節分では「豆まき」をする風習がありますよね。
その豆まきをした後は「豆を食べる」といった風習もあり、この時
歳の数だけ豆を食べる
というように決まっていますが、この豆を食べる数が自分の年の数というのはいったいどういう意味があるのか?
ちょっと気になりますよね。

豆まきに関していろいろと知らないことも多いと思います。
そこで今回は、
節分で豆を食べる数が歳の数である意味は何なのか。
また、豆まきの由来や豆入れの枡の意味など、節分の豆まきの歴史的な部分をまとめました。
節分で豆を食べる数が歳の数の意味は?
節分では豆まきがありますよね。
豆まきの時は鬼役のお父さんに子供が豆をぶつけ、退治するといったような光景が思い浮かびます。

ここでいう鬼とは「邪気」のことで、目に見えない災いや病気、不幸といった事を鬼という形にしたわけです。
そして、その鬼を追い払う豆には邪気を払う力が備わっていて、鬼を退治することができると考えられていたんです。
この節分の由来や意味についてはあとで詳しく解説するとして、この豆まきが終わったら締めとして豆を食べますよね。
その豆を食べる数は何個食べるのか覚えていますか?
だいたいは知っている方が多いと思いますが、

このように言われています。
ただ、地方によっては
このように聞いている方も多いのではないでしょうか。
じゃあ、これはいったいどちらが正解なのかというと、どちらも正解のようです。
というのも、もともと節分では豆は歳の数だけ食べられていました。
でも、その年齢の数え方というのが「数え年での数え方」なんですね。

今のように、誕生日が来たら1歳年を取るという考えではなかったのです。
ですので現代で豆を食べる数は、
- 数え年の考えから満年齢+1個
- 元々の風習のように年齢の分だけ食べる
といったように分かれているんです。
だから、どちらでも構いません。
節分で食べる豆と歳の数
豆まきの後には豆を食べますが、この豆を「福豆」と呼んでいます。
どうしてこの福豆を食べるのかというと、豆には邪気を払う力が備わっているという由来があって豆まきが行われたのですね。
その福豆を食べることで体から邪気を追い出し、幸福や健康を取り入れようという考えがあったからなんですね。
じゃあ、

ということなんですが、これは古事記などの日本神話で、
着物を捨てると罪や穢れが落ち、さらにその着物を誰かが拾って着ると福徳になる。
という話があるそうです。
この思想が宮中にも広まり、天皇が自分の歳の数の豆を捨てて、家臣がそれを拾って厄除けするという習慣が生まれました。
それが次第に一般民衆にも広がり、節分で年齢の数だけ豆を食べるという習俗が生まれたと言われています。
豆まきの豆の種類
この豆まきですが、あなたの家ではどんな種類の豆を用意するでしょうか。

あの豆は煎った大豆で、スーパーなどでも節分の時期によく見かけます。
でも、実は地域によって大豆ではないこともあるんですね。
私は関西生まれなので、豆まきの豆って「大豆」かと思っていましたが、実は「落花生」を使う地域もあるようなんです。
それは北海道や東北を中心とした地域なんですが、それには納得の理由があったんですね。

こちらも地域によっての特色があって面白いので、ぜひ読んでみてください。
節分の豆まきの由来や意味とは?
節分の日には豆まきや恵方巻きが欠かせませんよね。
この節分の豆まきの由来ですが、その起源は中国から伝わったもので、平安時代に行われた
という、「悪鬼を追い払う儀式」に由来していると言われています。
この追儺は、大晦日(旧暦12月30日)の宮中の年中行事として行われていたようです。
この追儺の儀は、方相氏(ほうそうし)と呼ばれる鬼を払う役目の役人と、脇に仕えるシンシと呼ばれる役人が、大内裏の中を掛け声をかけつつ回ったとされています。
そのような儀式を再現した節分の催し物が、平安神宮でも行われているようですね。
平安神宮節分「大儺之儀」
この儀式はもともとは宮中で行われていたものですが、室町時代から鬼を追い払うための儀式というように変わっていき、一般にも広がっていったと言われています。
豆まきとして広がった由来にはいくつかあり、
- 米や豆などの穀物には邪気を祓う力がそなわっていた。
- 鞍馬山の鬼が京都を荒らした時に、毘沙門天のお告げによって炒り豆(大豆)を投げて鬼の目を潰した。
- 豆は「魔目:鬼(魔)の目に投げつける。」「魔滅:魔を滅する力がある」と考えられていた。
大豆は五穀(米・麦・粟・豆・きび)の一つで、昔から神事でも多く使われてきました。
このようなことが起源となって、今のような豆まきの形として残っていったと考えられています。
節分の豆まきに使う大豆を煎る理由
節分の豆まきで使う豆は、商品名に「煎り豆(煎豆)」と書かれて、カサカサのものが販売されていますよね。
この大豆はきちんと煎ったものを使わなければならないんです。
というのも、生の大豆の場合は外に投げたらきちんと拾っておかないと、豆から芽が出て縁起が悪いとされているからです。
芽が出ることは「災いの目が出る」ということにつながると信じられているんですね。
そして、大豆を「煎(い)る」これは
つまり、「鬼」を「射る」ということにも掛かっています。
また「陰陽五行説」では豆や鬼は「金」にあたります。
その「金」に勝つのは「火」なので、鬼をやっつけるために豆を「火」で煎って豆まきしたとも言われています。
さらに言うと、本来はお祓いした豆を使うそうですが、現代でさすがにそこまではといった感じですね。
豆まきの由来と鬼の意味
豆まきには、「豆」と「鬼」が重要なキーワードになってきますが、ここで言われる「鬼」というのは、
このことを指しています。
昔は「 姿の見えないもの」「人の力ではどうにもできないもの」「邪悪なもの」のことを
「陰(おん)」や「隠(おぬ)」
というように呼んでいました。
これが「鬼(おに)」の語源と言われています。

