぜ続くのか。
また熱中症の頭痛の治し方や薬の対処で治らない理由はどうしてなのか。
翌日も寒気や吐き気が続く場合の危険性も含め、熱中症の頭痛の原因や対策についてまとめましたがいかがでしたか。
熱中症と頭痛の原因を考えると、頭痛症状が現れるときは中等症の熱疲労となるので、あまり軽く見ずにしっかりと休息をとるようにしたいですね。
また、熱中症の頭痛が起こるⅡ度(中等症)には
このような熱疲労の症状があります。
特に「吐き気や嘔吐」といった症状も出やすく危険なので、吐き気や嘔吐の対処方法もこちらのページでぜひ確認しておいてください。
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