インフルエンザワクチンを接種したのに発症してしまうことがあります。
実際にインフルエンザの予防接種を受けたからといって100%防げるかというと、決してそうではありません。
これは厚生労働省の発表にもあります
となるかもしれませんが、インフルエンザワクチンの最も大きな意味は、
ここにあると言っています。
だから、全くインフルエンザワクチンに効果なしとも言えないんですね。
では、このインフルエンザワクチンにはどんな効果があるのか。
そして気になる副反応はどうなのか。
今回は、インフルエンザワクチンの効果と副反応に触れていきましょう。
インフルエンザワクチンは効果なし?
インフルエンザの時期は早いと10月頃から始まり、1~2月にはピークになって毎年注意が必要です。
そのインフルエンザ予防で思い浮かぶのは『ワクチン接種』ですよね。
そのインフルエンザワクチンの接種は、お金も数千円払って受ける任意のものなので必ずしも受けないといけないワケではありません。
インフルエンザワクチンの効果があって発症しない人もいれば、一方でインフルエンザにかかる人もいます。
だったら受ける意味がないと感じた人も多いのではないでしょうか。
でも、『ワクチン接種してもインフルエンザにかかる可能性はある。』ということが、厚生労働省のホームページにも記載がされています。
インフルエンザワクチンが効かないと感じるワケ
さて、インフルエンザワクチンを接種しても効果なし、かかってしまうということは厚生労働省の「インフルエンザQ&A」コーナーでも記載がありますので、一部改変して抜粋しますね。
インフルエンザウイルスの感染は、ワクチンで完全に抑える働きはありませんが、インフルエンザ発症を抑える効果が一定程度認められています。
発症後、多くの方は1週間程度で回復しますが、肺炎や脳症等の重い合併症が現れ重症化する可能性がある人もいます。
ワクチンの最も大きな効果は、この重症化を予防する効果です
※平成11年度 厚生労働科学研究費補助金 新興・再興感染症研究事業「インフルエンザワクチンの効果に関する研究(主任研究者:神谷齊(国立療養所三重病院))」の報告では、
65歳以上の老人福祉施設・病院に入所の高齢者については
34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があった
とされています。
以上のように、インフルエンザワクチンを接種すれば絶対にかからないというものではありませんが、ある程度の発病を阻止する効果があり、また、たとえかかっても症状が重くなることを阻止する効果があります。
ただし、この効果も100%ではないことに御留意ください。
出典:厚生労働省インフルエンザQ&Aより、一部改変し抜粋
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
ここの最後書かれているように、
インフルエンザワクチンの接種をしたからといって、絶対にかからないとは言えない。
という事なんですね。
だからインフルエンザワクチンは、
ここを理解しておきたいですね。
インフルエンザワクチンの効果とは
インフルエンザワクチンはどんな効果があるのか。
期待できる効果やワクチンでは防げない部分についてまとめてみます。
- 感染自体は防げない。
- 予防接種しても発症する可能性は十分にある
- 発症を抑える効果が期待できる。
- 発症後の重症化の軽減
- 発症後軽度の症状に抑える効果が期待できる
- 2回接種することでブースター効果が得られる。
- すべて個人差がある。
主なところはこのような感じですね。
インフルエンザワクチンは効果なしと感じている人は、こういった事情を知ると少し納得できる部分もあるんじゃないでしょうか。
厚生労働省の発表にもあるように、インフルエンザワクチンの最も大きな効果は『重症化を予防する効果』です。
ここに価値を感じるか感じないかによっても大きく違いますね。
インフルエンザワクチンでどのくらい防げる?
