熱中症はめまいやふらつきなどの症状が真っ先に思い浮かびますが、実は熱が出るといったこともあり得ます。
また、体温調節機能の乱れがあったり、脱水症状の可能性もあります。
熱中症で熱が出るのは、体に熱がこもっていてうまく放出できていない状態なので、何とかその熱を外に出さないといけません。
もしそのままにしておくと40℃を超えるような熱が発生したり、最悪死に至る場合もあります。
そこで今回は、この熱中症の熱が出るわけや下がらずに続く理由や解熱剤などの薬の対処法はどうなのか?
これらについてまとめました。
熱中症で熱が出ることってあるの?
熱中症の症状といえば
といったことを思い出しますが、ひどくなってくると
こんな重い症状まであります。
その熱中症には様々な怖い症状がありますが、その中で「熱が出る」こともよく挙がってきます。
実は熱中症の症状には「発熱」があり、ひどくなると40℃を超える高熱(熱射病)まで重症化する可能性もあります。
発熱に関しては37℃弱だったので、そこまで体温は上がっていなかったですけどね。
とは言え、平熱に比べると高くなっているので体の中に熱がこもっていたことがわかりますね。
私の熱中症のケースぐらいだと熱もそこまで高くないのでダメージも少ないですが、38℃以上にもなってくると体への負担はとても大きく疲労もあり、それ以外でも様々な症状が現れていると思います。
その熱中症の症状は大きく分けて「3つの段階」で分類されていて、環境省の熱中症マニュアルにも記載されているんですね。
では、どのように段階分けされているのかチェックしていきましょう。
熱中症の3つのステージ
環境省の熱中症マニュアル
環境省の熱中症マニュアルでは、その熱中症の度合いを分かりやすく表にまとめてくれています。
環境省:熱中症健康保険マニュアル参照
http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/full.pdf
熱中症の3つのステージ
熱中症は3つのステージに分類されていて、順番に、
Ⅰ度:現場での応急処置で対応できる軽症
Ⅱ度:病院への搬送を必要とする中等症
Ⅲ度:入院して集中治療の必要性のある重症
このように分けられています。
それぞれの状態に応じて重症度が変わるし、また、救急搬送が必要かどうかなど対応も少し変わってきます。
ここには記載されていないような「腹痛や下痢、寒気」といった症状もでることがあります。
ですので、私の時は「中等症のⅡ度」だったんですね。
発熱に関しては高体温となると「重症のⅢ度」になるので、必ず病院受診が必要なレベルです。
熱中症の熱が下がらず続くワケ
私たちは36℃~37℃ほどの体温を保ちながら活動をしていますが、これは体の自律神経が働きこのバランスを保ってくれています。
また、汗をかくといった行動で体にこもる熱を放出して、体温を一定に保っています。
でも暑い外気温に体がダメージを受け続けていると、このバランスが崩れてうまく体温調整ができなくなってしまいます。(自律神経の乱れ)
また、汗をかき続けていると体の水分や塩分がどんどん失われていって、汗をかくことができなくなってしまい、体温を低下させることができなくなってしまいます。(脱水症状)
この状態のまま熱が体に負担を与え続けられていると、体に熱がどんどんこもって熱中症になってしまい、体温も上がってしまうのですね。
この「自律神経の乱れ」と「脱水症状」ですが、
特に暑さに慣れていない人や体調が元々悪かった人、高齢者や幼児など抵抗力が少ない人は回復に時間がかかりがちです。
熱中症は度合いにもよりますが、2~3日、続くと1週間ほど回復に時間がかかってしまうと言われています。
この間、熱が下がらず続いてしまうこともあるので、よくわからない時は病院受診した方が安心です。
熱中症の熱に解熱剤が効きにくいワケ
熱が出ると熱中症かどうか判断がつかない時がありますよね。
そのとき解熱剤を使ってしまうことがあります。
でも解熱剤はウイルス感染の風邪をひいた時などには有効ですが、熱中症とは原因が全く違うので本来の効果が期待できません。
だから熱中症の処置が十分に行われていないので、熱が下がらずに続くパターンに陥ってしまうことがあります。
風邪で熱が出る場合は、鼻水やのどの痛み、咳などの呼吸器系の症状が出ることが多いですが、熱中症の熱の場合は風邪とは違い呼吸器系の症状はあまり考えにくいです。
これが一つ、熱中症の熱と風邪などによる熱との違いになると思いますが、わからないときは病院受診するのが一番早くて安心です。
熱中症で熱が出たときの対処法は?
