門松が左右2つの種類で材料に竹を3本使う飾り方や並びの意味とは?
お正月 2018.10.20

正月に門松って、最近の一般家庭ではあまり見ないですよね。
住宅事情とか経済的なこともありますが、門松は神様をお迎えするのに必要な正月飾りなのです。
あの門松の中で印象的な形って「竹」が立っている姿が思い浮かびますが、門松が左右2つの種類で、材料に竹を3本使う意味って何なのか?
今回は、そんな門松の飾り方や並びの意味、そして竹の切り口や現在の門松事情なども含めてまとめました。
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門松に左右2つの種類があるのはどうして?
門松と言うと玄関に飾って、左右2つの門松が置いてある姿を思い浮かべますよね。
門松って何故、左右2つの種類が置かれるのでしょうか?
そもそも門松というのは、正月に訪れる歳神様を迎えるための目印として飾られます。
お正月には歳神様が家にやってきて、今年一年の健康や一家の繁栄をもたらしてくれる神様なんですね。
その神様を出迎えるために門松を用意するのですが、実は門松には
このような2種類があって、向かって左側が雄松で右が雌松です。
雄松と雌松の違いや見分け方
雄松と雌松の違いは何なのか、その見分け方ですが、
[st-mybox title=”雄松(別名:黒松)” fontawesome=”” color=”#4FC3F7″ bordercolor=”#4FC3F7″ bgcolor=”#E1F5FE” borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold”]
樹皮が黒っぽい
葉が太く、長く、固い
白い葉牡丹
[/st-mybox]
[st-mybox title=”雌松(別名:赤松)” fontawesome=”” color=”#ef5350″ bordercolor=”#ef5350″ bgcolor=”#ffebee” borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold”]
樹皮が赤っぽい
葉が細く、短く、柔らかい
紅い葉牡丹
[/st-mybox]
このような違いがあります。
ただ、今では左右2種類用意せずに両方とも黒松であったり、1本だけしか用意しない場合もあります。
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門松の材料に竹を3本使う意味とは?
門松って材料に竹を3本使いますよね。
実は、この3本の竹にも意味があるんですね。
竹の長さは7:5:3の比率で切りそろえます。これは「2で割れない」という縁起を担いでのものだそうです。(割り切れない数は縁起がいい)
また門松の裾に荒縄を巻きますが、「下7回、中5回、上3回」という回数が決まっており、それぞれ
男性:1番長い竹と7回巻いた荒縄
女性:1番短い竹と3回巻いた荒縄
という意味があり、真ん中の竹と5回巻いた荒縄は「仲を取り持つ」という意味があります。
門松はどうして竹を使うの?

門松って名前に松が入ってるのに、どうして竹が真ん中にバーンと立っているんでしょう。
でも、よく見ると竹の根元の方から松が飾られているのがわかると思います。
やはり門松の本体は松にあって、松を使うのは「祀る(まつる)」「神様を待つ」という意味をかけているからと考えられています。
また平安時代には、野に出て小松を引き抜いて遊んだ行事を「小松引き」といい、それが転じて門松にも使われるようになったとも言われています。
実は、門松は「松竹梅」という、それぞれ縁起の良いものが集まり門松となっていて、それぞれについて意味があるんですね。
松:1年中葉を落とさない(永遠の命)ので、神様が宿る。
竹:風に強くまっすぐとに育ち、成長も早い(生命力・繁栄)
梅:1年で最初に花が咲き実がなる、紅白の花が咲き縁起が良い。
でも松竹梅って、お弁当とか旅行先の部屋のランクとかを松竹梅で表してることってあるじゃないですか。
あれは「松>竹>梅」みたいな優劣をつけられてますが、本来はこの3つは同等でどれが上とか下とかはありません。
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門松の飾り方や並びの意味は?
門松の飾り方って、玄関の両脇に置くだけでいいんじゃないの?
と思いますが、実は置き方にも2種類あるようですね。
それが内飾りと外飾りです。
玄関の内側外側に置くとか、そういう飾り方とかではなくて、
門松の2番目に高い竹の向きが、内側を向いているか外側を向いているか。
ここが置き方のポイントでそれぞれに意味があるんですね。
門松の外飾り(出飾り・外こぼれ)
門松は3本の竹がついていますが、2番目に高い竹が、左右両方とも「外側」に向いている置き方が外飾りです。
外飾りは「内にある災いを外に出す」という意味があって、一般家庭で子供が早く嫁ぐ、一人前になるようにと願いを込めた飾り方です。
病院では「患者が入ってこない、入院患者が早く退院できるように」と言う願いを込めて飾られる置き方だそうです。
門松の内飾り(迎え飾り・内こぼれ)
外飾りと反対で2番目に高い竹が、左右両方とも「内側」に向いている置き方が内飾りです。
内飾りは「家の中に福を呼び込む」という意味があって、お客様がたくさん来るようにと商売繁盛の意味で、よく商家で飾られる置き方です。
お嫁さんや子供が早く内に来る縁起の意味で置かれる場合もあります。
門松は1つだけでも大丈夫?
このように左右に1つずつ置きますが、門松は1つだけでも大丈夫なようです。
というのも、江戸時代以前はもともと門松は一つだけを庭に飾るスタイルだったようです。
これも左右どちらに置いても良いようなので、こういう置き方もあるのを覚えておくと良いんじゃないでしょうか。
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門松の竹の切り口について
門松には3本の竹が飾られますが、それぞれの意味も説明しました。
そんな竹の上の部分に切り込みが入っているタイプと、そうでないタイプがあるのをご存知でしょうか。
実は、門松の切り口には、
- 斜めに切り口がある「そぎ」
- 水平に切り口がある「寸胴(ずんどう)」
この2種類があります。
門松の切り口:そぎ

