年末になると仕事納めや年賀状など、いろいろと準備も忙しいですよね。
そんな歳末の習慣と言えばお歳暮があります。

「お中元」とか「○○祝い」とか、なんで日本ってこんな贈り物が好きなんでしょうね?
どうしてお歳暮ができたのか、その由来や意味とは何なのか。
「お歳暮って毎年の習慣だから~・・・」みたいに、ただ何気なく渡すようになっていませんか。
そんなお歳暮の意味を改めて思い返すためにも、今回は、
お歳暮の漢字の読み方とは?
お歳暮の由来や意味、そしてお中元との違いなどまとめました。
お歳暮の読み方とは?
お歳暮の読み方は「おせいぼ」
歳暮(せいぼ、さいぼ)は、「年(歳)の暮れ」のことです。
歳末(さいまつ)
歳晩(さいばん)
歳末は「歳末セール」などとよく聞きますよね。
一年の終わり頃を指す言葉で、12月末の大晦日にかけての時期を言うことが多いです。
そのような年の暮れの贈答品をお歳暮(おせいぼ)と言います。
「歳暮」と言う言葉は、俳句では12月の季語にもなっています。
お歳暮の意味や由来は何なの?
お歳暮とは、歳末の贈り物の意味です。
もともとは御魂祭 (みたままつり)と呼ばれる行事が由来とされています。
御魂祭はお正月にご先祖様の霊を迎えるために行われ、そのお供え物として塩鮭や数の子、塩ぶりなどの魚介類の干物などが多く供えられました。
嫁いだ娘や家を離れ分家した人が、正月前に親元や本家に寄り集まる時にこのようなお供え物を持参したわけです。
鏡餅などお正月に飾りますが、この鏡餅にも歳神様が宿ると言われていますね。
その歳神様が宿った鏡餅を割り、家長が家族みんなに振る舞ったことが御歳魂(おとしだま)の由来とされています。
この歳神様が宿った御歳魂のお餅を食べることで、今年一年の健康などを願ったというわけです。
お歳暮はこの御霊祭が由来となって、江戸時代になると商人が年末にお世話になった人へ贈り物を持参して挨拶周りをした歳暮周り(せいぼまわり)によって、一般的にも広まったと言われています。
今のようなお歳暮のスタイルに定着したのは、明治30年代と言われています。
「歳暮」とは年の暮れを意味する言葉ですが、お歳暮というのはいつの間にか「贈り物」の呼び名となっていきました。
お歳暮とお中元の違いは?
お歳暮とよく似た習慣に、夏のお中元があります。
この夏のお中元とお歳暮はいったい何が違うのでしょうか?
お中元とは、お世話になった人への感謝の気持ちに贈り物をする習慣で、お歳暮の意味と同じです。
お中元の由来は、中国の三元思想と盆行事が結びついたものです。
上元:天神様(旧暦1月15日)
中元:慈悲神様(旧暦7月15日)
下元:水と火の神様(旧暦10月15日)
それぞれの神様を祀る「三元」という風習から来ています。
三元の内の7月15日が中元と呼ばれています。
そしてそれとは別に、仏教の年中行事である「盂蘭盆会(うらぼんえ)」も7月15日に行われていました。
そのお盆の時に帰省する子供たちが、親への感謝の気持ちとして贈り物をしていたのですね。
そのお盆の贈り物と7月15日が中元であることが重なり、今のお中元という形の由来となりました。
お中元とお歳暮の由来は全く違いますが、根本的な部分の「感謝の気持ちの贈り物」と言うところでは同じなんですね。
お歳暮とお中元の時期の違い
関東では、お歳暮の時期は12月1日~25日頃の期間となっています。
そしてお中元の時期は7月1日~15日頃となっています。
しかし関西を中心とする西日本では、
お歳暮:12月10日~25日
お中元:7月15日~8月15日
このような違いが見られるのです。
というのも、関西のお歳暮は正月を迎える準備を始める12月13日の「事始めの日」から贈るのが正式でした。
ですので、12月13日を元にした日付となっています。
またお盆も8月15日の月遅れの盆を基準としていたため、お盆での集まりもこの時期でありお中元もそれに伴って関東とは違います。

関西では農作業が忙しすぎて、7月15日にお盆を迎えるような余裕はなかったのです。
これがお中元の時期の違いにもつながっていると考えられています。
お歳暮の時期についてはコチラ
お歳暮は贈るけど、お中元は贈らない
お歳暮は贈るけどお中元は贈らないと言う人も多いですよね。
やはり歳末ということもあり、一年間の感謝の気持ちを表す上でお歳暮のほうがまとめやすくなります。
また、お歳暮のほうが贈り物の値段の相場が高くなる傾向で、お中元の2~3割は高くなります。
「お歳暮は贈るけどお中元は贈らない」というのは、「年賀状は送るけど暑中見舞いは送らない」と言う関係に近いんじゃないでしょうか。
お歳暮は外国にはないの?
日本のお歳暮ですが、外国でも同じような習慣があるのでしょうか。
年末になってお歳暮のような形で感謝の気持ちを表すという行動は、日本特有のものでアメリカなどの諸外国にはないようです。
ただ、20世紀に入ってからスペインで日本のお歳暮のような習慣が生まれているようですね。
というようで、直訳すると「クリスマスの分け前」なんだそうです。
日本と同じようにお世話になった人、会社関係の上司や取引先。他にもかかりつけ医やアパートの守衛など、幅広く渡されているようです。
時期的にはクリスマス前で、ワインやハム、お菓子などクリスマスに合うものがよく贈られるようです。
他にもお歳暮のような習慣を持つ国があるかもしれませんね。
たくさんの疑問もあるお歳暮について、時期やマナーなどの悩みに答えたページを用意しました!
お歳暮を贈る際に相手に失礼のないようするために、ぜひ参考にしてください。
あとがき
お歳暮の漢字の読み方とは?
お歳暮の由来や意味、そしてお中元との違いなどまとめましたがいかがでしたか。
年末にお歳暮を送ろうと考えている方もいると思いますが、相手がもらって嬉しいものを選びたいですよね。
そんなお歳暮に人気のものや、逆に贈ってはいけないものなどをコチラのページでまとめてます。
今年のお歳暮選びで何を贈ろうか悩んだ時は、ぜひ参考にしてください。
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