これが陰陽道の思想が加わって、赤鬼や青鬼のような姿格好の鬼が生まれたようなんですね。
このような節分の豆まきというのは、

このスタイルがよく思い浮かぶと思います。
でも本来の節分の行事は、こんなスタイルとはかけ離れた豆まきのやり方なんですね。

本来の節分ではお父さんは主役になるはずなので、ぜひこちらで節分のスタイルを見直してみましょう。
節分の豆入れの枡の意味は?
節分の豆まきの豆は「枡」に入れて使うのをよく見ると思います。
ただ、家に常備しているかというとちょっと難しいかもしれません。
この豆まきで使う枡は、本来は体積を量る道具です。
計量カップみたいな役目ですね。
その枡の体積の感覚は今も強く残っていて、
お米は1合、2合
お酒は1升、2升
お酒の瓶は「1升瓶」とか言いますよね。
日本の歴史と枡は深いつながりがありますが、そんな枡はお米の量を量ったりする道具だったので、
という意味を持っていると言われています。
また、枡(マス)と読むことから、
「増す」
「益す」
などのように「商売が繁盛する」「利益が増す」「益々繁盛する」などと音がかけられて縁起のいいものとして扱われたとも言われています。
ですので、この節分の豆まきも邪気を払う厄払いの意味とともに、
「今年1年健康で、仕事もうまくいきますように!」
との願いが込められています。
そういうこともあって、豆まきの豆を枡に入れて節分の行事が行われていたとも言われていますね。
節分の豆まきの枡を折り紙で作る
そんな節分の豆まきの枡ですが、まあなかなか普段から備えている家ばかりではないですよね。
ということで、子供とも一緒に作れる
というのがあります。
どんな作り方をすればいいのか、その折り紙の枡の作り方が動画にもありました。
【折り紙「豆入れ箱(枡)」折り方】
まあ、そんなに難しいものでもないので、動画を見ながら折ってもらうとすぐに出来上がると思います。
お子さんと一緒に作るのも楽しいですね。
折り紙で豆まき用の枡を作る場合は、こんな感じでやってみてください。
あとがき
節分で豆を食べる数が歳の数である意味は何なのか。
また、豆まきの由来や豆入れの枡の意味など、節分の豆まきの歴史的な部分をまとめましたがいかがでしたか。
節分で行われる豆まきには、大きな歴史や意味が込められていたのですね。
節分の日には豆まき恵方巻きなど特別な催し物が目白押しですが、豆まきや恵方巻きって何のためにあるのか意味ややり方も気になりませんか?
今年の恵方巻きの方角とか豆まきで食べる豆の数とか?
そんな節分に関する豆知識についてまとめました。
楽しい節分にするためにも、ぜひ気になる記事をご覧になってください。
さて、この節分の行事と言えば豆まきですが、もう一つ欠かせないのは

ではないでしょうか。
実は、この恵方巻きという名前で私たちの家庭に出回ったのは、1998年となっています。
そしてそんなキッカケを作ったのは、大手コンビニチェーンのセブンイレブンでした。
ただ、ここに至るまでの道のりには、各地で様々な動きがあったのですね。
その恵方巻きの由来や、現在に至るセブンイレブンの仕掛けについて別の記事でまとめました。
参考ページ恵方巻きの由来や起源はセブンイレブン?いつから流行った?発祥の歴史
恵方巻きの起源やどのようにして全国レベルにまで浸透したのか、その様子を知りたい方は、ぜひご覧になってください。
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