斜めに切り口のある竹は「そぎ」と呼ばれ、そいだ切り方になっています。
この「そぎ」は徳川家康が流行させたと言われています。
これは家康が「三方ケ原の戦い」で武田信玄に敗れた時
と言い門松の竹を斜めに切ったことから、関東では「そぎ」が流行しました。
他にも竹を斜めに切ると、切り口が笑っているように見えることから「笑う門には福来る」という意味で縁起が良いとも言われています。
門松の切り口:寸胴

本来の門松では寸胴での切り方がメインで、竹は節で真横に切った切り口でした。
「節がしっかり詰まっている」=「お金がたくさん詰まる」と言葉をかけて、金融機関などは寸胴の門松がよく使われます。
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門松を飾る意味や由来と最近の門松事情
さて、ここまで門松について触れてきましたが、門松の由来は中国の宋代に「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」と言われる、松竹梅の題材になった絵が好まれたことにあります。
それが平安時代の日本に伝わって、おめでたいものとして「松竹梅」が伝わり、門松というものが誕生したと考えられています。
そんな門松の意味は、お正月にやってくる神様が迷わないようにする目印なんですね。
「神様を迎える準備ができてますよー!」っていうサインなんです。
その目印の門松を見つけると家の中に入ってきてくれますが、門松がないと、
「あの家はまだ準備ができてないのかなー、入っていいのかなー」
なんてことになってお迎えできないかもしれません。
以前わたしが働いてた介護施設では、入口の前に立派な門松を用意していましたが、かなり目立ってましたね。
やっぱりあるのと無いのとでは違うと思います。
まずイメージするような門松はとても大きくて立派なものだから、マンションとかでは到底置くことは出来ませんし準備も大変です。
圧倒的な存在感があるので「ザ・正月」って感じがしますが、準備も片付けも面倒なんです。
だから最近では門松を置かない家も多いし、身近では大きなお店とかで見たりするくらいじゃないでしょうか。
そういう事もあって、玄関の所にミニチュアサイズの門松なんかを置く家も多いですよね。

また、松を一本だけ用意して、それを玄関付近に貼り付けるなんて言う「略式門松」もあるようです。
門松を折り紙で作るなんて言うのもありますね。
【折り紙 門松の作り方 Origami Kadomatsu instructions】
これは結構本格的な門松の折り紙ですが、もっと簡単に折れる門松の作り方もあるので、いろいろ作りやすそうなものを探してみましょう。
あとがき
門松が左右2つの種類で、材料に竹を使う意味って何なのか?
門松の飾り方や置き方にも意味があったり、切り口もよく見たら違いがあるんですね。
てっきり「そぎ」の竹しか無いものだと思ってましたが、よく見るといろんな所で違いが見られますね。
今では門松もあまり見なくなりましたが、神様をお迎えするという気持ちがあれば、100均の門松でも折り紙で作った門松でもお迎えできると思います。
そんな正月を迎えるにあたって正月飾りやお年玉の準備などいろいろ忙しくなると思います。
正月は飾りやお年玉などでいろいろと悩みもありますよね。
楽しく正しいお正月を迎えるために知っておきたいマメ知識やマナーなど、たくさんの記事をこちらでまとめています。
正月飾りの意味や出す時期、関東と関西の文化の違いやお年玉の相場など、面白い話もたくさんあるのでぜひ気になるページを読んでみてください!
さて、そんな門松もお正月が終わればお片付け!
神社や河川敷では「どんど焼き」なる炊き上げなどもやってます。
でも、これだけ大変な思いをして準備した門松を処分しないといけないのはもったいない!
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