熱中症で熱が出たときの対処法ですが、原因は「体に熱がこもっている」ことなのでこの熱を放出しないといけません。
そのためには涼しい場所で体を冷やし、水分補給もしっかりとして十分休息をとりましょう。
先ほども触れたのですが、自律神経の乱れなど体温調節のバランスが崩れているのでその回復にも時間は必要だと思います。
私が熱中症になったケースでも、すぐに症状がおさまったわけではなく、やはり落ち着くまでに1~2日ほどはかかりました。
その間は冷房で室温を27~28℃ほどに保ちながら、しっかりと水分補給し、体に負担の少ない食事で休みました。
また、症状がおさまってもまだしっかりと体が回復していないかもしれないので、数日の間は無理をせずに様子を見るようにしてください。
熱中症は初期の段階でしっかりと対応すれば、重症化する危険性はグッと下がります。
その熱中症のサインを見逃さないためにも、こちらのページでチェックしておいてください。
熱中症の初期段階での応急処置
熱中症の初期段階では命にかかわるような重篤な症状は出ていませんが、それでもそのまま放っておいて無理を続けていると、症状がどんどん進行する可能性があります。
この時点でしっかりと応急処置ができれば症状は軽く済むので、この段階でしっかりと対処しておきましょう。
熱中症の応急処置で大切なポイント
熱中症の処置で大切なポイントは主に3つあります。
- 涼しい場所に移る。
- 体を冷やす。
- 水分補給をする。
とにかく体に熱がこもった状態なので、それを放出し体を冷やしてあげることが大切です。
1.涼しい場所に移る。
暑い場所にいたらいつまでも熱がこもるので、まずは涼しい場所に移動しましょう。
日陰で風の当たる場所や、クーラーの効いた室内に移っておきたいですね。
2.体を冷やす。
体の冷やし方についてですが、まずは服を緩め通気性をよくし熱を放出しましょう。
体を冷やすには濡らしたタオルを首回りや脇下、足の付根に当てて冷やすことが効果的です。
このようにすると血流が多い所を効果的に冷やすことができるので、覚えておきたいポイントですね。
3.水分補給をする。
スポーツドリンクや経口補水液などで、水分と塩分を両方バランスよくとることがポイントです。
水だけだと「熱けいれん」につながる恐れもあるので注意しましょう。
初期の軽度の段階では、まだ意識もあり吐気も少ないと思いますが、もし吐き気があったりしたら無理に水分補給はしない方が良いと言われています。
吐気や嘔吐がある場合は「中等症のⅡ度」に分類されるので、胃も一緒に弱っている可能性があるからです。
環境省の熱中症マニュアルにもこれについて記載があり、
「呼び掛けや刺激に対する反応がおかしい」
「応えない(意識障害がある)」時には誤って水分が気道に流れ込む可能性があります。
また「吐き気を訴える」ないし「吐く」という症状は、すでに胃腸の動きが鈍っている証拠です。
これらの場合には、経口で水分を入れるのは禁物で病院での点滴が必要です。
環境省:熱中症健康保険マニュアル参照
http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/full.pdf
このようにあるので、まずは涼しいところに移って体を冷やすことから対処していきましょう。
熱中症の発熱と重症度
私の熱中症のケースでは「中等症のⅡ度」だったのですが、発熱も微熱ですがありました。
でも、これは人によって熱中症の症状が変わってくるし、発熱だけあったり疲労があったり、発熱は無くて他の症状があったりなど様々です。
その時の環境によっても違うし、行動によっても変わります。
水分補給でもしっかりと水分と塩分がバランスよく取れていないと、筋肉けいれんが起こったり手足がしびれるといったこともあります。
あとがき
熱中症で熱が出るものなのか。
また、熱が下がらずに続くワケやその対処法、解熱剤での対応がよくない理由について見てきましたがいかがでしたか。
熱中症はめまいやふらつきなどの症状が真っ先に思い浮かびますが、実は熱が出ることも十分にあり得ます。
また、その時は体の体温調節機能の乱れや、脱水症状に近くなっている可能性があります。
また、自宅で休んでいるのに症状が落ち着かなかったら、迷わず病院受診して症状を見てもらいましょう。
夏は熱中症以外にも食中毒、夏風邪と呼ばれる手足口病やプール熱など様々な病気もあります。
これらも高熱の可能性があるので、病院受診するときは事前の状況なども伝えられるようにしておくと診断がスムーズになると思いますよ。
コメント