熱中症で吐き気や嘔吐が起こった場合、油断していると重症化の危険もあります。
というのも実は、熱中症の吐き気や嘔吐はⅡ度(中等症)に分類されており、危険なサインの一つとして環境省のマニュアルにも記載があるのです。
Ⅱ度(中等症)の場合の対処は、「病院への搬送を必要とする中等症」と言われるほどなので、場合によっては医師の診察も必要です。
今回はその原因と対処の方法、そして食事や水分補給について注意しておきたいポイントをまとめました。
熱中症を引き起こす意外な原因もあるので、ぜひ最後までご覧ください。
熱中症の吐き気や嘔吐の原因とは?
熱中症の症状というと「めまいやふらつき、脱水症状」といったものが目立ちますが、中には「吐き気や嘔吐」といった症状が起きる場合もあります。
ただ、嘔吐することまでは無かったので、重症まではいきませんでしたね。
熱中症で吐き気や嘔吐が起こる原因は、炎天下での作業などで汗が出すぎて体内の水分や塩分バランスが崩れたり、熱がこもって体温調節機能がおかしくなると起こると言われています。
具体的なことで言うと
- 大量の汗が流れているのに水分補給していない。
- 高温多湿の場所に長時間いる。
- 室内と室外の急激な温度変化
- 体調不良や持病。
- 激しい運動
- 風のあたらない場所にいる
- 炎天下に長時間いる
こういったことが熱中症につながりやすいと考えられています。
熱中症の原因となる体調不良や持病
熱中症の原因は先ほどの具体例にもあるように、環境や行動によって引き起こされるものですが、体調不良や持病がある人は熱中症にかかりやすいと言われています。
高齢者が熱中症にかかりやすいのは、成人に比べて体温調節機能の低下や持病も原因の一つと考えられています。
体調不良といっても風邪など病気にかかっているという理由だけでなく、
- 糖尿病などの持病
- 肥満
- 二日酔い
- 寝不足
- 乱れた食生活
- 運動不足(暑さに慣れていない)
このような生活習慣の乱れも影響することが指摘されています。
と感じる人もいると思いますが、実は急激な発汗が起こったりすると体温調節がついていけなくなることも言われています。
だから意外と「5月や6月の早い時期」にも熱中症は起こりやすくなっています。
たまに6月あたりでも急に暑くなる日がありますが、熱中症で搬送されたというニュースがあります。
と思うかもしれませんが、暑さに慣れていないと
ということがあるのです。
また、他にも熱中症の条件をまとめた図が環境省のマニュアルにも掲載されています。
環境省:熱中症健康保険マニュアル参照
http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/full.pdf
このようにいろんな条件が重なって熱中症が起こるので、6月頃から熱中症に対処できるよう十分注意しましょう。
熱中症と吐き気や嘔吐の症状
その熱中症には「吐き気や嘔吐」の他にも
こういった症状があります。
ただ、これらはまだ「初期症状のⅠ度」に分類される症状で、
「中等症のⅡ度」には
こういった症状が現れます。
さらに熱中症が進んでしまうと、
こういった「重症のⅢ度」にまで陥ってしまう可能性があって、こうなると入院などの対処が必要になるレベルなんですね。
環境省の熱中症マニュアルでは、その熱中症の度合いを分かりやすく表にまとめてくれています。
環境省:熱中症健康保険マニュアル参照
http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/full.pdf
Ⅱ度の「頭痛・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感」となってくるとけっこう危険な状態だと感じます。
このⅡ度の症状は『病院への搬送を必要とする中等症』と言われるほどなので、吐き気がする程度と思って軽く見ない方が良いでしょう。
そして、吐き気や嘔吐がひどいようなら迷わず病院受診しましょう。
熱中症の吐き気や嘔吐の対処は?
