春分の日は「お彼岸」とも呼ばれ、お墓参りをする風習がありますが、これには仏教の思想が大きくかかわっています。
春分の日とは「太陽が真西に沈む日」なので、
という考えから来ているんです。
でも、お墓参りをする由来はこれだけじゃなく、実は日本のお彼岸はちょっと特殊なんですね。
そんな春分の日の意味や、秋分の日とはどう違うのか?
今回は、この「春分の日がもつ意味」について、いろんな角度から見ていきたいと思います。
春分の日とはどんな意味を持つ日なの?
この春分の日は、日本の季節を表すうえでとても大切な日となっています。
その春分は、暦便覧には
このように記され、春分は「昼と夜が同じ長さ」の日を意味しています。(*暦便覧とは、江戸時代に「著者 太玄斎」によって記された暦の解説書のこと)
暦を見る上で『二十四節気』と呼ばれる、「1年を24つに区切って季節を分けた考え方」があり、春分は「立春から数えて4番目」にあたります。
それはこちらの「二十四節気の一覧」の図を見てもらうと、その流れがわかります。
日本には四季がありますが、それを表すうえで重要なのが「八節」と呼ばれる暦です。
この八節には、
二至:夏至・冬至
二分:春分・秋分
四立:立春・立夏・立秋・立冬
これを合わせた暦を言います。
この夏至や冬至と合わせた、春分と秋分の日は太陽の動きと大きく関係しています。
それをそれぞれ簡単に説明すると、
春分:昼と夜の長さが同じ
夏至:最も昼が長く、夜が短い
秋分:昼と夜の長さが同じ
冬至:最も昼が短く、夜が長い
このような関係を持つ日なんです。
春分の日が祝日になった由来とは?
どうして春分の日は祝日なの?
祝日になるくらいだから、かなり重要な日であることはわかりますよね。
というのも、実はこの日が、ご先祖様の霊を供養する特別な日として、
と呼ばれる宮中祭祀につながっている事に関係しています。
実はこの皇霊祭が、1879年(明治12年)~1948年(昭和23年)まで「春季皇霊祭」として休日となっていました。
*秋季皇霊祭は1878年(明治11年)~1947年(昭和22年)まで
それが「国民の祝日に関する法律」によって、それぞれが
春季皇霊祭 ⇒「春分の日」
秋季皇霊祭 ⇒「秋分の日」
このように名前を変えて、国民の祝日となった由来があるんですね。
そんな今年の春分の日はいつなのか。
実は固定されている日ではないので、毎年の確認が必要です。
今年の春分の日はこちらでチェックできます
休みの日がいつなのか確認してくださいね。
この二十四節気から全体を見渡すと一年の流れがわかりやすくなりますが、私たちの生活にどんな意味をもたらしているのか?
日本の季節や文化にも大きな影響を与えている「二十四節気」について、一覧カレンダーで確認しながら理解できるページを用意しています。
農作物の収穫や時候の挨拶、季節の行事などに今でも大きく関わっているので、ぜひこの機会にご覧になってください!
春分の日のお彼岸の意味や墓参りするわけは?
秋分の日は「お彼岸」と言ってお墓参りをされる方も多いと思いますが、実はこの春分の日も「春のお彼岸」としてお墓参りをする風習があります。
実は、この春分の日のお墓参りはとても大切な意味があって、それは、
- ご先祖様のいる「真西の方向」が最もわかる日
- この世とあの世が最も近づく日
このような理由で春分の日にお墓参りをするのです。
この考えは仏教からの教えによるものですが、お彼岸(春分の日)というのは太陽が真東から昇って、真西に沈む日です。
そして仏教では「極楽浄土は西の彼方にある。(西方浄土)」と考えられているのです。
だから、太陽が真西に沈む春分の日は、その極楽浄土の方角が一番わかる日なんですね。
こんな意味があるので[春分の日は、西方浄土にいる阿弥陀仏を拝礼するのに一番ふさわしい日だ。]
このように考えられ、ご先祖様の霊を供養する日となったワケです。
春分の日とお彼岸の意味
春分の日に出てきた「彼岸」という言葉ですが、彼岸とは仏教用語で「あの世(極楽浄土)」を指しています。
その一方で、此岸(しがん)という言葉がありますが、これは「この世(現世)」のことを指して言います。
春分の日は、
ということで、ご先祖様を偲んでお墓参りをすることが習慣として残ったと言われています。
それは、日本が農耕民族であるので、
- 「春に豊穣を祈る」
- 「秋に収穫を感謝する」
この「自然信仰」をとても大切にしてきた国ですよね。
そこに、祖先を大切にするといった仏教の思想が混ざって根付いた行事だと考えられています。
こんな理由もあってか、ちょっと日本のお彼岸の由来は特殊なようですね。
春分の日と秋分の日の違いや共通点は?