感染自体が防げなかったり、発症する可能性があるインフルエンザワクチン接種ですが、それだと
これもいくつか研究がなされていて、ある程度の結果が得られています。
日本臨床内科医会の河合直樹らの調査によると
0~15歳の場合1回接種:68%
2回接種:85%
1回接種:55%
2回接種:82%
このようなインフルエンザ発症予防効果が得られたようです。
予防接種は2回接種することでブースター効果(免疫増幅効果)が得られるため、予防効果が高まるわけですね。
こちらについては別の記事で詳しくまとめています。
参考ページ受験生のように「絶対1~2月はかかりたくない!」といった人には有効な予防手段なので、ぜひ読んでみてください。
インフルエンザワクチンの発症予防効果の意味
さきほどの発症予防効果についてですが、ちょっと補足しておきたいことがあります。
16~64歳の場合1回接種:55%
2回接種:82%
この数字ですが、意味を考えると
と言うように捉えられそうですが実は違います。
このパーセンテージの意味を例えを使って説明しますね。
例えば、
ワクチン接種を全員が受けない100人の「グループA」
ワクチン接種を全員が受けた100人の「グループB」
こう分けます。
ここでグループAが50人感染したとします。
一方のグループBは9人感染しました。
となると、
グループBもワクチン接種を受けなかったとしたら50人感染していたんじゃないか?
ワクチン接種で50人の感染者を9人に抑えることができた。
41人を感染から守った。
ということで
という結論を言っています。
つまり2回ワクチン接種を受けたら82%安心ではなくて、受けなくて感染する人の82%は防げるという事です。
*結果的にグループBは91人感染しなかったことになっていますね。
インフルエンザワクチンの効果はいつから出る?
インフルエンザワクチンを受けても絶対にかからないわけではありません。
それでも、予防効果を期待するなら受けておいた方が良いと思います。
じゃあ、インフルエンザワクチンの効果はいつから出始めるのでしょうか。
でも、受けたその日から効果があるわけではありません。
インフルエンザワクチンは、接種後およそ1~2週間ごろから抗体ができはじめると言われていています。
そして、4週間ほど経つと期待した効果があると言われています。
インフルエンザワクチンを受ける時期
予防接種を受ける時期は、
これで受ける時期を考えればわかりやすいと思います。
例えば1月に効果を実感したいなら、最低でも12月中旬には受けておかないといけません。
それ以降だと、ワクチンの効果がしっかり実感できないかもしれません。
これについても厚生労働省のホームページにも記載がされています。
Q.23: インフルエンザワクチンの接種はいつ頃受けるのがよいですか?
日本ではインフルエンザは例年12月~3月頃に流行し、1月~2月に流行のピークを迎えます。
ワクチン接種による効果が出現するまでに2週間程度を要することから、毎年12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられます。
出典:厚生労働省インフルエンザQ&Aより
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
受験本番もそうですが、その前の勉強もインフルエンザにかかっていては手につきません。
もし、ワクチン接種を受けるなら、しっかりと効果の出る時期を考えて受けるようにしましょう。
参考ページインフルエンザ予防接種の時期はいつからいつまで?12月は遅い?
インフルエンザワクチンの副反応は大丈夫?
インフルエンザワクチン接種後に気になるのは、
副反応があるのか?
これって心配になりますよね。
予防接種をしてインフルエンザの心配をなくしたいのに、副反応の心配事が増えるのも嫌な感じです。
でも、実際にインフルエンザワクチンを受けて何かしらの副反応が出るケースがあります。
例えば、腫れや赤みなどは現れやすいようで、厚生労働省のホームページにも、接種した場所に
- 赤み(発赤)
- はれ(腫脹)
- 痛み(疼痛)
こんな副反応があると書いてますね。
Q.30: インフルエンザワクチンの接種によって引き起こされる症状(副反応)には、どのようなものがありますか?