熱中症の吐き気や嘔吐症状は「中等症のⅡ度」となっていて、「熱疲労」のためだと分類されていますね。
この熱疲労ですが、
- 水分と塩分が不足することによる脱水症状
- 重要臓器(脳など)や内臓への血流減少
このような説明が環境省の熱中症マニュアルにも記載があります。
脱水症状は汗をたくさんかいているのに、水分と塩分がしっかりと補給されないために起こります。
だからスポーツドリンクやOS-1などの経口補水液で水分補給する対処が必要です。
このときに水分だけだと、汗と一緒に失われた塩分が補給できないので、電解質のバランスが崩れ、けいれんやこむら返りなどが起こる可能性に繋がってしまいます。
また、2番目は仕事や運動のために筋肉への血液の供給が増え、心臓に戻る血液が少なくなってしまうことが原因なので、しっかりと涼しいところに移って体を冷やし休めることが大切になってきます。
だから、熱中症で吐き気や嘔吐がある時の対処法は、
これが大切なんですね。
熱中症の吐き気や嘔吐で水分補給ができない場合
熱中症の対処には「水分補給が大切」というけれど、吐き気や嘔吐があると自分で水分補給ができない、飲む気になれないといったケースがあります。
困ってしまいますが、まずは「体を冷やすことが先決」
水分補給ができなくても体を冷やす対処はできると思います。
体の冷やし方についてですが、まずは涼しい場所に移って服を緩め通気性をよくしましょう。
体を冷やすには濡らしたタオルを首回りや脇下、足の付根に当てて冷やすことが効果的です。
このようにすると血流が多い所を効果的に冷やすことができるので、覚えておきたいポイントですね。
また、環境省の熱中症マニュアルにも記載があり、
「呼び掛けや刺激に対する反応がおかしい」
「応えない(意識障害がある)」時には誤って水分が気道に流れ込む可能性があります。
また「吐き気を訴える」ないし「吐く」という症状は、すでに胃腸の動きが鈍っている証拠です。
これらの場合には、経口で水分を入れるのは禁物で病院での点滴が必要です。
環境省:熱中症健康保険マニュアル参照
http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/full.pdf
このようにあります。
だから水分補給は大切だけど、飲めない場合は無理して飲まずに体を冷やすことを優先し、病院で処置してもらうなどが必要になってくるということですね。
熱中症で吐き気や嘔吐がある時の食事は?
熱中症にかかって吐き気や嘔吐がある時は、先ほども触れたように水分補給もしんどい場合は無理にする事は避けるとなっていますよね。
水分補給もしんどいのに、食事をとるということはないですよね。
だから食事も体が回復してからになると思います。
汗によって体の中の水分や血液量が減ることで、胃の働きが弱くなるケースも考えられます。
そのため下痢や腹痛なども熱中症では起こりますが、食事ができないと栄養もうまく取れないため、病院で点滴をしてもらうことも多いですね。
熱中症の吐き気や嘔吐がおさまった後の食事
熱中症の吐き気や嘔吐がおさまって食事がとれそうでも、少しずつあっさりとした食べやすい物から食事していきましょう。
水分と塩分が補給できて消化も楽なので、体にも優しく回復させるためには良いと思います。
脂っこい肉類やたくさんの量を食べることは止めておきましょう。
食欲もわいて食べれるようになったら、しっかりと栄養のあるものを食べましょう。
そうめんや冷やし中華なども良いですが、炭水化物ばかりだとバランスが悪くなるので、夏バテしないような疲労回復ができる食べ物が良いですね。
豚肉や梅干しなどは夏バテにもピッタリの食べ物だったり、夏野菜は体を冷やしてくれたりなど旬のものもおいしいので、どんな食べ物があるのかチェックしておいてください。
あとがき
熱中症の吐き気や嘔吐の原因とは何なのか。
また、その対処法と食事についてまとめましたがいかがでしたか。
熱中症と吐き気や嘔吐の関係を考えると、この症状が現れるときは中等症の熱疲労となるので、あまり軽く見ずにしっかりと対処したいですね。
また、熱中症の吐き気や嘔吐が起こるⅡ度(中等症)には他にも
このような熱疲労の症状があります。
吐き気や嘔吐以外にも気を付けたい症状なので、無理はしないようにしましょう。
もし頭痛を感じるようなら、こちらのページもぜひ参考にしてください。
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