インフルエンザで最も気を付けたいのは「飛沫感染」と言われることが多いです。
でも
「接触感染」や「空気感染」
も見過ごすことはできません。
そして、どの感染経路においても「感染者と免疫のない人」、つまり私たち全員が高い意識を持って予防しないと、あっという間に流行する危険があるのがインフルエンザです。
『感染者』は、大切な家族や友達にうつさないために何をすればいいのか。
『免疫のない人』は、他人からうつされないためにどんな予防をすればいいのか。
どちらも大切ですよね。
そこで今回は、インフルエンザの主な感染経路である
- 空気感染
- 飛沫感染
- 接触感染
この3つの感染経路での特徴や注意点、予防対策のポイントと一緒にまとめました。
インフルエンザの流行時期に「何に注目すべきなのか」、たくさんのヒントがあると思うので、ぜひ最後までご覧ください。
インフルエンザの空気感染って何なの?
インフルエンザがどうやって感染するのか、その感染経路には主に3つの場合が考えられています。
その3つの感染経路というのが
- 空気感染
- 飛沫感染
- 接触感染
それぞれ条件があって人に感染してくるのですが、一つずつ詳しく見ていきましょう。
インフルエンザ空気感染の特徴
空気感染は、空気中に漂うインフルエンザウイルスが体内に侵入することを言います。
空気感染の流れですが、インフルエンザに感染した人がクシャミや咳をしたとき、水分と一緒にウイルスも飛んでいきます。
しばらくするとその水分が蒸発して、「飛沫核」と呼ばれるすごく小さな粒子(0.005mm以下)が残ります。
「飛沫核」はすごく軽いので、それによってインフルエンザウイルスが運ばれ、5mや10mといった距離でも届くと言われています。
そしてこれを吸い込んでしまい感染することを「空気感染」と呼んでいるのですね。
また、この空気感染の様式を「飛沫核感染」とも呼びます。
*飛沫感染との違いは、病原体を覆う水滴の大きさによって分類されています。
日本の季節性インフルエンザウイルスは冬場の乾燥した時期を好みますが、具体的に
こんな環境で活動が活発になります。
インフルエンザ空気感染の予防対策
外での空気感染を防ぐにはマスクが必要ですが、部屋の中でいる場合は
- 乾燥した空気
- 温かい室温
これを意識するとウイルスの活動が弱まります。
具体的には、
室温20℃付近
湿度が50%以上
こう言った部屋の条件にすると活動が抑えられます。
ただし、あまり湿度を上げすぎるとカビや結露、ダニの温床になるのであまり上げすぎないことが条件です。
また、この飛沫核は空気中に長時間漂っているので、定期的に換気をすることが大切になってきます。
インフルエンザは空気感染しないといった声もありますが、厚生労働省が発表した「新型インフルエンザ対策ガイドライン」では、
空気感染の可能性は否定できないものの一般的に起きるとする科学的根拠はないため、事業所等においては空気感染を想定した対策よりもむしろ、飛沫感染と接触感染を想定した対策を確実に講ずることが必要であると考えられる。
参照:厚生労働省「事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン」p.96
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/090217keikaku-08.pdf
このように言われています。
ようするに「よくわからない」と言ってるようなものだと思いますが、
用心することに越したことはないよ。
ということですね。
広い公園などではあまり気にする必要はないかもしれませんが、換気をしない密室などでは空気感染の可能性も考えた方が良いですね。
インフルエンザの飛沫感染って何なの?
インフルエンザの感染は
「飛沫感染」
これが最も注意すべき感染経路だと言われることが多いです。
インフルエンザに感染した人から出る「クシャミ」や「咳」にはウイルスがたくさん含まれています。
それを吸い込んでしまうことで感染するのが「飛沫感染」です。
咳やクシャミの飛沫で1~2mは飛ぶため、その範囲にいると感染の確率が上がってしまいます。
インフルエンザ飛沫感染の予防対策
飛沫感染の予防は、インフルエンザにかかっている人が特に気を付けないといけません。
インフルエンザの感染者のクシャミや咳で周りに被害が及ぶので、
マスクをして周りにまき散らさない。
ということが大切になります。
厚生労働省のページにも、飛沫感染の予防対策について書かれています。
(1) 普段から皆が咳エチケットを心がけ、咳やくしゃみを他の人に向けて発しないこと
(2) 咳やくしゃみが出るときはできるだけマスクをすること。
とっさの咳やくしゃみの際にマスクがない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を覆い、顔を他の人に向けないこと
(3) 鼻汁・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗うこと
これらを守ることを心がけてください。
飛沫感染対策ではマスクは重要です。
特に感染者がマスクをする方が、感染の拡散を抑える効果は高いと言われています。
出典:厚生労働省インフルエンザQ&Aより
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
飛沫感染の原因は「感染者のクシャミや咳」なので、人ごみだとその可能性が格段に上がってしまいます。
特に、電車内のような密閉された空間でたくさんの人がいるような場所は、とにかく危険が多くなります。
絶対にマスクは忘れないようにしましょう。
ただ、その一方でマスクがインフルエンザの飛沫感染を防ぐことに関しては、実は科学的根拠はないと言われています。
でも、直接浴びるより少しは防げると思いますし、口や鼻の中の湿度を保ち乾燥を防ぐ効果はあります。
また、この時期はインフルエンザだけではないですよね。
ノロウイルスや風邪など、他にも流行する病気があるのでマスクをすることの意味は高いです。
インフルエンザの接触感染って何なの?
