てるてる坊主というと子供の頃によく作った記憶があります。
これは中国の伝説が日本に伝わり、日本独自の文化が影響して「てるてる坊主」になったという由来があるのですね。
でも実は、中国のてるてる坊主の起源では、坊主ではなく「女の子」の姿をしています。
これが日本でどうして「坊主」となったのか?
そして時代を経て、中国では日本発のてるてる坊主の方が有名となっている「逆転現象」が起きているようですが、それは日本の「あるアニメ」が影響しているとも言われています。
そんな日本と中国の文化を交え、てるてる坊主の由来や意味、その効果も含めまとめたので、ぜひ最後までご覧ください。
てるてる坊主の起源ってなんなの?
てるてる坊主って子供の頃にもよく作った記憶がありますが、
- 照る照る法師
- 照れ照れ坊主
- 照り照り坊主
などなど、いろいろと呼ばれ方があるようです。
「明日は晴れますように」との願いを込めて作るものなので、それらしい漢字があてられています。
さて、このてるてる坊主は、もとは中国から伝わってきた
この伝説が起源になっているといわれています。
「掃晴娘(さおちんにゃん)」とは、まるで箒(ホウキ)で雨雲を払うように、晴れにしてくれたという伝説です。
掃晴娘の伝説とは?
ある年に中国で猛烈な大雨が街を襲い、雨はいつまでも降り続き人々は困り果てていました。
晴娘は天に向かって雨がやむように願いました。
そんな時、天から「東海龍王の太子の妃になれば、この雨を止めてやろう。」という声がし、晴娘は天に上って妃になる決意をしました。
すると、晴娘の姿はその瞬間に消えこの大雨はやみました。
これを見た人々は、晴娘を偲んで、長雨が続く時には紙で作った晴娘の人形を吊るすようになったと言われています。
中国から伝わった起源では晴娘という女の子ですが、日本のてるてる坊主は女の子ではなく「坊主」となっていますね。
これは日本に伝わったときに、日本の文化が関係していると言われています。
てるてる坊主の由来や意味とは?
日本で「てるてる坊主」というようになった由来は、お坊さんが天候の祈祷をする役目を持っていたからではないかと言われています。
この掃晴娘の伝説が伝わったのは平安時代ともいわれ、この時代の僧侶は呪術的な力をもった祈祷師でもありました。
坊主にはこんな意味もあるので、女の子ではなく坊主の方がしっくり来たのでこのように形を変えたと言われています。
また、他の説にもとんでもなく怖い話もあります。
てるてる坊主の怖い由来とは?
むかし、ある街で長雨で非常に困っていたところ、「お経を唱えると必ず晴れる」といった有名なお坊さんがきました。
そこで、お殿様の前でそのお坊さんにお経を唱えさせましたが、一向に雨が止む気配がありません。
次の日も雨で怒った殿様が、そのお坊さんの首をはねてしまったそうです。
そして、そのはねられたお坊さんの首を白い布でくるみ吊るしたところ、次の日には良く晴れたとのことでした。
これがてるてる坊主の由来だという説もあります。
これはとても怖いですね。
てるてる坊主には、童謡という形で歌がありますよね。
実はその歌の中でも、この出来事を思い起こさせるような歌詞があったんです。
興味のある方は、あらためて「てるてる坊主」の歌をこちらで聞いてみてください。
中国ではてるてる坊主の方が有名?
今回のお話にあった中国の掃晴娘ですが、20世紀はじめまでは一般に見られる風習であったようです。
でも、今では中国では知らない人が多いようですね。
むしろ今では日本から伝わった「てるてる坊主の方が知名度が高い」といった逆転現象が起きているようです。
どうして日本のてるてる坊主が知られるようになったのかというと、それはテレビアニメの「一休さん」から、日本にはこういった風習があるのかと知られたことが大きく関係していると言われています。
日本のアニメは世界に大きな影響を与えていますが、こんな日本の文化も思わぬ形で伝わっていたのですね。
アメリカでは日本の「kanon」というアニメの影響で、たい焼きが非常にブームとなって広がりを見せていました。
こうやって知らないところで日本が影響していることはとても多いようですが、まさかてるてる坊主がこんな形で伝わっているとは思いもよらなかったですね。
てるてる坊主って効果あるの?
このてるてる坊主には中国と日本でそれぞれの起源があり、それぞれの文化によって変化があったのですね。
そんなてるてる坊主ですが、残念ながら科学的な効果が証明されてはいません。
あくまでも「お祈り」といった意味のものなので、お天道様にお願いをするための一つの方法ですね。
このてるてる坊主も、子供心に明日晴れて欲しいといった願いが込められたものですが、6割ほどの人はその効果を実感したとも言われています。
ただ、実は「晴れの日」と「雨の日」の割合というのは、晴れの日が少ない県でも年間160日くらいあります。
晴れの日:160日程度
雨の日:60日程度
年間で雨の日が多かった場合でも、80日ほどとなっています。
一方で晴れの日が多かった年では、県によっては250日ほどあった年もあります
こういったデータを見ても、雨の日というのはそこまで多くないので、てるてる坊主を作ったら晴れになったと感じた人が多いのかもしれませんね。
てるてる坊主の吊るし方
さて、このてるてる坊主ですが、どこに吊るしているでしょうか。
窓のカーテンレールに吊るしたり、ベランダの洗濯物干しのところに吊るしたりなど、部屋に近いところが多いと思います。
このてるてる坊主の起源でもある掃晴娘ですが、当時は軒下ではなく「ナンテン」と呼ばれる木の下に吊るしたとされています。
ナンテンは中国が原産の木で「悪霊を払うという霊力のある木」と信じられてきました。
このナンテンの木は家の鬼門などにも植えられてもいました。
また、ナンテンは「難を転じる」とも考えられており、その木に掃晴娘の人形を吊るすことで、お祈りが天に届くものと考えていたのですね。
あとがき
てるてる坊主の起源とその怖い由来。
また、日本でのてるてる坊主の意味や効果についてまとめましたがいかがでしたか。
てるてる坊主のモデルは中国から伝わった風習ですが、それが独自の変化を遂げて、今の時代に逆輸入みたいな形で伝わっていたとは思いもよりませんでしたね。
他にも例えば、「七夕」も中国から伝わったものですが、実は七夕の短冊は日本独自のものだったりするので、意外と日本発の文化も多いです。
こうやって当たり前のようにある日本の文化も、その由来を見てみると面白いものですね。
コメント
こわぁぁぁ。
闇夜風(・v・★)さん、コメントありがとうございます。
そうなんです。こんな怖いエピソードが隠されていたりするようですね。
他にも自分たちが気付いていないだけで、身近にこういった怖い話が起源のものがあるかもしれませんね。