上でも見てもらったように、春分の日はお彼岸としてお墓参りをする風習があります。
でも、これは秋分の日にも全く同じ風習がありますよね。
この春分の日と秋分の日の違いや共通点はどうなっているのか?
実はとても深い関係があります。
というのも、この2つの日は
ということで共通しています。
そのことから
ひいては
という仏教思想も、同じ考えが生まれる日でもあります。
春分と秋分の違いは?
ただ、この2つの日にも違いはあって、
それが「日にち」と「食べ物(行事食)」の違いです。
日にちが違うのは当たり前と言えばそうですが、太陽の周りを地球が一周する間に「昼と夜の長さが同じ日」が2回あるのです。
「昼と夜の長さが同じ日」というのが年に2回あるわけで、その特別な日を春分、秋分と呼んでいるわけです。
そして、天球図という「地球を中心とした太陽の動きの図」を見ると、
春分(3月21日頃)は黄経0度
秋分(9月23日頃)は黄経180度
このように表され、それぞれおよそ半年後に訪れるようになっています。
黄道:太陽の見かけの通り道
天の赤道:地球の赤道の延長と天球の交線
夏至や冬至はそれぞれその中間に位置しており、地球の1年の動きを見る上でも重要な暦となっていますね。
春分と秋分の日の食べ物の違い
もう一つこの2つの日の違いには、食べ物(行事食)の違いがあります。
それが「おはぎ」と「ぼた餅」です。
と、疑問に思いますが、春分の日には
ぼた餅を食べる
というのが風習としてあります。
反対の秋分の日にはおはぎを食べます。
春分の日:牡丹餅
秋分の日:お萩
このように名前が分けられ、この二つの日で食べられるものが分かれているようです。
ただ今は、関東地方で「おはぎ」と呼ぶことが多くなり、ぼた餅もおはぎと呼ぶことが多いようです。
両方とも食べた方は多いと思いますが、この違いっていったい何だかおわかりでしょうか。
実はこの2つには、とても大きな共通点と小さな違いがあるんです!
春分と七十二候
二十四節気をさらに約5日おきに分けて、気象の動きや動植物の変化を表したものを「七十二候(しちじゅうにこう)」と言います。
今では見なくなったものも多いですが、この七十二候によって春分はどんな季節として迎えているのかがイメージしやすくなってきます。
初候(3月20日頃)雀始巣(すずめはじめてすくう)
雀がつがいになって巣を作り始める頃をいいます。
次候(3月25日頃)桜始開(さくらはじめてひらく)
各地で桜が咲き始める頃をいいます。
末候(3月30日頃)雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)
春雷の音が聞こえ始める季節をいいます。
季節の変わり目で不安定な気候を感じる頃です。
あとがき
春分の日はどんな日なのか。
お彼岸やお墓参りをする意味や、秋分の日との違いも含めて見てきましたがいかがでしたか。
1年に2回ある特別な日を、それぞれの季節に分けて春分・秋分と呼んでいたのですね。
なんていう慣用句もあり、この時期を境に気候も変わる事が多い時期です。
お彼岸とはこの春分の日を中間に、その前後3日間のことを言います。
彼岸の時期はとてもすごしやすいので、機会を作ってご先祖様へ手を合わせに行かれてはどうでしょうか。
そんなお彼岸は日本の様々ある行事の中でも特に重要な意味を持ち、春分と秋分に迎える大切な日です。
そのお彼岸の意味やお墓参りをする理由や牡丹餅など行事食を食べる理由、祝日となる意味などこちらのページでまとめています。
一度ご覧になって、気になる記事をぜひチェックして下さい!
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