免疫をつけるためワクチン接種した時、免疫がつく以外の反応がみられることがあります。
これを副反応といいます。
季節性インフルエンザで比較的多くみられる副反応には、
- 接種場所の赤み(発赤)
- はれ(腫脹)
- 痛み(疼痛)
等が挙げられます。
接種を受けられた方の10~20%に起こりますが、通常2~3日でなくなります。
出典:厚生労働省インフルエンザQ&Aより
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
これによると、
接種した人の10~20%に起こる
通常2~3日でなくなる
こう書かれています。
確率は高くないですが、副反応の可能性があるのは覚えておきたいですね。
インフルエンザワクチンの副反応が出たら
インフルエンザワクチンの副反応によって腫れが出ると、いっしょに「かゆみ」もある場合があります。
腫れやかゆみで掻いてしまうと悪化の危険もあるので、触らないように「冷やす」ようにしましょう。
揉んだりせず入浴や運動も控え安静にしたいですね。
インフルエンザワクチンの副反応と発熱
インフルエンザワクチンの副反応で発熱が出る可能性があります。
これについても厚生労働省の「インフルエンザQ&A」に記載があります。
全身性の反応としては、
- 発熱
- 頭痛
- 寒気(悪寒)
- だるさ(倦怠感)
などが見られます。
接種を受けられた方の5~10%に起こり、こちらも通常2~3日でなくなります。
また、まれではありますが、
ショック、アナフィラキシー様症状(発疹、じんましん、赤み(発赤)、掻痒感(かゆみ)、呼吸困難等)
が見られることもあります。
ショック、アナフィラキシー様症状はワクチンに対するアレルギー反応で接種後、比較的すぐに起こることが多いため、接種後30分間は接種した医療機関内で安静にしてください。
また、帰宅後に異常が認められた場合には、速やかに医師に連絡してください。
出典:厚生労働省インフルエンザQ&Aより
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
これによると全身性の副反応は、
受けた人の5~10%に起こる。
通常2~3日でなくなる。
ということで「37.0℃~38.5℃」くらいの発熱があるようです。
高熱になると心配なので、医師に連絡し必要ならば診察をしてもらった方が良いのではないでしょうか。
インフルエンザワクチン接種で副反応が出たら
インフルエンザワクチン接種後の副反応では、腫れやかゆみなどの他にもっと危険なケースもあります。
といった症状です。
先ほどの厚生労働省の「インフルエンザQ&A」に記載がされていた部分にもありましたが、
ワクチンに対するアレルギー反応で接種後、比較的すぐに起こることが多いことから、接種後30分間は接種した医療機関内で安静にしてください。
また、帰宅後に異常が認められた場合には、速やかに医師に連絡してください。
このようにありましたね。
腫れは通常接種部分の一部だけなのに全身に広がってしまったり、呼吸困難になったり血圧が低下したりなど、重い症状が現れる場合もあります。
病院でも説明があると思いますが、
これは頭に入れておきたいですね。
インフルエンザ予防接種後の運動や入浴は?
予防接種をした後に、入浴や運動をしてもいいのか気になりますよね。
運動は激しくなければ別に構わないのですが、さすがにゆっくりした方がいいと思います。
予防接種を受けることで抗体を作るのに体力を消耗しているわけですから、無理はしない方が良いでしょう。
入浴も軽く済ませるぐらいで、あまり体に負担はかけたくないですよね。
この予防接種後のお風呂や運動について別のページで詳しくまとめています。
参考ページインフルエンザワクチン接種後のお風呂は大丈夫?運動や飲酒は?
飲酒などについても触れているので、ぜひこちらも読んで下さい。
あとがき
インフルエンザワクチンに効果なしとはどういうことなのか。
また、インフルエンザワクチンの副反応をまとめましたがいかがでしたか。
って思いますよね。
だから、
ここがわかっていないと不満も多くなると思います。
あらかじめ納得したうえで、受けるか受けないかを決めたいですよね。
そんなインフルエンザワクチンですが、もう一つ気になるのは予防接種の値段じゃないでしょうか。
病院による値段の違いや助成金など、お金に関することをこちらの記事でまとめてるので続けて読んでみて下さい。
参考ページ
このインフルエンザについて別の記事でもいろんな悩みについて触れています。
それらの記事をこちらのページに一つにまとめました!
インフルエンザの予防接種の時期はいつからいつまでなのか。そして予防接種の効果や副作用について。
そしてインフルエンザの潜伏期間からA型とB型の症状の違いについて、感染経路や期間も触れた記事を用意しています。
流行のピークを知って予防に努めたり、インフルエンザ対策の食べ物や湿度管理もまとめています。また学校や会社を休むときの出席、出勤停止期間などもあるので一緒に確認していきましょう!
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