インフルエンザの予防接種をしたのにかかってしまった!
こんな経験をされた方も多いと思います。
こう考える人も多いようですね。
実際にインフルエンザの予防接種を受けたからといって100%防げるかというと、決してそうではありません。
これは厚生労働省の発表でも認めています。
となるかもしれませんが、予防接種の最も大きな意味は、
重症化の予防
ここにあると言っています。
じゃあ、その重症化の予防って何なのか?
そこで今回は、このインフルエンザの予防接種の意味や必要性、重症化予防の効果についてまとめました。
最後まで読んでいただいて、インフルエンザの予防接種が意味ないのかどうか、あなた自身で考えてみてください。
インフルエンザ予防接種したのにかかるの?
インフルエンザの流行は11~12月ごろから徐々に聞き始めるようになりますが、1~2月ごろになるとピークを迎え、毎年学級閉鎖などのニュースを聞きますよね。
この時期に合わせるために、毎年10月ごろになるとインフルエンザの予防接種が始まりたくさんの方が受けられます。
そのインフルエンザの予防接種を受けたら、とりあえず今年は安心だなって思いますよね。
でも、インフルエンザの予防接種をしたのにかかることがあります。
こんなふうに思ってしまいますが、実はインフルエンザの予防接種を受けてもかかる可能性は残っているのですね。
これについては厚生労働省のホームページをはじめ、様々なところで説明がされています。
インフルエンザの予防接種したのにかかるワケ
さて、インフルエンザの予防接種したのにかかるということには、厚生労働省の「インフルエンザQ&A」コーナーでも記載がありますので、それをまず見ていただければと思います。
Q.18: ワクチンの接種を受けたのに、インフルエンザにかかったことがあるのですが、ワクチンは効果があるのですか?
インフルエンザにかかる時はインフルエンザウイルスが口や鼻から体の中に入ってくることから始まります。
体の中に入ったウイルスは次に細胞に侵入して増殖します。
この状態を「感染」といいますが、ワクチンはこれを完全に抑える働きはありません。
ウイルスが増えると、数日の潜伏期間を経て、発熱やのどの痛み等のインフルエンザの症状が起こります。
この状態を「発症」といいます。
ワクチンには、この発症を抑える効果が一定程度認められています。
発症後、多くの方は1週間程度で回復しますが、中には肺炎や脳症等の重い合併症が現れ、入院治療を必要とする方や死亡される方もいます。
これをインフルエンザの「重症化」といいます。
特に基礎疾患のある方や御高齢の方では重症化する可能性が高いと考えられています。
ワクチンの最も大きな効果は、この重症化を予防する効果です。
※平成11年度 厚生労働科学研究費補助金 新興・再興感染症研究事業「インフルエンザワクチンの効果に関する研究(主任研究者:神谷齊(国立療養所三重病院))」の報告では、
65歳以上の老人福祉施設・病院に入所している高齢者については
34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があった
とされています。
以上のように、インフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありませんが、ある程度の発病を阻止する効果があり、また、たとえかかっても症状が重くなることを阻止する効果があります。
ただし、この効果も100%ではないことに御留意ください。
出典:厚生労働省インフルエンザQ&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
ここの最後書かれているように、
インフルエンザの予防接種をしたからといって、絶対にかからないとは言えない。
という事なんですね。
インフルエンザ予防接種は意味ないの?
インフルエンザの予防接種をしたのにかかってしまうんじゃ、意味なんてないのか?
というと、全く必要性がないということではなく予防接種をすることによって、
- ある程度発症を抑える。
- 重症化を予防する効果
というものが期待できると言っています。
つまり、
こう言っているわけですね。
ですので、全く意味がないというわけではないということです。
インフルエンザの予防接種の効果とは?
では、このインフルエンザの予防接種の効果とはどうなのか?
まず、インフルエンザの予防接種をして、インフルエンザの発症をどのくらい抑えれるのかですが、日本臨床内科医会の河合直樹らの調査によると
0~15歳の場合1回接種:68%
2回接種:85%
1回接種:55%
2回接種:82%
このようなインフルエンザ発症予防効果が得られたようです。
予防接種は2回接種することでブースター効果(免疫増幅効果)が得られるため、より高い効果が得られたという結果も確認できますね。
全く意味がないわけではないということが、この研究から確認ができます。
ただ、これを見てもわかるように、予防接種をしてもインフルエンザにかかる人はいるということです。
インフルエンザの重症化予防の効果とは?
さて、もう一つ大切なことが
インフルエンザの重症化を予防する
ということ。
これも先ほどの厚生労働省の発表にありましたが、
と言っていますね。
データも一緒に載せてくれていましたが、65歳以上の老人福祉施設・病院に入所している高齢者については
34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があった
とされています。
インフルエンザはその症状もさることながら、高齢者などの免疫力が弱い人や持病のある人にとってかなりきつい病気なんですね。
また、合併症で肺炎を起こしたりするケースも多いようです。
私も以前老人ホームで働いていましたが、このインフルエンザやノロウイルスなど、所内で急速に感染する可能性がある病気は特に敏感でした。
仮に発病があっても症状が軽いと回復に向かうのも早くなるので、予防接種は欠かさずに受けていましたね。
インフルエンザ予防接種の必要性とは?
予防接種を受けることでインフルエンザ症状の重症化を予防するとありますが、インフルエンザの症状自体を軽くしてくれる効果も期待できます。
インフルエンザというと代表的な症状は高熱ですよね。
必ずしも効果が表れるとは限りませんが、この高熱をもっと低い発熱に抑えてくれる可能性もあります。
また、インフルエンザ特有の筋肉痛や激しい頭痛、吐き気など、そういった症状を軽くしてくれることにも期待が寄せられています。
だからこの点でも必要性は高いですよね。
また、「絶対にこの時期はインフルエンザにかかりたくない」といった人もいるでしょう。
インフルエンザがピークを迎える1~2月はまさに受験シーズン真っただ中ですよね。
その一番大切な時期を控え、病気への不安が高まる中、インフルエンザの予防接種を受けておくことで安心感が高まります。
ですので、
- インフルエンザの発症を抑える
- インフルエンザの重症化を予防する
- インフルエンザの症状を軽く抑える
こういった可能性にワクチンの必要性が見つけられるわけですね。
インフルエンザの予防接種と不活化ワクチンについて
インフルエンザの予防接種は「不活化ワクチン」というものを使って作られています。
このワクチンによって体の中に抗体を作りインフルエンザ予防しようといったものですが、これは今年流行りそうな型を想定して作られています。
今の技術ではかなり精度の高いワクチンが用意できるようですが、やはり多少の違いはあるようなんですね。
ただ、型の違うインフルエンザが流行したとしても、似たウイルスの病気に対してある程度免疫が働くため、重症化予防にもつながると考えられています。
あとがき
インフルエンザの予防接種をしたのにかかるなら意味はないのか。
そして予防接種の重症化予防効果や必要性についてまとめましたがいかがでしたか。
受けることが全く意味ないわけではなく、たとえインフルエンザにかかったとしても症状を軽減してくれる可能性があるわけですね。
ただしこの効果は100%ではないし個人の免疫力の差なども関係してくるので、すべての人に当てはまる結果ではありません。
このあたりのことも考えて、予防接種を受けるのかどうか選んでみてください。
もし受けるのであれば、しっかりと受ける時期を考えてから予約しましょう。
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