接触感染とはインフルエンザウイルスが付いた物に触れ、その手で鼻や口をこすったりして体内に入る感染経路を言います。
ドアノブ、電車のつり革、エスカレーターなどの手すり、買い物かごなど公共のものが多いほか、食べ物にウイルスが付着していたなんてことも。
インフルエンザの接触感染は、手についただけでは感染せず、ウイルスが着いた手で目や鼻をこすったり、口に含んだりして体内に侵入し感染します。
だから、マスクや手袋をしていても、そこにウイルスがついていて口や鼻に入れば感染してしまいます。
外食先の共有物(ソース、醤油、紅ショウガなど)も可能性があるし、総菜コーナーの取り分けとか、回転ずしとか気にしだしたら止まらないのが接触感染です。
でも、2017年にO-157がポテトサラダで感染拡大した事件もありましたよね。
線引きが難しいですが、気にしすぎると生活に支障が出てしまいます。
インフルエンザ接触感染の予防対策
接触感染も基本的には
- マスクをする
- 手洗いやうがい
- 食べ物は加熱
- 野菜はきちんと洗う
このようなことが大切です。
公共のものに触った後は特に注意ですね。
接触感染では手に付着したウイルスが、口や鼻に入り感染することが多いので、手洗いは欠かせません。
手洗いは必ず石鹸を使い、しっかりと洗い流すことが大切です。
手洗いで付着したウイルスを除去し感染リスクを下げる効果があります。
また、外食先などではアルコールを置いてくれているお店もありますよね。
インフルエンザウイルスは、60~80%の濃度のアルコール製剤を使うことで死滅します。
だから家の掃除をする際に、手すりやトイレなどアルコール消毒することも効果的です。
インフルエンザウイルスの寿命
インフルエンザウイルスがついている物に触れて、鼻や口に入り感染するのが接触感染です。
そこで気になるのは、
- インフルエンザウイルスは、ずっと物に付着しているのか?
- ウイルスは死なないのか。
こういった疑問がありますよね。
実は、インフルエンザウイルスが物に付着している間、活動環境が整っていれば24~48時間ほどは生存(活動)をしていると考えられています。
長い活動時間があるので、放っておいていい相手ではありませんね。
あとがき
インフルエンザの空気感染とはいったい何なのか。
また、飛沫感染や接触感染とともに、どんな事に気を付ければいいのかまとめましたがいかがでしたか。
インフルエンザはいろんな感染経路があり、どれも注意が必要です。
やはり基本的な予防方法は、手洗いやマスクをしっかりすることですね。
ちなみに「うがい」にインフルエンザ予防の科学的な根拠はないと言われていますが、風邪などの予防もありますし、やっておいて損はないでしょう。
インフルエンザにかかっていいことはないので、やはりそのための予防をしっかりとしておくことが大切ですね。
その予防についてこちらの記事で詳しくまとめています。
参考ページインフルエンザの予防方法には何がある?食べ物やグッズなどの対策
予防には手洗いや食べ物をはじめ、グッズや予防接種など様々あるのでぜひ一度ご覧になって下さい。
何か一つでも新たな発見があるかもしれませんよ。
このインフルエンザについて別の記事でもいろんな悩みについて触れています。
それらの記事をこちらのページに一つにまとめました!
インフルエンザの予防接種の時期はいつからいつまでなのか。そして予防接種の効果や副作用について。
そしてインフルエンザの潜伏期間からA型とB型の症状の違いについて、感染経路や期間も触れた記事を用意しています。
流行のピークを知って予防に努めたり、インフルエンザ対策の食べ物や湿度管理もまとめています。また学校や会社を休むときの出席、出勤停止期間などもあるので一緒に確認していきましょう!
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